都で起きた大反乱を鎮圧すべく、顧廷燁(こていよう)が決死の覚悟で立ち上がります。彼は明蘭(みんらん)に無事を誓い、仲間と共に敵中へ。一方、宮殿から脱出した明蘭は、遠くから彼の成功を固唾をのんで祈っていました。反乱の行方、そして皇帝の運命は?激動の末、顧廷燁は都の英雄となり、その裏でそれぞれの運命もまた大きく動き始めます。虐げられてきた男の逆襲と、新たな時代の幕開けを告げる、見逃せない一話です。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ36話

いやー、待ってました!と言わんばかりの展開が繰り広げられた第36話。絶体絶命の状況から、顧廷燁(こていよう)がまさにヒーローとして覚醒する、息もつかせぬ回でしたね!

前回、血の詔書を手に、絶望的な状況で助けを求めた明蘭。その想いを受け取った趙宗全(ちょうそうぜん)と息子の趙策英(ちょうさくえい)は、家族の命を懸けて反乱鎮圧を決意します。一方、顧廷燁(こていよう)は明蘭の傷を手当てしながら、君は俺の命の恩人だ、必ず恩返しするなんて、ちゃっかり口説き文句(?)も忘れません。成功したら花火を二つ、失敗したら一つ上げるという約束を交わし、彼は戦場へと向かいます。明蘭がご無事でと声をかけると、君が待っていてくれるなら必ず帰ると返す顧廷燁(こていよう)。もう、この二人のやり取りだけでご飯三杯いけちゃいます!

さて、都に到着した顧廷燁一行。見事な策略で城門を突破すると、反乱の首謀者・兗王(えんおう)との直接対決が始まります。皇帝を人質に取る卑劣な兗王でしたが、我らが顧廷燁はそんなものお構いなし!顔も見えぬほどの距離から、一矢のもとに兗王を射殺してしまいます。この活躍、まさに神業!

一夜にして英雄となった顧廷燁。皇帝は彼が、かつて褒美をねだりに来た腕白な少年だったことを思い出します。そして、驚くべきことに、皇帝自ら、彼の科挙の道を閉ざした過去の過ちを認め、謝罪したのです。趙宗全が慌てて止めに入るも、皇帝の意志は固く、顧廷燁に新帝となる趙宗全を支えるよう命じました。そして、力を振り絞り、趙宗全を皇太子とする詔書を書き残し、崩御します。

約束通り、夜空に二つの花火が打ち上がると、それを見つめていた明蘭の顔には満面の笑みがこぼれます。顧廷燁は明蘭の父と兄を無事に送り届け、兄の盛長柏(せいちょうはく) にだけ、明蘭の功績と、彼女の名誉のために宮殿を抜け出したことは秘密にするよう、そっと耳打ちするのでした。こういう細やかな気遣いができる男なんですよね、彼は。

新帝が即位し、都に新たな秩序がもたらされる中、物語はそれぞれの場所で大きく動きます。斉衡(せいこう)は特別に科挙の再試験が許され、合格したら明蘭に求婚する、と母・平寧郡主(へいねいぐんしゅ)に宣言。心を病んでしまった母は、ただ静かにそれを受け入れます。

そして、この回のハイライトは、顧廷燁の顧家への凱旋です!禁軍大統領となり、真っ赤な官服に身を包んだ彼は、かつて自分を虐げた屋敷へと戻ります。継母の小秦氏(しょうしんし)は、まるで別人のように甘い声で彼を迎えますが、その猫をかぶった態度に顧廷燁は冷たい視線を送るだけ。病弱な兄・顧廷煜(こていよく)は出世して自慢しに来たかと彼を罵ります。

そんな彼らに、顧廷燁は弟の顧廷煒(こていい)が国喪中に遊んで捕まったことを突きつけます。助けてくれと騒ぐ家族を尻目に、顧廷燁はあの夜、俺を見捨てたお前たちを助ける義理はない!と一喝。そして、高らかに宣言します。この顧家の爵位は、俺が継ぐ!と。

さらに、子供の頃に皇帝から賜った槍を返すよう要求。兄が渋ると、連れてきた兵士たちをちらつかせて黙らせます。屈辱に震える兄に代わり、小秦氏(しょうしんし)が震える手で槍を差し出すと、顧廷燁は彼らを嘲笑い、屋敷を後にするのでした。いやあ、痛快でしたね!長年の恨みを晴らす、見事なリベンジでした。

『明蘭~才媛の春~』第36話の感想

今回は、まさに顧廷燁の独壇場でした。これまで虐げられ、不遇をかこってきた彼が、自らの知略と武勇で道を切り開き、英雄として凱旋する姿には胸がすく思いがしました。特に、自分を陥れた顧家に戻り、偽善的な継母や傲慢な兄に堂々と啖呵を切る場面は、このドラマ屈指の名シーンと言えるでしょう。彼の行動は単なる復讐ではなく、失われた自身の尊厳を取り戻すための戦いであり、その姿には説得力がありました。一方で、再起を誓う斉衡(せいこう)や、心を病みながらも息子の未来を思う平寧郡主など、他の登場人物たちの物語も丁寧に描かれており、物語全体の奥行きを感じさせます。権力闘争の激しさと、登場人物たちの人間模様が濃密に絡み合った、非常に見応えのある一話でした。

つづく