父と兄に会うため宮中を訪れた明蘭(みんらん)。しかし、突如宮門が閉ざされ、栄妃(えいひ)が起こしたクーデターに巻き込まれてしまう。宮中が血の海と化す中、明蘭は父と兄の手で決死の脱出を図る。その道中、皇帝の未来を託された瀕死の宮女と出会い、国の運命を左右する重大な密命を託されることに。反乱軍の追手に追われる明蘭の運命は…?そして、最大の危機に現れた人物とは?物語が大きく動く、息もつかせぬ展開です。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ35話
いやはや、今回の『明蘭』はとんでもないことになりましたね!父上と兄上に美味しい魚のスープを届けに行っただけのはずが、まさか歴史がひっくり返る瞬間に立ち会うことになるなんて…。穏やかな日常が一瞬にして地獄絵図に変わる、その恐ろしさをまざまざと見せつけられた回でした。
宮廷に渦巻く陰謀と復讐の炎
父の盛纮(せいこう)に差し入れをするため、宮中を訪れた明蘭(めいらん)。父の同僚たちからも手料理を絶賛され、和やかな時間が流れていました。しかし、その裏では恐ろしい計画が進行していたのです。
突如、宮殿の門が固く閉ざされ、不穏な空気が立ち込めます。栄妃(えいひ)によって宮中に招かれていた平寧郡主(へいねいぐんしゅ)は、いつも親しくしているはずの貴婦人たちが誰もいないことに気づき、異変を察知。その直後、外で人が殺されたとの報告が!しかし栄妃は驚くそぶりも見せず、門を閉ざして誰も動かぬよう命じます。
そう、このクーデターの首謀者の一人は、なんと栄妃だったのです。彼女は、かつて自分の妹・栄飛燕(えいひえん)を死に追いやった邕王(ようおう)一家と、その原因を作った斉衡(せいこう)の母である平寧郡主への復讐を果たすため、反乱軍である兗王(えんおう)と手を組んでいたのでした。栄妃の静かな怒りと憎しみが爆発し、邕王夫婦は無残にも殺害されてしまいます。あまりの恐怖に平寧郡主は正気を失ったかのように笑い出し、栄妃は民衆に罵られるがいいと彼女を道端に放り出すよう命じるのでした。
託された密命、明蘭の決死の逃亡劇
宮中に閉じ込められてしまった盛纮(せいこう) 、そして明蘭。反乱軍が宮女たちにまで乱暴を働く地獄絵図の中、盛長柏(せいちょうはく) は必死に明蘭を守ります。このままでは全員殺されてしまう…!その時、明蘭は宦官から聞いた犬の穴の存在を思い出します。
しかし、その穴はか弱い女性がやっと通れるほどの小ささ。一人だけでも逃げろ!という父と兄の想いを背負い、明蘭は宦官の服に着替えて決死の脱出を図ります。
一方、反乱軍に追い詰められた皇帝は、禹州(うしゅう)にいる趙宗全(ちょうそうぜん)を皇太子に立てるという血の詔(みことのり)を書き、兵符と共に13歳の宮女に託します。国と皇帝の未来を一身に背負った宮女。彼女は明蘭と同じ犬の穴で鉢合わせし、二人は共に宮殿から逃げ出すことに。
しかし、追手はすぐそこまで迫っていました。深手を負い、もはやこれまでと悟った宮女は、血染めの詔書と兵符を明蘭に託し、趙宗全様を…と言い残して息絶えます。友の死を乗り越え、国の運命を背負うことになった明蘭。追手から逃れるため、楼閣から飛び降り、馬車を奪って必死に都の外へ!
英雄、現る!運命の再会
しかし、女一人の力では追手を振り切れません。郊外まで追い詰められ、もはや絶体絶命…!下品な笑みを浮かべる兵士に殺されそうになったその瞬間、一本の矢が兵士の命を射抜きます。
そこに現れたのは、なんと顧廷燁(こていよう)!
まるで運命に導かれるように、またしても明蘭の最大のピンチを救ったのです。顧廷燁(こていよう)の姿を見た明蘭は、張り詰めていた糸が切れたように泣き崩れ、禹州へ連れて行ってと懇願します。すると顧廷燁(こていよう)は静かに坂の上を指さしました。
そこには、明蘭が命がけで届けようとしていた人物、趙宗全その人がいたのです。
突然、皇太子になるよう請われた趙宗全は、争いを好まぬ性格から固辞しますが、顧廷燁はもはや兗王は詔書の内容を知っている。あなたが断っても、彼らはあなたを生かしてはおかないと説得するのでした。国の未来は、そして明蘭と顧廷燁の運命は、一体どうなってしまうのでしょうか。
『明蘭~才媛の春~』第35話の感想
今回は物語が大きく動く、まさに転換点となる回でした。前半の宮廷内での権力闘争が、ついに血なまぐさいクーデターという最悪の形で爆発しましたね。栄妃の復讐心は、妹を亡くした深い悲しみから来ていると思うと、一概に彼女だけを悪とは言えないのがこの物語の奥深いところです。そんな地獄絵図の中で、明蘭の機転と勇気には本当に胸を打たれました。か弱い少女が、国の運命を背負う覚悟を決める姿は圧巻です。そして何と言っても顧廷燁!あの登場の仕方は反則級のかっこよさでした。彼がいつも明蘭の最大の危機に現れるのは、もはや運命としか言いようがありません。二人の未来が、そして国の未来がどうなるのか、ますます目が離せなくなりました。
つづく