盛家の本家で大おばあ様が亡くなり、盛家は深い悲しみに包まれる。その出棺の道中、一行は突然流寇に襲われ、明蘭(みんらん)は混乱の中で皆とはぐれてしまう。森の中を一人で逃げ惑い、絶体絶命の危機に陥った明蘭。その彼女を救ったのは、偶然通りかかった顧廷燁(こていよう)だった。彼の助けで難を逃れた明蘭と祖母は、不穏な世情を察し、急ぎ都へ戻ることを決意する。しかし、その危険な道中にも、見えざる脅威が迫っていた。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ25話
大おばあ様の逝去と突然の悲劇
物語は、盛家の本家の大おばあ様が亡くなるという、悲しい場面から始まります。夫に裏切られ、寵妾を憎み続けた末の孤独な最期…なんともやりきれない気持ちになりますね。盛家一同が深い悲しみに包まれ、喪に服すことになります。
そして、出棺の日。ただでさえ悲しい行列に、追い打ちをかけるような悲劇が起こります。なんと、一行が凶悪な流寇に襲われてしまったのです!金品や女たちが狙われ、現場は大パニックに。明蘭は、いとこの淑蘭(しゅくらん)や品蘭(ひんらん)と一緒に馬車を降りて必死に逃げますが、混乱の中ではぐれてしまいます。
絶体絶命の明蘭を救ったのは…!
たった一人、森の中を逃げ惑う明蘭。もうダメかと思ったその瞬間、颯爽と馬で現れ、彼女をひょいと抱え上げて救った人物がいました。そう、我らが顧廷燁(こていよう)です!
明蘭は、てっきり流寇に捕まってしまったのかとパニックに陥りましたが、聞き覚えのある声が聞こえてきて一安心。それが顧廷燁(こていよう)だとわかった時の安堵の表情は、言葉では言い表せないほどでした。顧廷燁(こていよう)は軍に身を投じ、今では武官の虞侯(ぐこう)という位に。以前よりもずっと精悍な顔つきになりましたが、明蘭に向ける眼差しは昔と変わらず、いや、それ以上に優しさに溢れているように感じられました。
見えざる守護神・顧廷燁
顧廷燁は、怯える明蘭にお茶を飲ませて落ち着かせると、護身用の袖箭(しゅうせん)という隠し武器を渡して帰らせます。でも、彼の助けはそれだけじゃなかった!
夜道を一人で帰る明蘭が、再びチンピラに絡まれてしまいます。教わった通りに袖箭を放つと見事に命中し、相手は退散。でも実はこれ、物陰からこっそり明蘭を見守っていた顧廷燁が、彼女の袖箭と同時に自分の矢を放って助けていたんです。
なぜ一緒に帰ってあげないんだ?と不思議がる部下の石頭(せきとう)に、顧廷燁はこう言います。彼女は喪中だ。男である私が送っていったと知られたら、あらぬ噂を立てられてしまう。どこまでスマートなの、顧廷燁!明蘭の立場を第一に考え、陰ながら完璧に護衛する姿に、もう脱帽です。
無事に帰宅した明蘭を見て泣き崩れるおばあ様。この一件と不穏な世情を察し、一行は急いで都へ帰ることを決意します。
もちろん、その帰り道も顧廷燁が見えざる守護神として、娘の蓉姐児(ようじょじ)を連れて陰ながら一行を護衛。案の定、再び流寇の群れが一行を狙いますが、顧廷燁はたった一人で全員を打ちのめし、盛家の者に手を出すなと一喝。その圧倒的な強さ、かっこよすぎます!
都に到着し、盛家の馬車が無事に屋敷に入るのを見届けた顧廷燁は、静かにその場を去っていくのでした。彼の深い愛情に、明蘭はまだ気づいていないようです…。
『明蘭~才媛の春~』第25話の感想
今回のエピソードは、顧廷燁の人物像がより深く、魅力的に描かれた回でした。かつてのやんちゃで破天荒な青年が、軍での経験を経て、思慮深く頼りがいのある大人の男性へと見事に成長した姿が印象的です。彼が明蘭を救う一連の行動は、単なる偶然や義侠心からではありません。喪中の彼女の立場を慮り、自らの存在を隠して陰から守り抜くという徹底した配慮には、彼の明蘭への深い想いがはっきりと表れていました。特に、彼女に気づかれぬよう袖箭を助ける場面は、彼の不器用ながらも誠実な愛情を感じさせます。明蘭がまだその真意に気づいていないという状況が、二人の関係の今後を一層気にならせます。物語に確かな深みとときめきを与えてくれる、素晴らしいエピソードでした。
つづく