顧廷燁(こていよう)との間に、初めて深い溝ができてしまった明蘭(みんらん)。良かれと思ってしたことが裏目に出てしまい、夫の怒りを買ってしまいます。夫婦の間に流れる気まずい空気に、明蘭は戸惑うばかり。一方、宮中では国舅・沈従興(しんじゅうこう)の正室・張氏(ちょうし)と側室・小秦氏(しょうしんし)の争いが激化。皇后から直々に、この厄介な問題の仲裁を頼まれた明蘭は、新たな任務に挑むことになります。侯爵家の夫人として、そして一人の女性として、明蘭の真価が問われるエピソードです。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ57話
今回の57話は、胸が締め付けられるやら、スカッとするやらで、感情が大変なことになりました!顧廷燁(こていよう)と明蘭の初めての本格的な夫婦喧嘩、そして明蘭の新たな見せ場と、見どころ満載でしたね。さっそく、この濃密なエピソードを振り返っていきましょう!
波乱の宴、女の意地がぶつかり合う!
物語は、侯爵家で開かれた宴での大騒動から幕を開けます。国舅・沈従興(しんじゅうこう)の正室である張氏(ちょうし)と、側室の小秦氏(しょうしんし)のバトルが勃発!小秦氏(しょうしんし)の嫌味にカチンときた張氏(ちょうし)が掴みかかろうとし、場は一触即発のムードに。
我らが明蘭は、主催者としてなんとか場を収めようとしますが、これが裏目に出ます。小秦氏の巧みな言葉に乗せられた張氏は、明蘭の仲裁を偽善だと一蹴。庶女のくせに成り上がって、姑をいじめる女とまで罵倒されてしまいます。明蘭もカチンときて、二人はもみ合いに!顧廷燁(こていよう)と沈従興(しんじゅうこう)が慌てて引き離しますが、宴の空気は最悪。高みの見物を決め込む小秦氏と康姨母(こうおば)の、あの憎たらしい笑顔が目に浮かびます…!
お前の二郎のためではないのか?顧廷燁、怒りの爆発
この一件で、顧廷燁の堪忍袋の緒が切れてしまいました。彼は、明蘭が自分に側室を娶るよう勧めたことや、元カレ(?)の斉衡(せいこう)にそばにいる人を大切になんて言ったことを根に持っていたのです。
家に帰っても、明蘭を完全無視。夕食も無言でかきこみ、娘の蓉姐児(ようじょじ)が甘えても突き放す始末。夜は一人で槍の稽古に打ち込み、怒りを発散させようとしますが、収まりません。
翌朝、ついに明蘭が私のどこがいけなかったの?と問い詰めると、顧廷燁の不満が爆発します。お前は俺を“旦那様”として立てているだけだ!“お前の二郎(夫)”のために心を砕いたことがあるか?と。彼は、明蘭が自分の妻としてではなく、ただ侯爵家の夫人としての務めを果たしているだけだと感じ、寂しさと怒りを覚えていたんですね。顧廷燁は、朝議に行くための帽子を床に叩きつけ、出仕をボイコットしてしまいます。ああ、なんて切ないすれ違い…!
皇后の涙と、明蘭の新たな任務
夫婦が気まずい中、明蘭は皇后に呼び出されます。皇后は涙ながらに、沈従興と張氏の結婚の真相を語りました。亡き正室・大鄒氏は、かつて皇后の身代わりとなって命を落とした恩人。その妹である小秦氏を側室に迎えたのは、恩義に報いるためでした。そして、英国公の娘・張氏との結婚は、新旧の臣下を結びつけるための政略結婚だったのです。
皇后は、この複雑な関係が国の安定を揺るがしかねないことを憂い、明蘭に張氏との仲を取り持ってほしいと頼みます。重大な任務を託された明蘭は、沈家へと向かうのでした。
明蘭の真価!張氏の心を開く一手
沈家を訪れた明蘭ですが、最初は門前払い同然の扱い。そこへ、またもや小秦氏が登場し、勝ち誇ったように明蘭に馴れ馴れしくします。しかし、明蘭は毅然とした態度で正室である張様の顔を潰すような真似はおやめなさいとピシャリ!
このやり取りを見ていた張氏の侍女が、明蘭が味方であると確信。ついに張氏との対面がかないます。
張氏は、政略結婚の道具として扱われたことへの恨みを吐露します。それに対し、明蘭は自身の祖母・大奥様の侍女である房ままの境遇を例に出し、生まれた境遇は選べなくても、どう生きるかは自分で決められる。人は前に進むべきですと優しく、しかし力強く語りかけます。この言葉に心を動かされた張氏は、ついに明蘭に心を開き、世間の噂とは違う彼女の賢さと優しさを理解するのでした。
一方その頃、顧廷燁は酔って管を巻く沈従興を諭していました。沈従興もまた、明蘭が物事の本質を見抜く賢い女性だと認めつつ、顧廷燁はああ、賢いさ。だが、こと恋愛に関しては三歳児同然だと、愛する妻へのもどかしい想いを吐露するのでした。
『明蘭~才媛の春~』第57話の感想
今回のエピソードは、夫婦という関係の複雑さと尊さを深く考えさせられました。顧廷燁の怒りは、単なる嫉妬ではありません。彼は明蘭に、ただの賢妻ではなく、心から自分を愛し、頼ってくれる妻であってほしかったのです。お互いを深く想い合っているのに、その愛情表現がすれ違ってしまうもどかしさに、胸が苦しくなりました。一方で、明蘭が張氏の心を解きほぐしていく場面は、彼女の人間的成長が見て取れて、非常に感動的でした。自分の経験から紡ぎ出される言葉には重みがあり、相手の心に寄り添う優しさと、的確な助言を与える賢さは、まさに理想の女性像です。政治的な駆け引きと、個人の繊細な感情が絡み合い、物語に一層の深みを与えていました。今後の二人の関係修復と、明蘭の更なる活躍から目が離せません。
つづく