顧廷燁(こていよう)と共に新居へ移り、夫婦二人だけの甘い新生活を夢見た明蘭(みんらん)。しかし、その平穏は長くは続きませんでした。姑の小秦氏(しょうしんし)が、新米の女主人である明蘭を試すかのように、クセの強い古株の侍女たちを大勢送り込んできたのです。さらに、外では明蘭の悪評が流され始め、内と外から追い詰められていきます。一家の女主人として、そして顧廷燁の妻として、明蘭の真の手腕が問われる試練の幕開けとなる回です。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ44話

顧廷燁(こていよう)、ついに念願の新居へお引越し!これからは早起きしなくていいぞなんて甘い言葉をささやく顧廷燁(こていよう)。ようやく二人きりの甘い生活が始まるかと思いきや、そうは問屋が卸しません。あの意地悪な姑・小秦氏(しょうしんし)が、一筋縄ではいかない古株の侍女たちをお祝いと称して送り込んできたのです。

引っ越しの疲れも癒えぬうちに、さっそく顧家の五おば様が嫁を連れて乗り込んできます。まるで嫁いびりに来たかのような高圧的な態度。しかし、私たちの明蘭はもう昔の気弱な六番目の娘ではありません!

小秦氏(しょうしんし)が送り込んだ侍女の筆頭、刁(ちょう)ままと頼(らい)まま。特に刁ままは、到着するやいなや自分が女主人であるかのように振る舞い、勝手に仕事の差配を始めます。しかし明蘭は、涼しい顔でそれを制止。まずは一人ずつ自己紹介をと、全員の経歴から賞罰に至るまでを細かく尋問し、拇印まで押させる徹底ぶり。頼ままの娘が自分の明の字を使っていると知るや、今日から春月(しゅんげつ)と改名なさいと一喝!その鮮やかな手腕と威厳に、口うるさい侍女たちも、後ろでけしかけていた五おば様も、ぐうの音も出せません。屋敷を出た五おば様はあの娘、ただ者じゃないわ!と驚きを隠せませんでした。

小秦氏(しょうしんし)の策略はそれだけではありません。屋敷の中では侍女たちを使って探りを入れ、外では明蘭は姑をないがしろにする悪い嫁だと悪評を流し始めたのです。姉の華蘭(からん)からその噂を聞き、明蘭も腹立たしい気持ちになりますが、嫁いだからには、笑って前に進むしかないと覚悟を決めます。

一方、妻が古狸たちにいびられていないか心配でたまらない顧廷燁(こていよう)。軍務を後回しにしてこっそり屋敷の様子をうかがう姿は、側近の石頭(せきとう)にヒナを守る親鳥のようですよとからかわれる始末。小秦氏が乗り込んできたと聞けば、すぐに駆けつけられるように外で待機するほどの過保護っぷり。でも、明蘭が小秦氏からの嫌味(頂き物をこっそり受け取っていることへの非難)を、すべて陛下の耳に入れるため、あえて開封せずに受け取っているのですという見事な切り返しで論破したと知り、安心と感心で思わずにやけてしまうのでした。

夜、小秦氏が送り込んできた侍女たちの名簿を睨みながら頭を悩ませる明蘭。彼女たちは皆、小秦氏の間者(スパイ)なのです。顧廷燁はそんな妻をからかいつつも、その信頼は揺るぎません。美しい侍女を送ってきたのは、俺を誘惑するためでもあるなと冗談を言う顧廷燁に、明蘭はどうせいつかは側室をお迎えになるのでしょう?と、やきもちを焼きつつも冷静に対応。そんな二人のやり取りは、新婚夫婦らしい微笑ましいものでした。

物語の最後、明蘭はあえて一番のクセ者である頼ままに、屋敷の台所を取り仕切る采配という、最も利益の大きい役職を与えます。これには頼ままたちも大喜び。しかし、これはもちろん明蘭の新たな策略の始まり。一見、相手に花を持たせたかのように見えるこの一手、一体どんな波乱を巻き起こすのでしょうか。

『明蘭~才媛の春~』第44話の感想

新居での生活が始まり、いよいよ明蘭が一家の女主人としての真価を発揮する回でした。これまでの物語で彼女が培ってきた知恵と胆力が、見事に開花したように感じます。小秦氏が送り込んできた、いかにも一癖ありそうな古株の侍女たちを、初日で完全に掌握してしまう手腕は実に見事。ただ厳しいだけでなく、理路整然と相手を追い詰め、有無を言わせぬ威厳を示す姿は、見ていて非常に痛快でした。また、そんな明蘭を心から信頼し、陰でひたすら心配している顧廷燁の愛情深さも印象的です。彼の過保護なまでの行動は、二人の絆の強さを物語っています。甘い新婚生活と、家宅の主導権を巡る静かな戦い。この二つが巧みに描かれ、物語に一層の深みを与えていました。

つづく