都に腕利きの捉妖師コンビが現れ、不穏な空気が漂い始める。一方、古巣の大理寺を訪れた幽篁(ユウコウ)は、過去に深い因縁を持つ女性・司馬令嬴(スーマー・リンイン)と思わぬ再会を果たす。そんな中、半夏(ハンゲ)は亡き母の生存を示唆する不思議な手がかりを発見し、一縷の望みを抱く。しかしその裏で、宣夜(センヤ)は固い決意を胸に、父から禁じられた危険な地下城へ向かおうとしていた。彼のその決断には、自らの命を削る、あまりにも重い秘密が隠されていたのだった。

「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ16話

第16話は、街に現れた二人の捉妖師、姜尚雲(ジャン・シャンユン)と薛橋(シュエ・チャオ)のシーンから始まります。いかにも腕が立ちそうなこの二人、子供がぶつかって荷物を落としそうになった小販を絶妙な連携プレーで助けるなんて、なかなかの実力者みたいですね。今後の物語にどう絡んでくるのか、注目です。

その頃、半夏(ハンゲ)と街を散策中。釣りをしている宣夜(センヤ)を見つけて声をかけます。許枝枝(キョ・シシ)が積極的に自己紹介する姿も微笑ましいですね。でも、宣夜(センヤ)の頭の中は別のことでいっぱい。彼は、父から固く禁じられている地下城へ行くことを決意していました。遲雪(チーシュエ)が父の遺言だと必死に止めるのも聞かず、その意志は固いようです。

一方、もう一人の主人公、幽篁(ユウコウ)は古巣である大理寺を訪れていました。そこで上司の宋知廉(ソン・ジーリェン)から昔を懐かしむ言葉をかけられますが、外に出たところで昔の同僚たちに捕まり、飲み会へ。そこで待っていたのは、なんとも気まずい再会でした。

彼の前に現れたのは、元許嫁(!)の司馬令嬴(スーマー・リンイン)。しかも、あでやかな女装姿です。彼女の登場で場の空気は一変。司馬令嬴(スーマー・リンイン)は、祝いの席だと酒を三杯飲むと言い、陛下、同僚と立て続けに杯をあけた後、三杯目を幽篁(ユウコウ)に捧げます。彼の出世を祝うと言いながらも、その言葉の端々には私との婚約を捨てて、地方へ行った男への棘がたっぷり。二人の間には、根深い確執があるようです。

宴の帰り道、二人きりになったところで司馬令嬴(スーマー・リンイン)は積年の恨みをぶつけます。兄を救ってくれた者と婚約するという約束があったのに、幽篁(ユウコウ)は権力に興味がないと彼女を拒絶。そのせいで自分は都中の笑い者になったと。家柄の違いを理由に、もう昔の話はよしてほしいと突き放す幽篁。二人の肩は、あまりにも違う重荷を背負っていたのですね。

そんなシリアスな会話の最中、二人の近くで争いが勃発!幽篁と司馬令嬴が同時に飛び出して二人を取り押さえると、なんと斬られたはずの男が、ひらひらと紙人形に変わってしまったのです。街は妖怪だ!と大パニックに。この怪事件、どうやら地下城と関係がありそうです。

その頃、半夏(ハンゲ)のもとにも不思議な出来事が。遲雪(チーシュエ)が折っていた紙鶴が、まるで意志を持っているかのように彼女の手に舞い込んできたのです。宣夜(センヤ)からの恋文かと胸をときめかせた半夏(ハンゲ)ですが、開いてみるとそこに書かれていたのは、亡くなったはずの母・唐如云の名前でした。

半夏はすぐに宣夜のもとへ駆けつけ、母が生きているかもしれないと涙ながらに訴えます。宣夜は、それは以前の事件で猫妖が盗んだものが紛れ込んでいたのだろうと推測しますが、半夏の心には希望の光が灯ります。

そして、物語は核心へ。遲雪(チーシュエ)は、宣夜を止めてほしいと半夏に懇願します。そして、衝撃の事実を告白するのです。宣夜が使う強力な術離火剣は、一度使うごとに彼の寿命を一年削ってしまうこと。彼の美しい白髪は、その代償だったのです。

真実を知り、胸が張り裂けそうになる半夏。彼女は宣夜の髪を染めてあげながら、どうか地下城へは行かないでと涙で訴えます。行かなければ、君が救いたい人をどうやって救うんだ?と返す宣夜。彼の優しさが、今はあまりにも辛い…。自分のせいで宣夜の命が削られていく事実に、半夏はただ泣くことしかできませんでした。宣夜はそんな彼女を慰めますが、ふと、半夏の顔についてしまった染料が落ちないことに気づくのでした。

『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第16話の感想

今回のエピソードは、各キャラクターが抱える過去や秘密が明かされ、物語に一層の深みを与えてくれました。特に、宣夜が命を削って術を使っているという事実は、彼のこれまでの行動すべてに重みを与えます。半夏を想うがゆえの自己犠牲と、それを知ってしまった半夏の苦悩が丁寧に描かれており、二人の関係性から目が離せません。一方で、幽篁と司馬令嬴の間に横たわる、過去の婚約と身分差という壁も非常にビターで大人の雰囲気。華やかさの裏にある彼女の孤独と、正義を貫こうとするがゆえに不器用な幽篁の姿が印象的でした。妖怪退治というファンタジー要素の中に、こうした人間関係の機微が織り込まれているのが、このドラマの大きな魅力だと再認識させられる回でした。

つづく