姉の墨蘭に顔を傷つけられた明蘭(みんらん)。父・盛纮(せいこう)の甘い裁きにより、墨蘭への罰は軽いものに終わってしまう。このままではいけないと悟った明蘭は、水面下で静かな反撃の計画を練り始める。一方、墨蘭は母・林噙霜(りんきんそう)と共に、どうしても名家への嫁入りを諦めきれず、焦りを募らせていた。そんな中、明蘭のもとには新たな縁談が舞い込み、姉妹たちの運命の歯車が大きく動き出す。明蘭が仕掛ける巧妙な罠とは…。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ31話

顔に傷を負わされた明蘭(めいらん)だけど、おばあ様が用意してくれた薬のおかげで、幸いにも痕は残らずに済みそう。でも、おばあ様は明蘭がなぜ墨蘭(ぼくらん)を挑発したのか、その真意を測りかねて心配しているわ。

さて、元凶の墨蘭はというと、祠堂で3日間跪かされる罰を受けたものの、父・盛纮(せいこう)の甘やかしと、母・林噙霜(りんきんそう)の涙の演技で、結局は3ヶ月の禁足という軽い罰で済んじゃったのよ。これには明蘭も侍女の小桃(しょうとう)も、やっぱりね…って感じ。盛家の平和を第一に考える盛纮(せいこう)は、娘が受けた心の傷なんてお構いなしなのよね。

このままじゃ生ぬるい!そう考えた明蘭は、ここから静かなる大反撃を開始するの。今回の事件を隠しきれないほどの大ごとにするために、緻密な罠を張り巡らせていくわ。

まず、呉(ご)大奥様が梁(りょう)家六郎の嫁に、と明蘭のもとへ足繁く通っていることを利用。わざと呉大奥様からの贈り物を墨蘭の目に付くようにして、明蘭が梁家へ嫁ぐらしいという噂を広めさせるの。名家への嫁入りを熱望する墨蘭と林噙霜(りんきんそう)が、この話に食いつかないわけがないものね。

案の定、焦った林噙霜(りんきんそう)が墨蘭のために見つけてきた真面目な書生・文炎敬(ぶんえんけい)の縁談を家柄が低いと一蹴。あくまでも豪商である梁家を諦めきれないの。ちなみにこの文炎敬、ひょんなことから如蘭(じょらん)と出会って、彼女は少し彼に惹かれている様子。この恋の行方も気になるところね。

そして、明蘭の計画は最終段階へ。叔母の衛(えい)さんと協力して、呉大奥様が梁六郎を連れて玉清観(ぎょくせいかん)へ来るという情報を墨蘭の耳に入れるの。恥も外聞も捨てて梁六郎に近づくしかない…そう追い詰められた墨蘭は、侍女のふりをして玉清観へ。そこでわざと転んで梁六郎の気を引き、まんまと彼の腕の中に収まることに成功するのよ。梁六郎もなかなかの遊び人だから、まんざらでもない様子で…。

玉清観では、偶然にも斉衡(せいこう)郡主が子宝祈願に来ているところに遭遇する場面も。遠くからその姿を見つめる明蘭の胸には、様々な感情がこみ上げるけど、涙をこらえて気丈に振る舞う姿が本当に切ない…。斉衡(せいこう)もまた、郡主が離れた隙に、明蘭の幸せを密かに願うのだったわ。

さて、墨蘭と梁六郎の密会という餌は撒かれた。明蘭はこの事実を、最も効果的に暴露できる人物、そう、あの王若弗(おうじゃくふつ)に知らせるための次なる一手も抜かりなく準備。侍女に変装した墨蘭と梁六郎が部屋で密会しているのを目撃した王若弗(おうじゃくふつ)は、案の定、鬼の形相で乗り込もうとするんだけど、側近の劉(りゅう)ままに逆上されては損です!と止められる始末。さあ、この盛家を揺るがす大スキャンダル、一体どうなっちゃうのかしら!

『明蘭~才媛の春~』第31話の感想

これまで耐え忍ぶことが多かった明蘭が、ついに本格的な策略家として覚醒した回でした。顔に傷を負わされても決して感情的にならず、冷静に相手の性格や欲望を分析し、周到な計画で追い詰めていく姿は、まさに圧巻の一言です。彼女の賢さが、守りのためだけでなく、攻めの武器として使われ始めたことに、物語の大きな転換点を感じました。一方で、墨蘭と林噙霜の親子は、目先の欲望に目がくらみ、面白いように明蘭の罠にはまっていきます。彼女たちの浅はかさが、明蘭の計画の巧妙さをより一層引き立てていました。また、斉衡(せいこう)との切ない再会のシーンは、甘いだけではない物語の深みを感じさせ、心を揺さぶられる名場面だったと思います。

つづく