最愛の祖母が何者かの手によって倒れ、盛明蘭(みんらん)の怒りは静かに頂点に達する。盛家に乗り込んできた康夫人(こうふじん)と母・王若弗(おうじゃくふつ)が口論する中、明蘭は冷静沈着に騒動の裏を探り始める。妊娠中の身でありながら、自ら指揮を執り、証人や証拠を一つずつ確保。家の面子を気にする父・盛纮(せいこう)の葛藤を横目に、黒幕をじわじわと追い詰めていく。これは、愛する家族を守るため、明蘭が知恵と覚悟で悪に立ち向かう、緊迫の物語である。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ67話
前回、盛家のお祖母様が何者かに毒を盛られ倒れるという衝撃的な展開で幕を閉じましたが、今回はその犯人を追い詰める明蘭(みんらん)の、まさに静かなる怒りが大爆発する回です!
悪の枢軸・康夫人(こうふじん)との直接対決!
お祖母様の部屋から下がった明蘭(みんらん)は、すぐさま劉ばあやに何事かを指示。そして、案の定、母である王若弗(おうじゃくふつ)の部屋からは、姉の康夫人(こうふじん)と口論する声が聞こえてきます。
明蘭が部屋に踏み込むと、康夫人は妊娠中の分際で私を尋問する気?と、相変わらずの傲慢な態度。しかし、今日の明蘭は一味も二味も違います。彼女が合図すると、部屋に引きずられてきたのは、すっかりやつれ果てた侍女の彩環(さいかん)でした。
康夫人の顔色が一変!彩環(さいかん)は拷問で心身ともに限界だったのか、王若弗(おうじゃくふつ)の前にひれ伏し、洗いざらい真相をぶちまけます。康夫人が自分に指示したこと、お祖母様の食事に毒を盛ったこと…。追い詰められた康夫人はこの女が嘘を!と見苦しくわめき散らしますが、明蘭はもはや議論する気などありません。康夫人を捕らえて!の一声で、屋敷の手下たちが康夫人を取り押さえます。逆王府(顧廷燁(こていよう)の手練れたちを前に、官僚の妻という身分など何の役にも立ちませんでした。
母・王若弗の涙と後悔
一部始終を見ていた盛家の主・盛纮(せいこう)は、怒りのあまり部屋を飛び出し書斎に引きこもってしまいます。彼にとっては何よりも世間体が大事。内輪の揉め事が外に漏れることだけは避けたいのです。
一人残された王若弗に、明蘭は静かに語りかけます。彼女が用意していた言い訳は屋敷に泥棒が入り、お祖母様が驚いて倒れた。その犯人(彩環)を審問するため、康夫人に来てもらったというものでした。どこまでも自分の罪を軽くしようとする母に、明蘭はお母様は根は優しい。でも、その人の良さにつけ込む悪人がいるのですと諭します。
今まで姉の言いなりになり、その結果、取り返しのつかない事態を引き起こしてしまった王若弗。明蘭の言葉に、ようやく自分の愚かさを悟り、子供のように泣き崩れるのでした。
悪党は一網打尽!明蘭の周到な罠
康夫人は口に布を詰められ、真っ暗な部屋に監禁。しかし、明蘭の追及はこれで終わりません。劉ばあやを康家へ送り込み、奥様(康夫人)がお呼びですと嘘をつかせ、康夫人の腹心である祁ばあやの息子二人をおびき出すことに成功!盛家の門をくぐった途端、二人もあっけなく捕らえられてしまいました。
さらに、康夫人に付き従ってきた侍女たちも尋問にかけられます。一人はすぐに口を割りましたが、もう一人は頑固に口を閉ざします。そこへ、捕らえられた祁ばあやの息子たちの姿を見せつけ、次はあなたの番よとばかりにプレッシャーをかける明蘭。その徹底したやり方に、侍女たちの心も折れていくのでした。
身重の体で、冷静かつ非情に悪を裁いていく明蘭。その姿は、もはやかつての控えめな六番目の娘ではありません。そして、この事態を収拾すべく、長柏の妻である海朝雲(かいちょううん)は、遠征中の夫へ急ぎの使いを送るのでした。盛家の未来をかけた戦いは、まだ始まったばかりです。
『明蘭~才媛の春~』第67話の感想
今回は、これまで溜まりに溜まった鬱憤を晴らすかのような、明蘭の鮮やかな手腕にしびれる回でした。普段は穏やかで理性的ですが、愛する家族、特にお祖母様を傷つけられた時の彼女は、まさに静かなる獅子です。妊娠中の身でありながら、少しも臆することなく悪の根源を一つ一つ断ち切っていく姿は、見ていて小気味良いほどでした。
また、トラブルメーカーだった王若弗が、ついに自分の過ちと向き合い、後悔の涙を流すシーンも印象的です。彼女の根底にある人の良さを信じ、手を差し伸べた明蘭の器の大きさにも感服します。
康夫人のような、どこまでも自分本位で反省の色がない人物を相手に、情け容赦なく証拠を固めていく様は、まさに圧巻。海朝雲(かいちょううん)の的確なサポートもあり、盛家の女性たちの結束力の強さが光っていました。物語が大きく動き出し、正義が執行される過程から目が離せません。
つづく