原因不明の病に倒れた宣夜(センヤ)。一行が滞在する宿では、小間使いが斬られても再生するなど、不可解な出来事が続発する。やがて、半夏(ハンゲ)たちは何者かによって監禁され、宿の主である鳳天(フォンティエン)と娘・鳳伍娘(ほうごじょう) が主催する奇妙な宴に強制的に参加させられることに。そこで明かされる、宿に隠された恐ろしくも悲しい秘密とは。絶体絶命の状況で、宣夜と半夏は脱出の糸口を見つけられるのか。

「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ14話

恐怖の宴と明かされる宿の秘密

原因不明の高熱と幻覚に苦しむ宣夜(センヤ)。心配そうに彼を看病する半夏(ハンゲ)ですが、この宿の不気味さは増すばかり。仲間であるはずの幽篁(ユウコウ)は、宿の小間使いを追跡中、とんでもない相手に捕らえられてしまいます。なんとその小間使い、手足を斬られても瞬時に再生するという、人間離れした存在だったのです。

その夜、半夏(ハンゲ)、そして捕らえられた幽篁(ユウコウ)たちは薬で眠らされ、気づけば密室に監禁されていました。そこに現れたのは、宿の主・鳳天(フォンティエン)の娘、鳳伍娘(ほうごじょう) 。彼女は今日が自分の誕生日だと告げ、この奇妙な宴に招待したと言うのです。

言秋が亡き妻・曲蛮娘(キョク・バンジョウ)への想いを口にすると、鳳伍娘(ほうごじょう) は激昂します。彼女はあなたのために命を落としたのに、あなたはその仇と酒を酌み交わしているじゃない!その言葉に、一同は凍りつきました。

悲しき人形師の告白と宣夜(センヤ)の逆襲

ここで、父である鳳天(フォンティエン)が涙ながらに真相を語り始めます。昔、大漠で孤独に耐えかねた彼は、寂しさを紛らわすために一体の人形を作りました。それが鳳伍娘(ほうごじょう) だったのです。彼は娘として愛情を注ぎましたが、彼女が人間を傷つけることを恐れ、故郷の家に連れて帰ることもできず、この宿に一生閉じ込めていたのでした。

私を娘と呼びながら、蛇蝎のように恐れていた!父の告白に、鳳伍娘は冷たく笑います。

しかし、この絶体絶命の状況は、ある男の計画通りでした。ずっと意識不明だったはずの宣夜(センヤ)が、突如として目を見開き、縄を断ち切ったのです!そう、彼は毒の入った酒を飲んではいませんでした。すべては、この宿に潜む黒幕をおびき出すための芝居だったのです!

鳳伍娘の正体と半夏(ハンゲ)の決意

計画を見破られ、怒りで我を忘れた鳳伍娘は、ついにその正体を現します。彼女は人形の小間使いたちを操り、宣夜に襲いかかりました。混乱の中、鳳伍娘は半夏に狙いを定めます。その手には、半夏そっくりの人形が握られていました。あなたの代わりに、私が素晴らしい人生を生きてあげる!そう叫ぶと、鳳伍娘の姿がみるみる半夏の姿へと変わっていきます。

しかし、半夏は怯みません。あなたを本当に閉じ込めていたのは世間じゃない、あなた自身の心よ!鳳天(フォンティエン)はあなたのために故郷まで捨てたのに、あなたは奪うことしか考えなかった!

半夏の首を絞め、とどめを刺そうとする鳳伍娘。その瞬間、半夏が懐から取り出したお札がまばゆい光を放ち、鳳伍娘を吹き飛ばします。半夏はその隙に宣夜の剣を手に取り、決死の脱出を図るのでした。

『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第14話の感想

今回のエピソードは、ただの妖怪退治ものではない、人間の(あるいは人ならざる者の)心の奥深くにある悲しみと愛情の物語でした。鳳伍娘は、父である鳳天に愛されたい一心で、歪んだ行動に走ってしまいました。彼女を単なる悪役として切り捨てるには、その生い立ちがあまりにも孤独で悲しすぎます。一方、娘を愛しながらも、その存在を恐れてしまった鳳天の苦悩も胸に迫るものがありました。善意から生まれたはずの行動が、取り返しのつかない悲劇を生んでしまうという皮肉。そんな絶望的な状況の中、すべてを見抜いていた宣夜の知略と、恐怖に屈せず真実を叫んだ半夏の勇気が、唯一の光でした。二人の絆が試される、非常に見ごたえのある回だったと感じます。

つづく