永昌伯爵家が訪れた際、四女・墨蘭が客間の様子を覗き見したことが発端となり、姉妹喧嘩が勃発。結果、五女・如蘭と六女・明蘭は父・盛纮(せいこう)の逆鱗に触れ、祠堂で罰を受けることになってしまいます。一方、顧家の顧廷燁(こていよう)も、乳母を都に呼び寄せたことで父と対立し、厳しい罰を受けます。盛家では、娘を思う母・王若弗(おうじゃくふつ)が奔走しますが事態は好転しません。しかし、祖母である盛おばあ様の機転により、事態は思わぬ方向へと動き出します。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ6話
いやはや、盛家の娘たちのバトルは今回も絶好調!と思いきや、とんだとばっちりで明蘭が可哀想な目に…。第6話は、女たちの静かなる戦いと、男たちの熱い(物理的な)戦いが交錯する、見どころ満載のエピソードでした。
永昌伯爵家の呉大娘子(ごだいじょうし)と息子の梁晗(りょうかん)が盛家を訪れたことから、物語は大きく動き出します。目ざとい四女・墨蘭がイケメン梁晗(りょうかん)に目をつけてこっそり覗き見。それを見つけた五女・如蘭がずるい!とばかりに、嫌がる六女・明蘭を引っ張って後を追ったのが運の尽き。案の定、三人はもつれ合って客人の前に転がり出てしまい、父・盛纮(せいこう)の怒りが大爆発!
馬車の中で呉大娘子(ごだいじょうし)と梁晗が笑いをこらえている一方、斉衡(せいこう)は転んだ明蘭の姿を思い出して思わず笑みがこぼれます。しかし、身分違いの恋に悩む彼にとって、その想いは公にできないもどかしいものでした。
さて、盛家に戻った姉妹たちを待っていたのは、厳しいお仕置きタイムです。明蘭はひたすら泣いて謝罪し、如蘭は悪いのは墨蘭よ!と反論。しかし、ここで真骨頂を発揮するのが、母・林噙霜(りんきんそう)のDNAを色濃く受け継ぐ墨蘭です。しおらしく跪き、姉様たちのせいじゃありません、私のせいです…と涙ながらに訴える姿は、まさにプロの犯行。
この茶番にまんまと騙された盛纮(せいこう)は、墨蘭をお咎めなしにするどころかなんて良い子なんだと褒め、怒りの矛先を如蘭に向けます。正妻である王若弗(おうじゃくふつ)は娘が打たれるのを見て心を痛めますが、夫には逆らえません。明蘭は墨蘭お姉様が先にいましたと事実だけを述べますが、それがかえって如蘭の怒りを買い、とばっちりで二人仲良く祠堂で跪く罰を受けることになってしまいました。
場面は変わって顧家。こちらも一筋縄ではいきません。顧廷燁(こていよう)が幼い頃の乳母・常嬷嬷(じょうまま)を都に呼び寄せますが、父の顧偃開(こえんかい)はあいつの悪影響が増すだけだと大反対。さらに、病弱ながら腹黒い腹違いの兄・顧廷煜(こていよく)が火に油を注ぎます。おまけに、顧廷燁(こていよう)が側室を囲っていることまでバレてしまい、父から激しく板で打たれる始末。しかし、顧廷燁もやられてばかりではありません。兄の悪意を見抜き、気迫で吐血させるという意地を見せつけます。
再び盛家。祠堂で罰を受ける明蘭と如蘭。如蘭はあんたは意気地なしよ!と明蘭を責めますが、母を亡くし、父に愛されない明蘭にとって、目立たず生きることが身を守る唯一の術なのでした。王若弗(おうじゃくふつ)は娘を心配して様子を見に来ますが、その帰り道で墨蘭に遭遇。墨蘭の嫌味にカッとなり平手打ちを食らわせるも、墨蘭は顔色一つ変えません。その頃、盛纮は林噙霜(りんきんそう)の部屋で骨抜きにされ、墨蘭への同情を深めていました。
娘を救いたい王若弗は、盛纮に許しを乞うも失敗。林噙霜の真似をして甘えてみても、全く相手にされません。万策尽きた王若弗が泣きついたのは、盛家のトップ、盛おばあ様でした。彼女は囲魏救趙の策を提案します。それは、宮中から礼儀作法の師匠である孔嬷嬷(こうまま)を呼び、娘たちの教育係とすることで、罰を解かせるという見事な一手でした。
こうして、明蘭と如蘭は罰から解放されますが、休む間もなく孔嬷嬷(こうまま)による厳しいお行儀見習いが始まることを知り、げんなりするのでした。
『明蘭~才媛の春~』第6話の感想
今回は、盛家の姉妹それぞれの性格と、彼女たちが置かれた環境の違いがくっきりと浮かび上がった回でした。母の寵愛を一身に受けて育った如蘭の裏表のない直情的な性格、そして側室の母から生き抜く術として演じることを叩き込まれた墨蘭のしたたかさ。その対比が鮮やかです。そして、その間で板挟みになり、賢いがゆえに波風を立てまいと自分を殺して生きる明蘭の姿には、胸が締め付けられる思いがします。彼女の処世術は、決して臆病さからではなく、愛されなかった子供が身につけた悲しい知恵なのです。
一方で描かれる顧廷燁の物語も、盛家の女たちの戦いとはまた違う、男社会の厳しさと理不尽さを突きつけてきます。しかし、彼は決して折れることなく、自分の信じる道を突き進もうとする反骨精神を持っており、その姿は明蘭とは対照的でありながら、どこか通じるものを感じさせます。
そんな息苦しい状況の中、盛おばあ様の存在が唯一の救いと言えるでしょう。彼女の深い知恵と愛情が、今後、明蘭をどのように導いていくのか。物語の重要な鍵を握る人物の活躍から目が離せません。
つづく