康家の娘を側室に迎え入れるよう迫られた明蘭(みんらん)。実の母のように慕っていた王若弗(おうじゃくふつ)までもがその話に乗り気になってしまい、盛家は大混乱に陥ります。この事態に激怒した大奥様は、家の秩序を守るため、ついに厳しい決断を下すのでした。一方、顧家では小秦氏(しょうしんし)が明蘭への憎しみを募らせ、恐ろしい計画を企て始めます。それぞれの思惑が渦巻く中、盛家と顧家に新たな嵐が吹き荒れようとしていました。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ64話

康おばの策略と盛家の混乱

なんと康おば、自分の娘である康兆児(ちょうじ)の側室にさせようと、姉の王若弗(おうじゃくふつ)をそそのかしたんです!信じられますか?自分の娘・如蘭(じょらん)の嫁ぎ先が同じことをしようとした時は、鬼の形相で乗り込んでいった王若弗(おうじゃくふつ)が、こともあろうに実の娘同然と言っていた明蘭に同じ苦しみを与えようとするなんて…。

この話を聞いた大奥様の怒りは、まさに天を突く勢い!茶器を叩きつけ、王若弗(おうじゃくふつ)を一喝!今すぐ康兆児を連れ帰らせてこい!との厳命に、王若弗はしぶしぶ康家へ向かいます。

しかし、あの康おばが一筋縄でいくはずがありません。逆にこれは王若弗のためだと丸め込み、さらにはもうすぐ王家の一族が都に戻ってくるから、盛家なんて怖くないとまで言い放つ始末。この悪女っぷり、本当に見事です。

盛家の当主・盛纮(せいこう)も康家のやり口には激怒しますが、その理由は明蘭を心配してのことではありません。顧家の富と権力にたかろうとする康家のさもしさが許せないという、あくまで体面を気にしてのこと。そんな父親の姿に、大奥様は深く失望します。この親たちは、誰一人として本気で明蘭の幸せを考えていないのですから。

大奥様の鉄槌!王若弗への罰

康家から戻り、説得したけど無駄でしたと報告する王若弗に、ついに大奥様の堪忍袋の緒が切れました。目上に逆らった罪で、なんと王若弗に一日中ひざまずくよう命じたのです!盛家の女主人である自分が、使用人たちの前で晒し者にされる…。王若弗は屈辱に涙しますが、大奥様の決意は固く、誰にも止めることはできませんでした。これは、彼女の甘さと愚かさに対する、あまりにも厳しい罰でしたね。

燃え上がる小秦氏(しょうしんし)の憎悪

その頃、顧家ではもう一人の悪女、小秦氏(しょうしんし)が暗躍していました。明蘭が康兆児を城外に送ったと知り、使えないと康おばを罵りつつも、明蘭への憎悪をさらに募らせます。

祠堂で亡き夫・顧偃開(こえんかい)の位牌に語りかける小秦氏(しょうしんし)は、狂気に満ちていました。顧偃開が、亡き先妻・大秦氏(だいしんし)を生涯愛し続けたことを引き合いに出し、顧廷燁(こていよう)も父親と同じ。盛明蘭(みんらん)さえ死ねば、あいつも抜け殻になる!と絶叫するのです。その姿は、もはや正気の沙汰ではありません。明蘭の元にいる侍女から最近、明蘭はふさぎ込み、食も細くなっていると報告を聞くと、高笑いしたかと思えば、次の瞬間には泣き崩れる始末。彼女の嫉妬と憎悪は、物語に新たな嵐を呼ぶことを予感させます。

華蘭の説得と新たな火種

母の窮地を知り、雨の中を駆けつけたのは長女の盛華蘭(せいからん)でした。罰を受けた屈辱に泣きじゃくる母を、華蘭は冷静になだめます。祖母が怒っている本当の理由は、母が善悪の区別もつけずに康おばの肩を持つからだと諭しますが、王若弗は私には姉上しかいないと聞く耳を持ちません。

そして数ヶ月後。王家の一族が都に到着し、王お婆様(おうろうたいたい)の歓迎の宴が開かれます。その席で、明蘭と康おばは再び顔を合わせるのでした。新たな戦いの幕開けを予感させる、不穏な再会です。

『明蘭~才媛の春~』第64話の感想

今回は、女性キャラクターたちの感情が激しくぶつかり合う、非常に見ごたえのある回でした。特に印象的だったのは、三人の母の姿です。明蘭を守るために毅然と振る舞う大奥様の姿には、胸がすく思いでした。一方で、姉の言いなりになり、娘同然の明蘭を裏切ってしまう王若弗の愚かさには、同情よりも呆れる気持ちが先に立ちます。しかし、長女の華蘭にすがりついて泣く姿には、彼女が抱える孤独も感じられ、複雑な気持ちになりました。

そして、最も恐ろしかったのが小秦氏の狂気です。彼女の憎悪は、もはや権力争いという次元を超え、純粋な破壊衝動へと変化しているように見えます。祠堂での独白シーンは、彼女の歪んだ愛情と嫉妬の根深さを描き出しており、今後の物語における最大の脅威であることを改めて印象付けました。それぞれの立場と感情が交錯し、物語にさらなる深みを与えた一話だったと思います。

つづく