鏡の妖霊・遅忘川(チ・ボウセン)の魔の手が、ついに半夏(ハンゲ)に直接襲いかかる!九死に一生を得たものの、鏡や水に映る自分の姿にさえ怯えるようになってしまった半夏。妖怪ハンターの宣夜(センヤ)は、彼女を献身的に守ろうと対策を講じるが、妖霊はあらゆる手段で半夏を追い詰めていく。追い詰められた半夏は、自身の不思議な力の秘密に繋がる、封印していた過去の出来事を宣夜に語り始める。一方、宣夜には役人からの新たな疑いの目が向けられていた。
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ6話
鏡の妖霊、ついに半夏(ハンゲ)に牙を剥く!
物語は、あの不気味な梨むきの儀式から始まります。半夏(ハンゲ)が一人、鏡の前でろうそくを灯し、祈りの言葉を唱えながら梨の皮をむき始めます。ところが、集中していたにもかかわらず、無情にも皮は途中でプツリ…。その瞬間、部屋が真っ暗になり、鏡の中からもう一人の半夏(ハンゲ)がぬっと手を伸ばしてくるじゃありませんか!
絶体絶命のピンチに颯爽と現れたのは、我らが宣夜(センヤ)と激しい戦いを繰り広げますが、妖霊は近くの池の水に紛れて逃げ去ってしまいました。
この一件以来、半夏はすっかり鏡や梨という言葉にさえ怯えるようになってしまいます。身の回りの鏡をすべて売り払おうとしますが、なんと鏡を買いに来た男が梨を手にこれを食べろと迫ってくる始末。パニックに陥った半夏は、助けを求めようと宣夜(センヤ)の部屋の扉を叩きますが応答がありません。
逃げる半夏は、親切に助けてくれた母娘にまで梨を勧められ、恐怖のあまり再び逃走。追い詰められた路地裏では、無数の梨が転がり、ついに遅忘川(チ・ボウセン)がその姿を現し、半夏に襲い掛かります。しかし、半夏が持っていたお守りの力で、かろうじて難を逃れるのでした。
魂が抜けたように街をさまよう半夏を見つけた宣夜(センヤ)は、彼女を部屋へ連れ帰ります。しかし、半夏の恐怖は収まりません。世話係の汀州(テイシュウ)が差し出す薬碗にさえ怯え、絶叫してしまいます。
ことの次第を聞いた宣夜は、鏡だけでなく、姿が映るものすべてが妖霊の通り道になると判断。部屋から水鏡や金属器などをすべて撤去し、窓も封鎖。薬は瓢箪(ひょうたん)で飲むようにと、徹底的な対策を講じるのでした。
季離の恋と、妖霊の誓い
一方、梨園の看板女優・季離(キリ)の物語も進みます。彼女には周景元(シュウ・ケイゲン)という恋人がいました。身分違いを気にしていた季離ですが、景元の母親も元は歌女だったため、二人の仲を認めてくれたのです。景元は、家督は継げなくても必ず季離を正式に娶ると誓います。
しかし、彼女の部屋には、宣夜との戦いで傷ついた镜妖・遅忘川(チ・ボウセン)がいました。遅忘川は、必ず復讐を果たし、すべてを片付けたら季離と共にこの地を去ると誓うのでした。二人の間には、一体どんな過去があるのでしょうか…。
半夏の過去と、宣夜の沈黙
その夜、眠れずにいた半夏は、扉の外で見守る宣夜と静かに言葉を交わします。そして、これまで誰にも信じてもらえなかった、自分が妖を見えるようになったきっかけを語り始めました。
幼い頃、何者かに誘拐され、暗い場所に閉じ込められたこと。そこから逃げ出し、池に落ちた先は、すべてが逆さまで霧深い、誰もいない奇妙な場所だったこと。そこで獰猛な獣に襲われたところを、一人の少年に救われたこと。しかし、追ってきた男に銃で撃たれ、少年と共に崖から落ちてしまったこと…。
三日後に目覚めた半夏は両親にこの話をしますが、夢だと言われ、信じてもらえません。その不思議な場所も、助けてくれた少年も見つかることはありませんでした。そして、この出来事を境に、半夏は妖が見えるようになったのです。
あれは本当に夢だったのでしょうか?と問いかける半夏に、宣夜は長い沈黙の後、君のその目は生まれつきのものではない。何らかの出来事が君を変えたのだろうとだけ答えます。彼の沈黙が、何かを知っていることを雄弁に物語っているようでした。
迫る危機、そして…
そんな中、役人の楚幽篁(ソ・ユウコウ)が、先の事件で死んだ田蕊(デン・ズイ)の遺体を渡せと宣夜に迫ります。宣夜は半夏の部屋に結界を張り、ひとまず役所へ向かいますが、疑いを晴らすことはできません。
そして、その夜。宣夜が不在の部屋で、半夏は激しい雷雨の音で目を覚まします。昼間、瓢箪に入れてもらった水はなぜか空っぽになり、床にこぼれていました。宣夜の外に出てはいけないという言葉を思い出し、必死に部屋に留まる半夏。
しかし、嵐は容赦なく吹き荒れ、扉の隙間から雨水がじわじわと侵入してきます。半夏が必死に水を拭き取ろうとした、その時。遅忘川は、その雨水を伝って、ついに結界の中の部屋へと侵入してしまったのでした…。
『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第6話の感想
今回は、半夏の心の奥深くに触れた回でしたね。彼女が抱える恐怖の根源が、ただ妖霊が見えるというだけでなく、幼い頃の壮絶な体験にあることが明かされ、物語に一層の深みが出ました。幻覚に苛まれ、精神的に追い詰められていく半夏の姿は見ていて本当に痛々しかったです。そんな彼女を、宣夜が静かに、しかし徹底的に守ろうとする姿には、彼の優しさと強い意志が感じられました。彼が半夏の過去の話に沈黙した場面は、彼自身がその過去の鍵を握る重要人物であることを強く示唆しており、二人の関係性の変化から目が離せません。ホラー演出の巧みさも際立っており、鏡や水たまりといった日常にあるものが恐怖の対象に変わる様は、見事としか言いようがありませんでした。
つづく