顧廷燁(こていよう)の屋敷に、息子たちの釈放を求める厚かましい叔母たちが乗り込んでくる。彼女たちは明蘭(みんらん)の過去についてのデマを武器に脅迫するが、明蘭は持ち前の知恵と度胸で鮮やかに迎え撃つ。その見事な反撃は、夫・顧廷燁をも感心させるものだった。一方、宮廷では玉璽を巡り、顧廷燁と太后の対立が激化。また、斉衡(せいこう)の妻・申氏(しんし)は、夫が今も心に秘める女性の存在を知り、静かな決意を固める。顧家、朝廷、そして夫婦の間に、新たな波乱の予感が立ち込める。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ49話

厚かましい叔母たちの襲来と、明蘭の醜聞

顧廷燁(こていよう)の屋敷に、例の牢に入れられた従兄弟たちの母親、つまり顧廷燁(こていよう)の四番目と五番目の叔母が乗り込んできます。彼女たちの目的はただ一つ、息子たちを牢から出させること。

まずは斉衡(せいこう)の妻、申氏に泣きつき、口添えを頼みますが、申氏は斉衡(せいこう)様と明蘭様の過去の噂もありますし…と、ピシャリと断ります。その際、叔母たちから明蘭は賀家と婚約までしていたのに、顧家に嫁いだという根も葉もない噂を耳にしてしまいます。

狙いを明蘭に変えた叔母たちは、澄園(ちょうえん)に乗り込み、今度は明蘭を直接脅迫。お前の昔の醜聞をぶちまけて、顧廷瘍に離縁させてやる!と息巻きます。その醜聞こそが、賀家との婚約話。しかし、我らが明蘭は少しも動じません。賀家とは交流がありましたが、婚約などしておりませんと、きっぱりと否定。

そこに顧廷燁が登場。叔母たちがなおも食い下がると、その縁談を邪魔したのは、何を隠そうこの私だと衝撃の事実を告白! これには叔母たちも顔面蒼白。まさか自分たちの脅しのタネが、顧廷燁本人の仕業だったとは夢にも思わなかったでしょう。

明蘭の逆襲!おもてなし作戦が炸裂

叔母たちのあまりの言い分に、さすがの明蘭も腹に据えかねた様子。部屋に戻るやいなや、悔し紛れに枕を叩きつけて大荒れ! その様子を見た顧廷燁は、怒っている妻の姿が新鮮だったのか、どこか嬉しそうに彼女をなだめます。

そしてここからが明蘭の真骨頂。叔母たちが諦めずに屋敷の門前でわめき散らすと、明蘭は籠城作戦に打って出ます。なんと、下人たちに豪華な酒や食事を運ばせ、お部屋もご用意しました。ご家族皆様でいらしても大丈夫ですよと、長期滞在を歓迎するフリをしたのです。

さらにダメ押しで、帳簿係を呼びつけ、叔母様がたのお言葉をすべて書き記しておきなさい。万が一、陛下からお尋ねがあった時に、正確にご報告せねばなりませんからと一言。自分たちの発言がすべて記録され、皇帝に報告されると知った叔母たちは、恐れをなしてすごすごと退散。力ずくではなく、知恵と機転で相手を完膚なきまでに打ち負かす、見事な一手でした。

申氏の涙と決意

一方、斉衡の屋敷では、妻の申氏が夫の心を取り戻そうと甲斐甲斐しく世話を焼いていました。しかし、彼の書斎で偶然にも一対の泥人形を見つけてしまいます。一つには斉小二(斉家の次男坊)の文字が。そしてもう一つには、判読はできないものの、明らかに自分の名前ではない女性の名前が刻まれていました。

それが誰を指すのかを悟った申氏は、静かに涙を流します。夫の心がいまだに明蘭にあるという残酷な現実を突きつけられ、彼女は必ずや、あなた様を奪い返してみせると、静かながらも固い決意を固めるのでした。

宮廷での新たな火種!顧廷燁VS太后

物語の舞台は宮廷へ。太后は、顧廷燁が皇帝・趙宗全(ちょうそうぜん)に預けてしまった玉璽を取り戻そうと躍起になっています。顧廷燁を呼びつけ、玉璽を渡すよう厳命しますが、彼は断固として拒否。

激怒した太后は、顧廷燁に杖刑を命じます。しかし、顧廷燁が罰を受けるために上着を脱ぐと、その背中には無数の生々しい傷跡が…。それは、かつて先帝を命がけで救った時に負った、彼の功績の証でした。その傷跡を目の当たりにした太后は、さすがに手を下すことができず、顧廷瘍は無事にその場を切り抜けます。

しかし、この一件で顧廷燁と太后の対立は決定的になりました。父・盛纮(せいこう)の遺児を寵愛しており、斉家も太后側についていると聞いた明蘭は、夫と斉衡が朝廷で対立することになるのではないかと、深い憂いを抱くのでした。

『明蘭~才媛の春~』第49話の感想

今回のエピソードは、明蘭の賢さと強さが際立つ、非常に見応えのある回でした。厄介な親戚に対して、感情的にならず、むしろ相手を手玉に取るかのような冷静かつユーモアさえ感じさせる撃退法は見事の一言。彼女の活躍をどこか楽しげに見守る顧廷燁との夫婦の絆の強さも、改めて感じさせられました。一方で、申氏が夫の秘めた想いを知ってしまう場面は、胸が締め付けられるようでした。彼女の悲しみと静かな決意は、今後の物語に新たな緊張感をもたらすでしょう。宮廷での顧廷燁と太后の緊迫した駆け引きも加わり、家の中と外、両方で物語が大きく動き出したことを実感させられる内容でした。

つづく