友人である張氏(ちょうし)が家庭の悩みを抱えているのを知った明蘭(みんらん)は、彼女を元気づけるため、得意の馬球で一計を案じます。その甲斐あって、張氏と夫・沈従興(しんじゅうこう)の関係は改善に向かいますが、その一方で、夫の顧廷燁(こていよう)は、明蘭の振る舞いにどこか寂しさを感じてしまい…。夫婦の間に生まれた小さなすれ違いは、やがて顧廷燁の心の奥底にある不安を呼び覚まします。京城での評判を高めていく明蘭と、彼女に絶対的な愛情を求める顧廷燁。二人の想いが交錯する中、物語は新たな波乱を予感させます。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ58話

今回の明蘭は夫婦のあるあるが満載で、思わずニヤニヤしたり、ハラハラしたりしちゃいましたね!前回、明蘭(めいらん)の機転で友人・張(ちょう)氏を助けましたが、その一件がきっかけで、夫の顧廷燁(こていよう)との間にちょっとした、いや、かなり根深いすれ違いが生まれちゃうんです。

馬球で仲直り大作戦!のはずが…

物語は、明蘭が企画した馬球の会から始まります。心を閉ざしていた張氏(ちょうし)を元気づけるため、夫の沈従興(しんじゅうこう)とペアを組ませて、自分たち夫婦と対戦させるんです。明蘭の狙い通り、試合は白熱!体を動かすうちに、張氏(ちょうし)の顔にも笑顔が戻り、沈従興も妻の生き生きとした姿に改めて心惹かれている様子。これには太后も盛明蘭(せいめいらん)は一筋縄ではいかぬと舌を巻くほど。

明蘭と顧廷燁(こていよう)の息の合ったプレーで、見事に沈夫妻のわだかまりを解き、二人が仲良く兵法書を語り合う仲にまで回復させたのは、さすが明蘭!と拍手喝采でした。

ところが、一件落着かと思いきや、問題は意外なところに。顧廷燁(こていよう)が、なんだか拗ねているんです。明蘭が自分のことよりも、他人の世話ばかり焼いているのが気に入らないみたい。俺のこと、本当に大事に思ってる?って、口には出さないけど全身から不満オーラがダダ漏れ状態。夜も一緒に寝てくれず、明蘭もさすがに寂しさを感じ始めます。

親友・長柏のナイスな助言と、石頭(せきとう)&小桃の神アシスト!

この面倒くさい夫の扱いに困ったのが、顧廷燁の親友でもある明蘭の兄・盛長柏(せいちょうはく) 。狩りに出かけてウサギを焼いている顧廷燁の元へ駆けつけ、回りくどい!言いたいことがあるならはっきり言え!と一喝!そうなんですよね、言ってくれなきゃ分からないことって、たくさんあるんです。でも顧廷燁は彼女に心から気づいてほしいんだと、これまた面倒くさい乙女心(?)を炸裂させます。

一方、明蘭は張氏から妊娠の報告を受け、大喜び。その嬉しいニュースを伝えに顧廷燁の元へ行きますが、まだ拗ねている夫。その気まずい空気を察したのが、侍女の小桃(しょうとう)!二人は機転を利かせ、食事を口実に明蘭と顧廷燁を二人きりにさせます。このアシストが見事に決まり、ようやく顧廷燁は素直になって明蘭を抱きしめ、キスをして仲直り。外でお菓子を食べながら見守る小桃と石頭(せきとう)、グッジョブ!

再びの亀裂、埋まらない心の溝

しかし、幸せな時間は長くは続きません。仲直りした二人は、再び馬球会を開き、京城での評判はうなぎのぼり。これに嫉妬の炎を燃やすのが、もちろん小秦(しょうしん)氏。彼女は夫婦なんてしょせん新婚の時だけ。いずれ綻びが出ると不吉な予言をします。

そして、その予言は当たるんです…。

夜、二人が語り合う中で、顧廷燁はふと、亡くなった大鄒(だいすう)氏(沈従興の前妻)への沈従興の想いを語ります。そして明蘭にもし俺が心変わりしたら、お前はどうする?と、核心に迫る質問を投げかけるのです。

これに対し、明蘭は少し考えた後、心変わりされたら、私に何ができますか?と、あまりに現実的で、彼が期待していた答えとは程遠い返答をしてしまいます。これに顧廷燁は激怒。お前は自分の逃げ道ばかり用意している!もう一度選べるなら、斉衡(せいこう)を選ぶのか!?と、かつての恋敵の名前まで出して、明蘭を激しく問い詰めるのでした。

なぜ彼がここまで怒るのか、その本当の理由が分からない明蘭。二人の間には、またしても深くて暗い溝ができてしまったのでした。

『明蘭~才媛の春~』第58話の感想

今回のエピソードは、夫婦関係の複雑さと奥深さを改めて感じさせる回でした。明蘭の聡明さと行動力は、友人夫婦を救う素晴らしい力となりましたが、その一方で、最も大切な夫・顧廷燁の心を不安にさせてしまうという皮肉な結果を生んでいます。顧廷燁が求めるのは、ただひたすらに自分だけを想い、嫉妬してくれるような分かりやすい愛情表現なのでしょう。しかし、母を早くに亡くし、常に自分の身は自分で守るしかなかった明蘭にとって、誰かに完全に依存することは、最も恐ろしいことなのかもしれません。彼女の現実的な思考は、生き抜くための知恵であり、鎧なのです。この二人の根本的な価値観の違いが、悲しいすれ違いを生んでいて、見ていて胸が締め付けられました。お互いを深く愛しているのに、その表現方法が違うだけで、ここまでこじれてしまう。二人の幸せを願いながらも、前途の多難さを予感させる、非常に見応えのある内容でした。

つづく