盛家の三姉妹、墨蘭・如蘭・明蘭の教育係として招かれた孔嬷嬷(こうまま)は、ついにその手腕を発揮します。絶えない姉妹喧嘩をきっかけに、孔嬷嬷は三姉妹だけでなく、その親である盛纮(せいこう)、側室の林噙霜(りんきんそう)をも巻き込んで、厳しい指導を行うのです。それぞれの過ちを的確に指摘し、家族としての在り方を説く孔嬷嬷。争いに加わらなかった明蘭も連帯責任として罰せられることになりますが、その裏には深い意図が隠されていました。この一件を通して、明蘭は人として、大家族の一員として、大きな学びを得ることになります。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ9話

前回、盛家の三姉妹の教育係として宮中からやってきた孔嬷嬷(こうまま)。その穏やかな物腰の裏に隠された眼光の鋭さが、ついに炸裂する回となりました。いやあ、スカッとしましたね!

孔嬷嬷、動く!三姉妹への公開説教

いつものように、四の若様・墨蘭(ぼくらん)と五の若様・如蘭(じょらん)が口喧嘩を始めます。如蘭が孔嬷嬷があんたを避けてるのよと煽れば、墨蘭は得意のお父様(盛纮(せいこう)に言いつけるわ!と涙目戦法。この姉妹、本当に飽きないですよね(笑)。

そんな中、明蘭(めいらん)はそっと距離を置き、関わらないようにしていました。しかし、墨蘭の庶出だからって姉妹でいじめるのね!という被害者ムーブからの壁に頭を打ち付けて死んでやる!という茶番が始まったことで、ついに巻き込まれてしまいます。

この騒動を知った孔嬷嬷は、三姉妹に罰として書写を命じます。そして夜、なんと盛家の主・盛纮(せいこう)を呼び出したのです!

盛纮(せいこう)は娘たちの不始末に激怒し、ひざまずかせようとしますが、孔嬷嬷はそれを制し、冷静に一人ずつ過ちを問い始めます。

まず標的になったのは、泣き落としの常習犯、墨蘭。孔嬷嬷は、彼女が常に目立とうとすること、すぐに泣いて同情を引こうとすること、そして何より嫡出・庶出という身分差を武器にすることを厳しく指摘します。宮中で酸いも甘いも見てきた孔嬷嬷の前では、墨蘭の小細工などお見通し。ぐうの音も出ない墨蘭、いい気味です!

次に、口が達者で相手をやり込めてしまう如蘭の短所も的確に指摘。そして、孔嬷嬷は驚くべきことを宣言します。

明蘭も、共に罰します

これには盛纮もこの子は何も悪くないのに!と慌ててかばいますが、孔嬷嬷は譲りません。姉妹が過ちを犯したとき、自分は関係ないと岸から火事を眺めるような人間になってはなりません。家族とは、栄えるも損なうも一蓮托生なのですと。この言葉、明蘭の心に深く刻まれたことでしょう。

しゃしゃり出る林噙霜(りんきんそう)、一刀両断!

ここで黙っていられないのが、愛娘が責められた林噙霜(りんきんそう)。しゃしゃり出てきて明蘭の分の罰は墨蘭が受けます!なんなら私もお罰を!と、悲劇のヒロインぶってアピール。

しかし、孔嬷嬷は側室ごときが口を出すとは、何と見苦しい。主君は妾を寵愛するにも限度があるからこそ、家は安泰なのですぞと、林噙霜の立場そのものをバッサリ!これには盛纮も何も言えず、妻の王若弗(おうじゃくふつ)は内心ガッツポーズだったに違いありません。

結局、三姉妹は仲良く(?)手のひらを10回打たれる罰を受け、この件は幕を閉じました。

父の今更な優しさと、明蘭の達観

罰の後、盛纮は明蘭を呼び止め、初めて父親らしい気遣いを見せます。孔嬷嬷の言葉で、これまで明蘭がいかに孤独に耐えてきたかに思い至ったのです。しかし、明蘭の心はすでに凪いでいました。侍女の小桃(しょうとう)が旦那様はひどい!と憤るのを横目に、お父様の気遣いが必要だった時は、もう過ぎ去ったのと静かにつぶやく姿は、あまりに達観していて切なくなります。

一方、孔嬷嬷のおかげで溜飲が下がった王若弗(おうじゃくふつ)は、ここぞとばかりに林噙霜を罰しようとしますが、そこに盛纮が駆けつけ、またもや林噙霜をかばうのでした。盛家の戦いは、まだまだ終わりそうにありませんね。

そして、祖母の元で薬を塗ってもらう明蘭。彼女は、孔嬷嬷が姉妹の喧嘩をあえて泳がせ、罰に必要な道具一式を事前に準備していたことまで見抜いていました。孔嬷嬷の深い知恵と戦略に感服する明蘭の姿は、彼女自身が類まれな才媛であることを改めて示していました。

『明蘭~才媛の春~』第9話の感想

今回の第9話は、まさに孔嬷嬷の独壇場でした。彼女の存在が、淀んでいた盛家に一石を投じ、物語を大きく動かしましたね。単に厳しいだけでなく、一人一人の性格や立場を完全に見抜いた上での指導は、まさに神裁きと呼びたいほど見事でした。特に、林噙霜の化けの皮を公衆の面前で剥がし、正室と側室の分を盛纮に叩き込んだ場面は、多くの視聴者が快哉を叫んだのではないでしょうか。

また、一蓮托生という家族の在り方を説いた言葉は、このドラマ全体のテーマにも通じる重要なメッセージだと感じます。この教えが、今後の明蘭の行動や判断に大きな影響を与えていくのでしょう。父の愛情を渇望していた時期を過ぎ、静かに物事の本質を見つめる明蘭の姿には、彼女の強さと悲しみの両方が感じられ、胸が締め付けられました。彼女の聡明さが、この複雑な家で生き抜くための唯一の武器なのだと改めて実感させられる、非常に中身の濃いエピソードでした。

つづく