花婿選びの最中に謎の男・宣夜(センヤ)。彼が自分に恋していると誤解するが、行動を共にするうち、この世界の奇妙な秘密に気づき始める。追手から宣夜を庇ってしまったことから、二人の関係は予期せぬ方向へ。一日だけの約束で始まった逃避行の果てに、二人は衝撃の真実にたどり着く。ループする世界で、彼らは希望を見つけ出すことができるのか。

「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ20話

いきなり攫われ、見知らぬ部屋で目を覚ました半夏(ハンゲ)。目の前にいるのは、あの謎の男・宣夜(センヤ)。いったい何が目的なの!?とパニックになる半夏(ハンゲ)はどこか思い詰めた様子で、多くを語ろうとしません。

勘違いから始まる奇妙な逃避行

お腹をすかせた半夏に、ぶっきらぼうながらも食事を買い与え、一口ずつ食べさせる宣夜。そんな彼の世話を焼く様子を見て、仲間である項山(シャン・シャン)兄弟(コウザンきょうだい)はお館様はお前のことが好きなんだと半夏に耳打ちします。それを聞いた半夏は、なるほど、私への叶わぬ恋心から、花婿選びの儀をめちゃくちゃにしたのね!ととんでもない勘違いをしてしまうのでした。

一方、街では花嫁を奪われた幽篁(ユウコウ)が笑いものになっており、彼は躍起になって手下に半夏の捜索を命じます。

その頃、監禁場所では、武術の心得がある半夏が油断した宣夜を豪快な一本背負いで投げ飛ばす一幕も!しかし、駆け付けた幽篁(ユウコウ)の追手ともみ合いになり、宣夜が殴られて血を流すのを見ると、半夏は思わず彼をかばい、その手を取って逃げ出してしまうのです。嫌いなはずなのに、どうして助けちゃったの…?彼女の心は激しく揺れ動きます。

この世界の秘密と、一日だけの約束

追いついた幽篁に駆け落ちか!と誤解され、泣き崩れる半夏。そんな彼女に、宣夜は一日だけ、僕と一緒にいてくれたら、すべてを元通りにして誤解も解いてみせると切ない約束をします。彼の真剣な眼差しに、半夏は心を動かされ、この奇妙な一日だけの逃避行を受け入れることに。

しかし、街に出た宣夜の行動は不可解なものでした。彼はわざと人にぶつかったり、喧嘩をふっかけたりしては、相手の流す血の色を確かめているのです。そして、血が赤いのを見ると、なぜか喜んでいる様子…。

宣夜はついに、この世界の衝撃的な秘密を半夏に明かします。ここは日付が進まない、あらかじめ定められた出来事が繰り返される絵の中の世界であること。そして、赤い血を流す人間こそが、この絵の世界に囚われた本物の人間である可能性が高いことを。

一日の終わり、美しい花火が夜空を彩る中、宣夜はどうせ明日になれば君はすべて忘れてしまうからと、ずっと胸に秘めていた半夏への本当の想いを告白するのでした。

記憶の継承と、新たな希望

翌朝。いつものようにすべてがリセットされるはずの世界で、信じられないことが起こります。なんと、半夏は昨日の出来事をすべて覚えていたのです!

初めて破られたループ。二人は、この絵の世界に同じように囚われているであろう半夏の両親を探し出すため、協力することを決意します。本物の人間を見つけ出す鍵は、血の色。二人の本当の戦いは、ここから始まるのでした。

『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第20話の感想

前半の勘違いから始まるドタバタラブコメと、後半で明かされる絵の中の世界というファンタジーミステリーへの急展開には、良い意味で裏切られました。不器用ながらも必死に半夏を守ろうとする宣夜の行動の理由が、徐々に明かされていく過程は非常に見応えがあります。特に、どうせ忘れられるからと本心を吐露する宣夜のシーンは、彼の切なさが伝わってきて胸が締め付けられました。しかし、その記憶が半夏に引き継がれたことで、物語は一気に希望の光が差す新たなステージへ。単なる恋愛ドラマではなく、壮大な謎解きと運命への抵抗を描く物語の奥深さを感じさせる、素晴らしい一話だったと思います。

つづく