自らの内に秘められた妖力に苦悩する捉妖師・宣夜(センヤ)。そんな彼の前に、衝撃的な真実を知る実の兄・子空(ズークン)が現れ、宣夜の運命は大きく動き出します。一方、半夏(ハンゲ)は原因不明の病に倒れてしまいます。街では不穏な噂が広がり始め、宣夜は残酷な罠にはめられてしまうのでした。引き裂かれようとする二人の絆。半夏は、愛する人を守るため、そして隠された真実を明らかにするため、大きな決断を迫られます。

「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ31話

今回の『無憂渡』第31話、とんでもない回でしたね…。今まで積み上げてきたものが一気に崩れ落ちて、真実が残酷な形で突きつけられるなんて…。宣夜(センヤ)の愛の深さに、もう胸が張り裂けそうでした。それでは早速、衝撃の31話の展開を振り返っていきましょう!

引き裂かれた運命、豹妖の血の覚醒

物語は、宣夜(センヤ)が自身の内に眠る妖力を制御できず、苦しむシーンから始まります。そこに現れたのは、実の兄である子空(ズークン)。彼は、人間によって獣性を封印されてきた宣夜が、急激に解放された力を持て余しているのだと冷たく指摘します。そして人間界は狩り場だと、彼を妖の世界へ誘うのです。

しかし、宣夜はこれを断固として拒否。育ての親への想いと、人間として生きてきた自身のアイデンティティが、兄の言葉を受け入れることを許しませんでした。子空(ズークン)は人間がお前を受け入れないようにしてやるという不気味な言葉を残して去っていきます。

養父母の墓前で、なぜ自分が地下城への立ち入りを禁じられていたのか、なぜ皆が妖毒に倒れる中、自分だけが無事だったのか…その全ての答えが自分が豹妖だからという事実に繋がった宣夜。彼はこれまで信じてきた全てを失い、捉妖師である自分が妖だという皮肉な運命に打ちのめされます。過去との決別を決意し、父の剣を置いて、二度と戻らない覚悟でその場を去るのでした。

悲劇の連鎖と、暴かれる真実

その頃、父と家路についていた半夏(ハンゲ)は、妖毒の影響で意識を失ってしまいます。時を同じくして、街では子空が黒豹の姿で人々を脅かし、豹妖が出たという噂を意図的に広めていました。

宣夜と行動を共にしていた遅雪(チセツ)は、彼の力になりたい一心で伴生妖になると申し出ます。しかし宣夜は、獣性が彼女を傷つけることを恐れ、必死に遠ざけようとしました。そんな中、二人は豹妖を追う民衆の声を聞きつけ、山林へと向かいます。

そこで待ち受けていたのは、子空の残酷な罠でした。激しい戦いの末、兄弟は二人とも黒豹の姿に。しかし子空はすぐさま人の姿に戻ると、父から授かった弑心決で宣夜を豹の姿のまま封じ込めてしまいます。人とは決して交われない、それをお前に教えるためだと冷酷に言い放つ子空。

そこへ幽篁(ユウコウ)率いる捉妖師たちが到着し、豹の姿の宣夜は捕らえられてしまいます。宣夜をかばおうとした遅雪(チセツ)は、捉妖師の刃に倒れ、命を落としてしまいました。目の前で大切な存在を失い、絶望の涙を流しながらも、宣夜は抵抗することなく衙門へと連行されていきます。

揺るぎない愛、半夏の決断

道中で意識を取り戻した半夏は、宣夜の失踪と遅雪の死を知り、豹妖の正体が宣夜であると悟ります。彼女はすぐさま衙門へ。そこでは、檻に入れられた黒豹(宣夜)に、民衆が罵声を浴びせながら物を投げつけるという無残な光景が広がっていました。

半夏は迷わず檻の前に立ちはだかり、涙ながらに宣夜を守ります。私がもっと早く戻っていれば…と自分を責めながら、彼女は刀で檻の錠を斬りつけ、宣夜を解放しました。黒豹の背にまたがり、二人はその場から逃亡します。

林の中、宣夜は唸り声をあげて半夏を遠ざけようとしますが、彼女の決意は揺らぎません。彼女は豹の姿の彼に、幼い頃に自分を救ってくれた恩人蛮瑛の面影を見出し、ずっとあなたを探していたと告げるのです。半夏がそっと手を伸ばした瞬間、宣夜は走り去ってしまいます。

追手が迫る中、半夏は身を挺してその黒豹は宣夜です!と叫び、彼の逃げる時間を稼ぎます。その時、沈図南(シェン・トゥーナン)が突如現れ、術で宣夜を人の姿に戻すと、彼を連れて姿を消しました。一人残された半夏は、力尽きてその場に倒れ、牢に入れられてしまいます。

しかし、彼女の味方はいました。司馬令嬴(スーマー・リンイン)が悪でない妖は誅殺すべきではないと主張し、半夏を救出。一方、沈図南(シェン・トゥーナン)にかくまわれた宣夜は、自分の正体が露見したのは、怯月虫によって守りの腕輪不二環が壊されたためだと知らされます。育ての親への不信感を募らせる宣夜に、沈図南は父君がそうしたのは、お前を人間として生かすためだったと、隠された父の愛を告げるのでした。

『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第31話の感想

今回は、物語の根幹を揺るがす大きな転換点となりました。宣夜が自身の正体と向き合う苦悩、そして彼を取り巻く人々の思惑が激しく交錯し、息つく暇もありませんでした。特に印象的だったのは、絶望の淵に立たされた宣夜に対する、半夏と遅雪、二人のヒロインの対照的な愛の形です。自らの命を犠牲にして宣夜を守った遅雪の愛はあまりに切なく、胸が締め付けられました。一方で、どんな姿になろうとも宣夜を信じ、常識や偏見に立ち向かう半夏の愛は、この物語の揺るぎない光だと改めて感じさせられます。兄・子空の冷酷な計画の裏にある真意や、中立的な立場から二人を助ける沈図南と司馬令嬴(スーマー・リンイン)の存在が、今後の物語にどのような深みを与えていくのか、非常に気になるところです。

つづく