祖母・大奥様を襲った毒殺未遂事件は、首謀者である康姨母(こうおば)の投獄と、母・王若弗(おうじゃくふつ)の追放という形で決着します。しかし、この裁きに納得がいかない四姉・墨蘭は、事件の裏を探り始め、牢獄の康姨母と接触。一方、夫の顧廷燁(こていよう)が遠征先で命を落としたという悪意に満ちた噂が都を駆け巡ります。心労が重なる中、その凶報を耳にしてしまった妊娠中の明蘭(みんらん)は、予定より早く産気づいてしまいます。さらに、澄園を謎の火事が襲い、明蘭は最大の危機に直面するのでした。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ69話
おばあ様が毒を盛られた事件の後始末から始まったかと思えば、あれよあれよという間に明蘭(みんらん)が絶体絶命のピンチに追い込まれるなんて…。まさに悪女たちのオンパレード!彼女たちの執念深さには、もはや感心を通り越して恐怖すら覚えます。
悪女たちの逆襲!墨蘭の暗躍と康おばさんの脱獄
物語は、おばあ様の意識が戻ったところから始まります。ひとまず安心したのも束の間、毒を盛った張本人・康おばさんの処遇を巡って盛家と王家は一触即発の状態に。ここで頼りになるのが、我らが顧廷燁(こていよう) !二人は見事な連携プレーで王家を黙らせ、康おばさんを内獄送りに、そして事件に加担してしまった王若弗(おうじゃくふつ)を宥陽の祠堂へ10年送致という厳しい罰を下します。これで一件落着…と誰もが思ったはず。
しかし、この一件で完全に蚊帳の外だったのが、あの盛墨蘭(せいぼくらん) です。自分だけが何も知らされなかったことに腹を立てた彼女は、盛家の評判が落ちることもお構いなしに真相を探り始めます。林噙霜(りんきんそう)の元侍女で、今は落ちぶれた雪娘(せつじょう)を手引きに、なんと内獄にいる康おばさんと接触!共通の敵がいるとそそのかし、協力関係を結んでしまうのです。
そして墨蘭は、屋敷の厨房に火を放つという大胆な手口で騒ぎを起こし、その隙に康おばさんを脱獄させてしまいます。自由になった毒蛇・康おばさんが向かった先は…そう、澄園の女主人・小秦氏(しょうしんし)のもとでした。ここに、明蘭(みんらん)を憎む悪女三銃士(康おばさん、墨蘭、小秦氏(しょうしんし)が揃ってしまったわけです。恐ろしい!
絶望の淵へ…偽りの凶報と澄園の炎
悪女たちが手を組めば、ろくなことが起きません。小秦氏は、遠征中の顧廷燁(こていよう)が恒王をかばって重傷を負い、死んだという悪質なデマを都に流させます。この噂は、妊娠中でただでさえ心細い日々を送っていた明蘭の耳にも届いてしまいました。
愛する夫の死の知らせに、明蘭はあまりの衝撃で倒れ、予定より早く産気づいてしまいます。ただでさえ胎位が不正で難産が予想される中、明蘭は必死に痛みに耐えます。
しかし、悪夢はそれだけでは終わりません。明蘭が苦しんでいるまさにその時、澄園から火の手が上がるのです!これは、小秦氏が明蘭の安産祈願と偽って天灯を上げさせ、屋敷に火を放ったことによるものでした。
出産と火事、二つの危機に同時に襲われる明蘭。夫も兄もいない澄園で、彼女はたった一人、この地獄のような状況を乗り越えなければならないのです。燃え盛る炎の中、遠くから火事に気づいた斉衡(せいこう)が駆けつけようとしますが…。果たして明蘭と、お腹の子の運命はいかに!?
『明蘭~才媛の春~』第69話の感想
今回のエピソードは、これまで以上に女性たちの執念の恐ろしさが際立つ回でした。自分たちの恨みや嫉妬を晴らすためなら、家や人の命さえも平気で駒として使う康おばさん、墨蘭、そして小秦氏。彼女たちの連携プレーは、まさに悪の組織そのもので、見ていて背筋が凍る思いでした。特に墨蘭の行動は、盛家の一員でありながらその名誉を汚すことも厭わない自己中心的な性格がよく表れており、彼女の根深い闇を感じさせます。
そんな悪意の渦の中心で、夫も兄も不在という最も無防備な状況で、出産と屋敷の火災という最大の危機に直面する明蘭の姿は、あまりにも痛々しく、胸が締め付けられました。これまで持ち前の聡明さで数々の困難を乗り越えてきましたが、今回は心身ともに限界の状況。彼女の孤独と絶望を思うと、言葉を失います。物語がクライマックスに向けて、最も過酷な試練を明蘭に与えた、非常に見応えのあるエピソードでした。
つづく