旅から戻った父との再会を喜んだのも束の間、半夏(ハンゲ)に届いたのは父の突然の訃報だった。しかし、父の死には不可解な点が多く、半夏は周囲に信じてもらえないながらも、独自の調査を開始する。現場に残された奇妙な鏡を手がかりに、父の死の真相に迫ろうとする。一方、妖怪退治人の宣夜(センヤ)の影を追っていた。それぞれの道を歩む二人の運命が、やがて広平の街で交錯していく。
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ3話
今回は、半夏(ハンゲ)に次々と降りかかる試練と、深まる謎にハラハラしっぱなしの回でしたね。前回、曲蛮娘(キョク・バンジョウ)の騒動が一段落したかと思いきや、休む間もなく半夏(ハンゲ)を悲劇が襲います。
父との奇妙な再会、そして突然の訃報
蛍の光に送られて家に戻った半夏(ハンゲ)。そこには、旅に出ているはずの父・段英恒(ダン・エイコウ)の姿がありました。しかし、父の様子はどこかおかしい。部屋からは奇妙な物音が聞こえ、半夏が声をかけても転んだだけだと中に入れてくれません。夜道は危ないから気をつけろとだけ言い残す父の姿に、半夏は言いようのない不安を覚えます。
その夜、半夏は昔から繰り返し見る悪夢にうなされます。何者かに手を引かれ、蝙蝠(こうもり)の妖怪や黒豹の妖怪から必死に逃げる夢…。この夢は一体何を意味するのでしょうか。
悪夢から覚めた半夏が父の様子を見に行くと、そこに衝撃的な知らせが飛び込んできます。なんと、父が別の家で焼死体となって発見されたというのです。叔父の段言秋(ダン・ゲンシュウ)によれば、父はその家を数日前から借りており、昨夜の火事で書斎に閉じ込められ、煙に巻かれて亡くなったとのこと。
そんなはずはない!昨夜、私は父に会ったのに!
半夏は必死に訴えますが、段言秋は悲しみのあまり幻覚を見たのだろうと取り合ってくれません。父の死は事故ではない、何か裏があるはずだ――。半夏の孤独な戦いが始まります。
妖怪退治人と謎の妨害者
一方、妖怪退治人である宣夜(センヤ)は、曲蛮娘の仲間である音鰻(おんまん)という妖怪をおびき出すため、森で笛を吹いていました。音鰻は音曲を好む妖怪。しかし、遅雪(チセツ)の笛の音があまりに下手で、宣夜(センヤ)が吹かない方が早く来ると呆れたその時、当の音鰻が現れます。
ところが、いざ捕らえようという瞬間、役人の楚幽篁(ソ・ユウコウ)が悪事を働いていると勘違いして乱入!まんまと音鰻を取り逃がしてしまいます。楚幽篁は正義感が強いようですが、どうも空回り気味なキャラクターのようですね。
誰も信じてくれない真実と映らない鏡の謎
父の死に納得できない半夏は、侍女の汀州(テイシュウ)と共に父が亡くなった現場を調査します。すると、そこには人の姿を映さない奇妙な鏡が。さらに、昨夜父がいた自室を調べると、そこにも同じように姿を映さない鏡が残されていました。
これは妖怪の仕業に違いない!お父様は死んでなんかいない!
半夏は確信し、祖母たちに鏡の異常を訴えます。曲蛮娘が妖怪だったことも含めて必死に説明しますが、悲しみで気が触れたと思われ、誰にも信じてもらえません。おまけに、証拠として見せた鏡は、いつの間にか普通に姿を映すようになっていました。半夏の訴えは、完全に空想として片付けられてしまうのでした。
音鰻との対決、そして運命の再会
その頃、傷を癒すために妓楼で琴の音色を聴いていた音鰻。そこへ、またしても宣夜(センヤ)を追ってきた楚幽篁が現れます。彼女は音鰻の正体に気づかぬまま戦いを挑み、返り討ちに遭いかけますが、間一髪で駆けつけた宣夜が音鰻を捕らえ、事なきを得ます。しかし、気絶していた楚幽篁は、宣夜の活躍を見ることはありませんでした。
ところが、捕らえたはずの音鰻は、翌朝には術を使って逃走。宣夜と遅雪(チセツ)が街でその行方を探していると、道の向こうから半夏と汀州が歩いてくるのが見えました。
父の死の真相を追う半夏と、逃げた妖怪を追う宣夜。それぞれの目的を持つ二人が、ついに街中で顔を合わせることに。ここから物語がどう動いていくのか、目が離せませんね!
『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第3話の感想
今回は、半夏にとってあまりにも過酷な展開でした。信じていた父の突然の死、しかもその死に様は不可解な点ばかり。周囲の誰にも自分の言葉を信じてもらえない状況は、見ているこちらも胸が苦しくなりました。それでも真実を追い求めようとする半夏の芯の強さには、心から声援を送りたくなります。
物語の主軸であるミステリー要素がぐっと深まりましたね。姿を映さない鏡という小道具が、ファンタジーの世界観と事件の謎を見事に結びつけていて、非常に興味深いです。一方で、宣夜サイドでは新たな妖怪が登場し、アクションシーンも楽しめました。空回り気味の楚幽篁がいいスパイスになっていて、シリアスな展開の中に少しだけクスッとできる瞬間を与えてくれます。半夏と宣夜、それぞれの調査がどう交錯していくのか、今後の展開がますます気になります。
つづく