戦地へ赴く顧廷燁(こていよう)は、明蘭(みんらん)の縁談が気にかかる。一方、明蘭と賀弘文(がこうぶん)の縁談は順調に進むかに見えたが、都に戻ってきた賀弘文のいとこ・曹錦綉(そうきんしゅう)の出現により、大きな波乱が巻き起こる。予期せぬ事態に直面した明蘭は、自らの結婚観に基づき、人生を左右する重大な決断を迫られることに。その裏で、姉の如蘭にも人には言えない秘密の恋が芽生えていた。姉妹それぞれの愛の物語が、静かに動き出す。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ37話

前回、顧廷燁(こていよう)とも取れる行動に出ましたが、今回はどんな展開が待っているんでしょうか。

都では、顧廷燁(こていよう)が戦地へ赴く準備を進めていました。親友の盛長柏(せいちょうはく) は君ほどの才能があるのにもったいない、もう一度科挙を受けてはどうかと説得しますが、顧廷燁(こていよう)の決意は固いようです。科挙の道は諦め、武人として国を守ることで己の道を切り開こうとしているんですね。そんな彼のもとには、国喪中にもかかわらずうちの娘とぜひ!とお見合いの申し込みが殺到!モテモテじゃないですか!

顧廷ಯೇは長柏になんで盛家は娘さんを推薦してこないんだ?なんて、探りを入れるんですよ。もちろん、彼の頭の中には明蘭(めいらん)がいるんでしょうね。しかし長柏から返ってきたのは、如蘭(じょらん)には母方のいとこが、明蘭には祖母様が選んだ賀弘文(がこうぶん)がいるという答え。それを聞いた顧廷燁、一瞬固まっちゃって。でも、まだ結納は済んでいないと知ると、ホッとした表情を見せるんです。まだ諦めてない!この男、まだ諦めてませんよ!そして出征前、腹心の石(せき)とうに何やら意味深な頼みごとを…。これは何か仕掛けてきそうですね!

一方、盛家の明蘭は、賀弘文との縁談が順調に進むことを願いながら、おしどりの刺繍をしていました。そこへ当の賀弘文がやってきて、祖母様も明蘭もにこやかムード。このままトントン拍子に…と思いきや、事件は屋敷の外で起こります。

賀弘文が帰ろうとしたその時、一人の女性が泣きながら彼に抱きついてきたのです!彼女は賀弘文のいとこの曹錦綉(そうきんしゅう)。流罪となっていた一家が恩赦で戻ってきたのですが、彼女はどうか側室にしてくださいと賀弘文に懇願します。

その現場に居合わせてしまった明蘭。曹錦綉は、かつて顧廷燁を苦しめた朱曼娘(しゅまんな)のように、ひざまずいて同情を誘う作戦に出ます。顔には流刑囚の証である痛々しい刺青が…。

しかし、我らが明蘭はそんな手には乗りません。彼女はきっぱりと言い放ちます。

私が嫁ぐ方の心には、私一人だけ。そうでなければ、一生独りでも構いません

うわー!言った!かっこよすぎる!明蘭は、賀弘文の人の良さ、心根の優しさが、この問題に対しては弱さになると見抜いていたんですね。いとこを不憫に思う気持ちがある限り、たとえ使用人という形であっても、彼女の存在は認められない、と。賀弘文はなんとかすると約束しますが、曹錦綉は泣き崩れるばかり。この縁談、一気に暗雲が立ち込めてきました。

祖母様は賀家の煮え切らない態度にカンカンですが、明蘭は冷静でした。10日待ちます。それで解決しなければ、この話はなかったことにと、自ら期限を設けます。自分の幸せは自分で掴む、その強い意志が表れています。

そしてその夜、眠れずに庭を散策していた明蘭は、とんでもないものを見てしまいます。なんと、姉の如蘭が、あの文炎敬(ぶんえんけい)と手を取り合って密会しているではありませんか!文炎敬といえば、もともと墨蘭(ぼくらん)の相手として話が上がっていた人物。

慌てて部屋に引きずり込まれ、口止めを懇願される明蘭。如蘭はすっかり文炎敬に夢中の様子。明蘭は最初、相手の素性を知って呆れますが、文炎敬が如蘭の身分を知った後、自ら身を引こうと手紙を送っていたことを知り、彼が誠実な人物かもしれないと考えを改めます。

母の王若弗(おうじゃくふつ)が絶対に許さないだろうと心配する明蘭に、如蘭は反対されたら死ぬわとまで言い切る始末。最後は口止め料として、宝飾品の箱を好きなだけ持っていきなさい!と差し出すのでした。ちゃっかり全部もらっちゃう明蘭と、心底悔しがる如蘭のやり取りが、シリアスな展開の中での一服の清涼剤でしたね。

『明蘭~才媛の春~』第37話の感想

今回のエピソードは、明蘭の結婚観がはっきりと示された、非常に重要な回でした。彼女が放った夫の心にいるのは私一人だけという言葉は、彼女がこれまでの人生で経験してきた苦労と、そこから育まれた確固たる自我を象徴しています。ただ優しいだけでなく、時には非情とも思える決断を下せる強さこそ、彼女の真骨頂だと感じさせられました。賀弘文の人の良さも魅力的ですが、この一件で彼の限界も見えてしまったように思います。一方で、これまであまり深く描かれてこなかった如蘭の、意外なほど情熱的な恋愛模様が物語に新たな深みを与えました。姉妹それぞれの愛の形が、今後の物語にどう影響していくのか、目が離せません。

つづく