鏡の妖怪・遅忘川(チ・ボウセン)に囚われた季離(キリ)を救うため、宣夜(センヤ)は鏡の世界で決戦に挑む。戦いの中で、季離が永遠の若さと引き換えに交わした悲しい契約の全貌が明らかに。さらに、遅忘川の口から、行方不明だった半夏(ハンゲ)の父に関する衝撃的な手がかりが語られる。一方、事件解決後、半夏は宣夜の一家を襲った6年前の惨劇の真相を知ることに。これまで謎に包まれていた宣夜の壮絶な過去と、彼が背負う深い悲しみが描かれる。

「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」あらすじネタバレ8話

第8話は、鏡の妖怪・遅忘川(チ・ボウセン)と季離(キリ)の歪んだ愛の物語に決着がつき、さらに宣夜(センヤ)のつらすぎる過去が明かされるという、情報量が多くて感情がぐちゃぐちゃになる回でしたね…。

鏡の世界での決戦!季離(キリ)と遅忘川(チ・ボウセン)の悲しい真実

前回、鏡の中に引きずり込まれた季離。彼女を追って半夏(ハンゲ)も鏡の世界へ!楚幽篁(ソ・ユウコウ)が駆けつけたときには、そこには不気味な鏡が一つあるだけ…。

鏡の中で季離は、自分の過去と向き合っていました。かつて容色の衰えを客になじられ、額を割られるほどの屈辱を味わった夜。泣き崩れる彼女の前に鏡の中から現れたのが、遅忘川だったのね。永遠の若さをやろう。だが、永遠に私のそばにいろという契約を、彼女は受け入れてしまったのです。それからというもの、季離は多くの男たちと時を過ごしながらも、心は遅忘川に縛られていました。抗おうとすれば、鏡には老婆の姿が映し出される…そんな恐怖に、彼女は抗うことをやめてしまったのね。

目の前に現れた遅忘川に、季離は心を痛めます。今まで彼女が食べていた梨が、実は遅忘川が殺した男たちの命そのものだったと知ってしまったから。それでも遅忘川は永遠にそばにいてくれと懇願するばかり。

そこへ半夏(ハンゲ)が登場!でも、鏡に触れてしまったせいで妖力を一部封印されちゃって、自慢の憾山剣が抜けない!遅忘川にボコボコにされながらも手加減してやってるだけだなんて強がる宣夜、ちょっと可愛いじゃないの(笑)。

半夏の機転で鏡が叩き割られると、中に封じられていた宣夜の分身たちが一つに!力を取り戻した宣夜は、ついに憾山剣を抜き放ちます。形勢逆転、遅忘川はひとまず姿を消したけど、宣夜の追跡からは逃れられません。

明かされる半夏の父の行方と、宣夜の過去

重傷を負った遅忘川は、半夏の問いに答え始めます。半夏の父・段英恒(ダン・エイコウ)をさらったのは自分だと。ある妖怪の依頼で段英恒(ダン・エイコウ)を殺そうとしたけれど、別の妖怪が彼の姿に化け、身代わりとなって焼かれたという衝撃の事実が!本物の段英恒は一度家に戻ったものの、追ってきた遅忘川に見つかってしまいます。娘を巻き込みたくない一心で、父は半夏に最後の別れを告げた後、自ら遅忘川について行ったのでした…。なんてことなの…。

遅忘川が季離を連れて逃げようとしたその時、半夏が季離の手を掴み、その隙に宣夜の一太刀が遅忘川を貫きます。すると崩壊する鏡の中から、囚われていた各時代の季離たちが現れ、一斉に遅忘川に刃を突き立てました。歪んだ愛の主が絶命すると同時に、季離もまた悲しみの中で鏡の世界と運命を共にすることを選んだのでした。

事件の後、半夏は楚幽篁(ソ・ユウコウ)から6年前に起きた宣夜の一家惨殺事件の真相を聞き出します。当時、現場で血まみれの刀を手にしていた宣夜は、自ら犯人だと認め、死のうとしていたというの。その後、妖怪の仕業だったとされ無罪放免になったものの、楚幽篁はずっと彼を疑っていたんですね。

一方、一人庭に座る宣夜は、あの惨劇の夜を思い出していました。一家は獐妖の毒に侵され、互いに殺し合っていたのです。父もまた毒に侵されていると知ると、正気を失う前に自ら命を絶ちました。息を引き取る直前、父は宣夜にこう告げたのです。お前が誰であるかはお前自身が決めるのだと。自責の念に駆られる宣夜の姿が、あまりにも痛々しくて…。

6日間も眠り続けていた宣夜を心配して、薬をもらいに来たふりをして訪ねてくる半夏。彼女の優しさが、今の宣夜にとって唯一の救いかもしれないわね。

『無憂渡~瞳に映った真実の愛~』第8話の感想

今回のエピソードは、二つの悲しい愛の形が描かれていて、胸が締め付けられました。一つは、若さと美貌に執着するあまり、妖怪と契約してしまった季離と、彼女を歪んだ形で愛し続けた遅忘川の物語。彼らの結末は自業自得の面もあるけれど、その根底にある孤独を思うと、一概に断罪できない複雑な気持ちになります。そしてもう一つは、宣夜の家族愛。獐妖の毒によって引き裂かれた悲劇と、息子を守るために自ら命を絶った父の愛は、あまりにも壮絶でした。お前が誰であるかはお前自身が決めるという父の最後の言葉が、重く心に響きます。これまで飄々として見えた宣夜が背負ってきたものの大きさが分かり、彼のキャラクターに一層深みが増した回でした。

つづく