宴の席で、踊り子の田蕊(デン・ズイ)が謎の死を遂げる。10年前と変わらぬ若さを保っていた彼女の遺体は、見る間に老婆へと変貌し、事件は人ならざるものの仕業を窺わせた。宣夜(センヤ)は捜査に乗り出し、若返りの伝説を持つ碧玉梨の存在にたどり着く。一方、半夏(ハンゲ)は事件現場の近くで、人の姿を映さない奇妙な鏡を発見。その鏡の謎を追ううちに、彼女は思わぬ危険に巻き込まれてしまう。深まる謎とともに、宣夜(センヤ)の絆も試されることになる。
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ5話
今回はミステリー要素がぐっと深まって、宣夜(センヤ)の関係にも大きな動きがありましたね。
宴の悲劇と老婆に変わる遺体
物語は、半夏(ハンゲ)の世話を焼く、ちょっと微笑ましいシーンから始まります。命を救ってもらった恩返しとばかりに、あれこれと世話を焼く半夏(ハンゲ)。でも、そんな和やかな雰囲気は一瞬で吹き飛びます。宴の席で華麗に舞っていた踊り子の田蕊(デン・ズイ)が、突然倒れて息絶えてしまったんです。
すぐに楚幽篁(ソ・ユウコウ)たちが駆けつけ捜査が始まりますが、有力な手がかりはなし。ところが、この事件、ただの突然死ではありませんでした。県尉の石(セキ)殿が10年前に会った時と全く容姿が変わっていないと証言した矢先、なんと田蕊の遺体がみるみるうちに老婆の姿に変わってしまったのです!これはもう、人間の仕業とは思えませんよね。
映らない鏡と若返りの果実碧玉梨
事件の奇妙さから、妖怪絡みの事件に詳しい宣夜(センヤ)も捜査に協力することに。一方、役所の前で待っていた半夏は、役人が落とした箱からこぼれ落ちた荷物を拾うのを手伝ううち、とんでもないものを見つけます。それは、なぜか人の姿を映さない奇妙な銅鏡。詳しく見ようとしたところで役人に取り上げられてしまいますが、半夏の記憶には強く残りました。
宣夜は田蕊の部屋から碧玉梨の皮を発見します。この梨には、真夜中に鏡の前で皮を途切れさせずに剥くと、若返りの効果を持つ梨が現れるという言い伝えがありました。どうやら田蕊の若さの秘密は、この碧玉梨にあったようです。
半夏、絶体絶命!忍び込んだ先は…
あの鏡が気になって仕方ない半夏は、夜、役所に忍び込みます。そこで出会ったのは、同じく忍び込んでいた遅雪(チセツ)。彼は半夏をただの侵入者だと思い、ちょっとしたイタズラのつもりで遺体安置室に閉じ込めてしまうんです。これが、とんでもない事態を引き起こすことに…。
なんと、そこへ楚幽篁が検死のためにやってきます。白布がかけられていたため、横たわっているのが半夏だとは誰も気づきません。メスが振り下ろされようとした、まさにその瞬間!物音に気づいた楚幽篁たちが外へ出た隙に、宣夜が半夏を救出!間一髪でした。恐怖で震える半夏は、思わず助けてくれた宣夜の頬を打ってしまいます。
明かされる事件の真相と次なる一手
宣夜は遅雪の軽率な行動を平手打ちで叱責。一方、半夏は落ち着きを取り戻すと、例の鏡を宣夜に渡し、自分の父親の失踪事件との関連も調べてほしいと頼みます。
その頃、事件の犯人である遅忘川(チ・ボウセン)のもとを訪れ、新たな碧玉梨を渡していました。彼らの会話から、恐ろしい事実が判明します。被害者に子梨を食べさせて7日間若さを保たせ、その後に殺して体内の母梨を取り出す。この母梨を食べることで、1年間若さを保つことができる…そのために、彼らは1年に一度、殺人を繰り返していたのです。
宣夜は、犯人が鏡を通り道として使っていること、そして若さを保つための残酷な手口を突き止めます。犯人をおびき出すには、こちらも同じ手口を再現するしかない。つまり、誰かがおとりになる必要があるのです。そこで温剣(オン・ケン)の視線が向けられたのは…そう、半夏でした。
『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第5話の感想
今回のエピソードは、物語の核心に迫る重要なピースが次々と提示され、非常に見ごたえがありました。若さを保つために殺人を繰り返すという妖怪譚は恐ろしくも哀しく、単なる勧善懲悪ではない物語の深みを感じさせます。特に、犯人である遅忘川と季離の関係性も垣間見え、彼らなりの事情や絆があることを示唆しているのが興味深いですね。
一方で、宣夜と半夏のロマンスも大きく進展しました。半夏が絶体絶命のピンチに陥り、宣夜が颯爽と助け出すという展開は王道ですが、その後の二人のぎこちないやり取りがとても人間味にあふれていて引き込まれました。恐怖から宣夜を叩いてしまった半夏の涙と、それを受け止める宣夜の姿は、二人の距離が確実に縮まっていることを感じさせます。ミステリーとおとりの危険、そして二人の恋模様がどう絡み合っていくのか、今後の展開から目が離せません。
つづく