ついに明蘭(みんらん)と顧廷燁(こていよう)の婚礼の日がやってくる。華やかな儀式の裏では、顧廷燁の継母・小秦氏(しょうしんし)の冷たい視線が注がれていた。祝宴が続く中、新房で待つ明蘭のもとへ、顧廷燁の娘・蓉姐児(ようじょじ)が現れる。はじめは明蘭に心を閉ざしていた蓉姐児だったが、次第に打ち解けていく。やがて新房に戻ってきた顧廷燁は、これまで誰にも明かさなかった自らの過去の苦悩と、明蘭への深い信頼を語り始める。二人の絆が確かなものとなり、夫婦としての新たな生活が幕を開ける。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ42話

ついに迎えた明蘭(めいらん)と顧廷燁(こていよう)の婚礼の日。豪華絢爛な花嫁行列が顧家へと向かうのを、賀弘文(がこうぶん)は人込みの中から、ただ黙って見送るのでした。彼の心にはどんな思いが去来していたのでしょうか…。

さて、顧家に到着した明蘭は、顧廷燁(こていよう)と共に婚礼の儀式に臨みます。しかし、上座に座る継母・小秦氏(しょうしんし)の表情は、見るからに不満げ。それもそのはず、二人が拝礼したのは彼女だけでなく、亡き当主・顧偃開(こえんかい)の実母である白氏(はくし)の位牌に対してもだったのです。これは、小秦氏(しょうしんし)の顔に泥を塗るも同然の行為でした。

儀式が終わり、祝宴で顧廷燁が客の相手をしている間、新房で一人待つ明蘭は、お腹がペコペコ!今すぐ祝宴に混ざってご馳走を食べたい!なんて思っていると、寝台の上の果物にそっと伸びる小さな手が。そこにいたのは顧廷燁の娘、蓉姐児(ようじょじ)でした。蓉姐児は、以前水に落ちた自分を助けてくれたのが明蘭だと気づきますが、継母である小秦氏(しょうしんし)に吹き込まれたせいで、なかなか母とは認めようとしません。それでも、優しい明蘭に心を許したのか、二人は一緒にお菓子を食べるのでした。

やがて、酔ったふりをして祝宴を抜け出してきた顧廷燁が新房へ。彼は、明蘭と自分はとぼけるのが得意な者同士、まさにお似合いの夫婦だと笑います。明蘭がお腹を空かせていると知ると、なんと婚礼衣装のまま街へ飛び出し、たくさんの食べ物を買って帰ってくるのでした。その優しさに呆れながらも、明蘭は幸せそうに頬張ります。

食事をしながら、顧廷燁は真剣な顔で語り始めます。お前が嫁いでくれたのは、高望みなどではない。むしろ、お前に苦労をかけると。そして、行方知れずとなっている息子・昌哥児(しょうか)を、地の果てまで探すと誓うのでした。幼い頃から苦労してきた明蘭は、彼の苦しみを深く理解し、子供たちが同じ道を歩むことのないようにしようと心に誓います。

さらに顧廷燁は、亡き母・白家から受け継いだ莫大な財産の権利書をすべて明蘭に託します。驚く明蘭に、彼はかつて白家の手によって命を狙われたこと、そしてこの顧家で心から信頼できるのは、常嬷嬷(じょうまま)、そして明蘭だけだと打ち明けるのです。これまで知らなかった彼の壮絶な過去と孤独を知り、明蘭は言葉を失います。

この生涯、そなたを裏切ることがあれば、永劫に浮かばれぬ

そう誓う顧廷燁の重い愛を受け、明蘭もまた、彼の信頼に応えようと決意するのでした。こうして、二人は夫婦として固い絆で結ばれ、初夜を迎えます。

翌朝。顧廷燁は下女たちに、疲れている明蘭をもう少し寝かせておくよう命じます。しかし、今日は姑である小秦氏への挨拶という大事な務めが。結局、嫁入りに付き添ってきた崔嬷嬷(さいまま)に叩き起こされてしまいます。眠気眼の明蘭を、顧廷燁は優しく抱きしめ、自ら髪を梳かしてあげながら、一筋縄ではいかない顧家での立ち振る舞いをアドバイスするのでした。

『明蘭~才媛の春~』第42話の感想

今回のエピソードは、華やかな婚礼の裏で繰り広げられる人間模様と、主人公二人の絆の深まりが丁寧に描かれていました。特に印象的だったのは、顧廷燁が明蘭に自身のすべてを託す場面です。彼がこれまでどれほど孤独で、危険な状況を生き抜いてきたのかが明かされ、その上で明蘭を唯一の信頼できる相手として選んだ重みが伝わってきました。ただ甘いだけの新婚生活ではなく、財産や過去の陰謀といったシリアスな問題にいきなり直面させることで、二人が単なる恋人ではなく、人生を共に戦う戦友になったのだと感じさせます。お腹を空かせた明蘭のために夜の街に飛び出す彼の不器用な優しさも、彼の人間的な魅力を際立たせていました。これから始まる顧家での生活が、決して平穏ではないことを予感させつつも、この二人なら乗り越えていけるだろうという確かな希望を感じさせる、見応えのある回でした。

つづく