宮中から来た教育係・孔嬷嬷(こうまま)の指導が始まり、盛家の三姉妹、明蘭・墨蘭・如蘭の間に新たな緊張が走ります。特に、父の偏愛を受ける墨蘭が授業に加わったことで、如蘭の不満が爆発。孔嬷嬷は冷静に三姉妹を観察し、それぞれの本質を見抜き始めます。一方、顧廷燁(こていよう)は愛する女性と子供たちを乳母に紹介しますが、乳母は彼女に不信感を抱きます。そんな中、明蘭のもとをある人物が訪れ、彼女の亡き母にまつわる過去の事件について、衝撃的な事実を告げるのでした。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ8話

盛家の主・盛纮(せいこう) が一人寂しそうにしているのが不憫でならず、なんとかして宮中から招いた孔嬷嬷(こうまま)の指導を受けさせようと画策します。しかし、正室の王若弗(おうじゃくふつ)はもちろん、大奥様も良い顔をしません。結局、盛纮(せいこう)が折れる形で、墨蘭も孔嬷嬷の授業に参加することになりました。

その頃、顧廷燁(こていよう)は、愛する女性・朱曼娘(しゅまんな)と二人の子供を連れて、乳母の常嬷嬷(じょうまま)のもとを訪れます。一見、しおらしく健気に見える朱曼娘(しゅまんな)ですが、常嬷嬷は長年の経験から彼女の本性を見抜いていました。朱曼娘が涙ながらに忠誠を誓っても、その心は揺らぎません。しかし、顧廷燁(こていよう)の子供たちがいてこそ、私に家ができたのですという言葉に心を動かされ、渋々ながらも彼女たちを受け入れるのでした。

盛家では、孔嬷嬷の授業が始まりました。しかし、墨蘭が参加したことで、盛如蘭(せいじょらん)は不満を隠せず、教室の空気は一気に険悪に。一方、盛明蘭(せいめいらん)は相変わらず目立たぬよう、眠たそうな顔でやり過ごしています。孔嬷嬷はそんな三姉妹の様子を冷静に観察し、特に墨蘭には厳しい態度で接するのでした。

夜、孔嬷嬷は大奥様のもとを訪れます。二人は旧知の仲。孔嬷嬷は、明蘭が実は誰よりも聡明で、自分の教えの要点をしっかり記録していることを見抜いていました。大奥様は、明蘭の聡明さを認めつつも、後ろ盾のない彼女が才能を表に出せば、姉たちの嫉妬の的になることを深く憂い、涙を流します。明蘭が自らを守るために愚鈍なふり(守拙)をしていることを、大奥様だけは理解していたのです。

そんな中、明蘭のもとへ亡き母・衛恕意(えいじょい)が訪ねてきます。彼女は極度に用心深く、食事に毒味をするほど。そして夜、明蘭に衝撃の事実を告げます。かつて母の物を盗んだとして追い出された侍女の小蝶(しょうちょう)は無実であり、母の死は誰かの陰謀によるものだった、と。この告白は、林噙霜(りんきんそう)の耳にも入り、彼女は衛姨妈の動向を監視させます。

翌日の授業。姉の如蘭と墨蘭がまたもや言い争いを始めます。母の死の真相を知り、心ここにあらずの明蘭。三姉妹の間に渦巻く不穏な空気を、孔嬷嬷は物陰から静かに見つめているのでした。

『明蘭~才媛の春~』第8話の感想

今回は、物語の新たな扉がいくつも開かれた、非常に見ごたえのある回でした。宮中から来た孔嬷嬷という第三者の視点が加わったことで、これまで以上に盛家の姉妹たちの性格の違いや、家庭内の複雑な力関係が浮き彫りになったように感じます。特に、大奥様が明蘭を想って涙する場面は、彼女の深い愛情と、明蘭が置かれた過酷な状況を改めて突き付けられ、胸が締め付けられました。

また、顧廷燁のパートでは、朱曼娘のしたたかな本性が垣間見え、彼の今後の多難な道のりを予感させます。そして何より、衛姨妈の登場によって、明蘭の母の死の真相究明という、物語の大きな縦軸が動き出しました。これまで控えめに、ただ耐え忍ぶだけだった明蘭が、この事実をどう受け止め、どう行動していくのか。彼女が内に秘めた聡明さを発揮する時が、少しずつ近づいているのを感じさせます。静かな水面下で、いくつもの物語が激しく動き始めた、そんな緊張感に満ちた一話でした。

つづく