顧家で開かれた宴の席で、明蘭(みんらん)は厄介な親戚・康姨母(こうおば)から、その娘を妾として引き取るよう強要されます。背後で糸を引く小秦氏(しょうしんし)の思惑も絡み、明蘭は巧妙に仕掛けられた罠に追い詰められていきます。ついには一人の女性の命が危険にさらされる事態に発展し、明蘭は絶体絶命の窮地に。しかし、その知らせを聞きつけた頼れる味方が駆けつけ、明蘭は知恵と覚悟で、この卑劣な陰謀に立ち向かうことを決意します。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ63話

いやあ、今回の『明蘭(みんらん)』は本当に胸糞悪いというか、見ていて胃がキリキリしちゃいましたよ!あの康姨母(こうおば)が手を組むなんて、まさに悪夢の最強タッグ誕生って感じ。

宴の席で勃発!陰湿すぎる妾プッシュ

顧(こ)家で開かれた宴の席。そこにやって来たのが、あのトラブルメーカー康姨母。今回は庶女の康兆児(ちょうじ)を連れてきて、何やら企んでいる様子。案の定、小秦氏(しょうしんし)と一唱一和で明蘭(みんらん)様は心が広くて嫉妬しないお方なんてヨイショを始め、暗に兆児を顧廷燁(こていよう)の妾として差し出そうとプレッシャーをかけてくるんです。

康姨母はさらに、かつて明蘭の縁談相手だった賀(が)家の話まで持ち出して、明蘭の心をえぐってきます。どこまで性根が腐ってるんでしょうか、このおばさん。

しかし、ここで黙っている明蘭じゃありません!小秦氏(しょうしんし)が子供を産むためですよと追い打ちをかけた瞬間、ついに明蘭が反撃の狼煙を上げます。どこの女でもいいけど、康家の女だけは絶対にお断り!と一喝。康姨母の金と権力にしか興味がない本性を見抜き、小秦氏の顔を立てなければ会う価値すらないと、痛烈に言い放ちました。スッキリした!

逆ギレからの置き去り!常識が通用しない相手

顔に泥を塗られた康姨母は、もちろん激怒。宴の席で大騒ぎを始めます。すると明蘭は、康姨母がこれまで盛(せい)家のおばあ様をないがしろにしてきたことや、その手が血塗られていることまで、皆の前で暴露!

形勢不利と見た康姨母、なんとそもそも小秦氏様が兆児を欲しがったんじゃないか!と責任転嫁。もう康家では引き取れないとわめき散らし、娘の兆児を顧家に置き去りにして帰ってしまうという暴挙に出ます。残された小秦氏は、悲劇のヒロインぶって涙を見せながら、その実、ほくそ笑んでいるのが見え見えで、本当に腹黒い!

絶体絶命!人命を盾にした最悪の罠

その夜、兆児は庭にひざまずきお姉様、どうか助けてくださいと涙ながらに訴えます。しかし明蘭は、これが康家の仕組んだ罠だと見抜いていました。冷たく突き放し、実家へ送り返そうとしたその時…!兆児は隠し持っていたハサミで自らの喉を突いたのです。

幸い常(じょう)ばあやが身を挺して防ぎ、一命は取り留めましたが、明蘭は凍りつきます。もし兆児が顧家で死ねば、ただでさえ立場が危うい夫・顧廷燁(こていよう)に妾をいびり殺したという罪状が加わってしまう…。これは、明蘭を殺人犯に仕立て上げるための、あまりにも卑劣な罠でした。明蘭は、唇を噛みしめ、兆児を妾として受け入れるしかありませんでした。

救世主、降臨!最強おばあ様の逆転劇

康姨母は、明蘭が罠にかかったとほくそ笑み、小秦氏は高みの見物を決め込んでいました。しかし、彼女たちの計算は、ある人物の登場で脆くも崩れ去ります。

そう、我らが盛おばあ様です!

侍女の翠微(すいび)から知らせを受け、ただならぬ事態を察して駆けつけてくれたのです。おばあ様は、震える明蘭を優しく抱きしめると、すぐに兆児を呼び出して尋問を開始。

おばあ様は、康家の内情も、兆児の生母・蘇(そ)小娘が人質に取られていることも、すべてお見通しでした。あの者たちがお前に求めているのは、お前の命ではない。お前の亡骸なのだよ!というおばあ様の厳しい言葉に、兆児はついに全てを白状します。

追い詰められた無力な少女の告白に、明蘭は怒りで茶碗を叩きつけます。しかし、彼女は絶望の淵にいる兆児に、二つの生きる道を示しました。

  1. 本当に妾となり、顧家で生きていく道。
  2. 表向きは死んだことにして、盛家の女中として宥陽(ゆうよう)へ行き、身分を隠してまっとうな相手と結婚する道。

私は妾にはなりません!誰が生まれながらに卑しい者ですか!

兆児は泣きながら、第二の道を選びました。明蘭は、人殺しの罠を、一人の少女の人生を救うための策へと、見事にひっくり返したのです。

事件の顛末を知らない小秦氏は、まだ騒動が大きくなるのを待っていましたが、時すでに遅し。盛おばあ様は盛家へ乗り込み、姉の悪行を止めなかった王若弗(おうじゃくふつ)を厳しく叱責。さらに、康姨母に明蘭に謝罪せよと命じたのでした。年長者としてのプライドをズタズタにされた康姨母。彼女たちの毒計は、完全に打ち砕かれたのです。

『明蘭~才媛の春~』第63話の感想

今回は、人間の醜悪な部分をまざまざと見せつけられた回でした。自らの利益のために、罪のない娘の命さえ駒として使う康姨母と、それを楽しむように傍観する小秦氏の姿には、強い憤りを感じずにはいられません。彼女たちの前では、常識や良心など何の役にも立たないのだと痛感させられます。しかし、そんな暗澹たる状況を打ち破ってくれたのが、盛おばあ様の存在です。彼女の威厳と深い洞察力、そして明蘭への揺るぎない愛情が、絶望的な状況に光を差し込んでくれました。そして、窮地に立たされながらも、怒りを力に変え、最も賢明で慈悲深い解決策を導き出した明蘭の姿には、改めて彼女の人間としての器の大きさを感じました。悪意に満ちた罠を、人助けの機会に変えてしまうその手腕は、実に見事でした。

つづく