盛家の四女・盛墨蘭(せいぼくらん) が、永昌伯爵家の六男・梁晗と密会している現場を父・盛纮(せいこう)に目撃され、盛家は前代未聞の大騒動に見舞われます。母・林噙霜(りんきんそう)の画策により、この醜聞は瞬く間に都中に広まり、他の姉妹たちの縁談にも暗い影を落とし始めました。一族の名誉が地に落ち、進退窮まった盛家。愛娘たちの未来を守るため、そして家の体面を保つために、一家の主である盛纮と、彼を支える大奥様は、あまりにも過酷で屈辱的な決断を迫られます。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ32話

いやはや、とんでもない回でしたね!ついに林噙霜(りんきんそう) 親子の化けの皮が、盛纮(せいこう)パパの前でベリベリと剥がされていく様は、まさに圧巻の一言でした。

事の発端は、大奥様の王若弗(おうじゃくふつ)の密会を盛纮(せいこう)に告げたこと。最初はお前は血迷ったか!と全く信じない盛纮(せいこう)でしたが、王若弗(おうじゃくふつ)と如蘭(じょらん)の将来を賭けて誓ったことで、ようやく事の重大さに気づきます。地面に崩れ落ちて盛家の名声は終わりだ…と泣き崩れる盛纮パパ、可哀想だけど、ちょっと遅かったんじゃない?

そして運命の日。再び梁晗(りょうかん)に会うため、侍女のふりをして出かけた盛墨蘭(せいぼくらん)と盛纮が踏み込んだ玉清観の部屋では、まさに梁晗(りょうかん)の腕の中で甘える墨蘭の姿が!この娼婦を縛り上げろ!と激昂する盛纮。そりゃそうだ。

屋敷に連れ戻され、罰せられそうになる娘を見て、いつものようにしゃしゃり出てくる林噙霜(りんきんそう)。お得意の気絶芸も、今回は通用しません。しかし、息子の盛長楓(せいちょうふう)の科挙が近いこともあり、ひとまず盛墨蘭は祠堂送り、林噙霜(りんきんそう)は禁足という甘い処分に。

ところが、ここからが林噙霜の真骨頂。なんとこの密会騒動を、梁晗様が玉清観で倒れた盛墨蘭様を優しく助け起こしたという、とんだ美談にすり替えて都中に広めていたのです!これには王若弗も長女の盛華蘭(せいからん)も真っ青。噂が違う方向に大きくなりすぎてもはや笑えない状況に。

事態を知った盛家の祖母・大奥様は激怒!すべてはお前が林噙霜を甘やかしたせいだ!と盛纮を一喝します。我に返った盛纮が林噙霜を問い詰めると、彼女はついに本性を現しました。

私があなた様と密通していた時、恥知らずだと思いましたか?

開き直り、さらには如蘭や明蘭(めいらん)の縁談を盾に脅迫まで始める始末。自分がただの貧しい書生だったら嫁に来たかと問う盛纮に、林噙霜は無情な答えを返します。20年以上も心から愛し、守ってきた女性に、実は20年以上も騙され続けていた…!真実を知った盛纮は、涙ながらに林噙霜の頬を打ちます。愛が憎しみに変わる瞬間、見ていて胸が痛みましたね…。

しかし、問題はこれで終わりません。王若弗は梁家へ行き、呉大娘子(ごだいじょうし)に頭を下げますが、提示された条件は明蘭を正室に、墨蘭を妾にという、あまりにも屈辱的なものでした。

大奥様はもちろん大反対!あの親子の尻拭いをなぜ明蘭が!と怒り心頭です。

万策尽きたかと思われたその時、祠堂にいる盛墨蘭が、姉の盛華蘭(せいからん)と義姉の海朝雲(かいちょううん)に最後の爆弾を投下します。

…梁晗様の子を、身ごもりました

これにはもう、全員が凍りつくしかありません。恥も外聞もない盛墨蘭の告白に、盛家は絶体絶命の窮地に立たされます。

結局、華蘭や如蘭、そして明蘭の将来を守るため、大奥様がすべての屈辱を飲み込み、この縁談をまとめることを決意するのでした。縁談成立の知らせを聞き、祠堂で高笑いする盛墨蘭。その姿は、哀れを通り越して、もはや恐ろしささえ感じさせました。

『明蘭~才媛の春~』第32話の感想

今回のエピソードは、長年にわたり盛家に溜まっていた膿が一気に噴出したような回でした。林噙霜と盛墨蘭の親子が、自らの欲望のために周到に張り巡らせた策略には、思わず舌を巻いてしまいます。特に、破滅的な状況を逆手に取り、自分たちの望む結果へと強引にねじ伏せていく手腕は見事としか言いようがありません。

盛纮が20年以上も信じてきた愛が、実は偽りだったと知る場面は、彼の甘さが招いた悲劇の象徴であり、見ていて非常に切なかったです。一方で、絶望的な状況の中で、一族の名誉と他の娘たちの未来を守るために、屈辱を耐え忍ぶ大奥様の姿には胸を打たれました。彼女の深い愛情と覚悟がなければ、盛家は本当に崩壊していたでしょう。愛憎が渦巻く中で、家族とは何か、誇りとは何かを改めて考えさせられる、重厚なエピソードでした。

つづく