日晷の世界で、一行は強大な力を持つ乗黄(じょうこう)と対峙します。彼の目的は、神器の力で愛する初代神女が生きていた過去へ戻ることでした。しかし、その計画の裏には、離崙(りろん)の欺瞞が隠されていました。真実を知り暴走する乗黄との激しい戦いの最中、文瀟(ぶんしょう)と趙遠舟(ちょうえんしゅう) に秘められた重大な宿命が明らかに。白澤令を巡る謎が解き明かされ、物語は新たな局面を迎えます。戦いの後、一行は次なる目的地、昆侖山を目指すことを決意するのでした。

「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ10話

いやあ、第10話は物語が大きく動きましたね!これまで謎に包まれていた乗黄(じょうこう)の悲しい過去、そして趙遠舟(ちょうえんしゅう) に隠された衝撃の事実が明らかになり、片時も目が離せない展開でした。それでは早速、怒涛の第10話の世界に飛び込んでいきましょう!

愛ゆえの暴走、乗黄の悲しき過去

物語は、乗黄が初代神女と共に過ごした幸せな日々の回想から始まります。二人は互いを深く敬い、愛し合っていました。神と妖の世界で誰もが羨む模範的な夫婦だったのです。しかし、災獣がもたらした疫病が神女の体を蝕み、その幸せな日々は終わりを告げます。愛する神女を救いたい一心で、乗黄は解毒薬を求め、白澤令の力を乱用して大殺戮を始めてしまうのでした。

愛する人のためなら、私は何でもする。そう言って聞かない乗黄を、神女は罪なき者を殺めるあなたに白澤令を司る資格はないと涙ながらに責め、彼を封印しようとします。しかし、病で弱った彼女の力では叶わず、乗黄は逃亡。その後も神女の命を繋ぐためだと信じ、殺戮を続けますが、その願いは虚しく、最愛の人を救うことはできませんでした。

日晷の真実と、二つの白澤令の覚醒

現代に戻り、日晷(にっき)の世界。乗黄の自己中心的な行いを卓翼宸(たくよくしん)が激しく非難します。そんな中、乗黄は多くの者の願いを叶えることで乾坤逆転を起こし、日晷の力で過去に戻ろうとしていたことが判明します。彼が戻りたかったのは、初代神女がまだ生きていて、自分の手もまだ血に汚れていなかった、あの幸せな日々でした。

しかし、趙遠舟(ちょうえんしゅう) がその儚い希望を打ち砕きます。乗黄は離崙(りろん)に騙されていたのです。日晷は時間を巻き戻す神器などではなく、記憶を保存するだけのもの。その衝撃の事実を知らされた乗黄は怒り狂い、強大な力で暴走を始めます。

趙遠舟(ちょうえんしゅう) と卓翼宸(たくよくしん)が必死に抵抗するも、絶体絶命のピンチ!その瞬間、奇跡が起こります。文瀟(ぶんしょう)の額と趙遠舟の耳の後ろに、白澤令の印が浮かび上がったのです。そう、趙遠舟こそが、白澤令のもう半分を司る大妖だったのでした!

ついに宿命に導かれた二人が力を合わせると、白澤令は真の力を発揮。圧倒的な力で乗黄を打ち破り、文瀟(ぶんしょう)が神女の笛で彼を永遠に封印するのでした。

新たな謎と、昆侖山への旅立ち

封印された乗黄の手は干からび、彼もまた人偶(ひとがた)であったことが示唆されます。そして、一行を日晷の外へと導く鍵は、白沢神女(はくたくしんにょ)の血を引く文瀟の力白澤金瞳にあることが明かされます。

文瀟が力を解放し、無事に現実世界へ帰還した一同。趙遠舟は、二つの白澤令が平和に共存する方法を探るため、昆侖山の大妖たちに教えを請いに行くと宣言します。文瀟の体調が回復に向かっていたのも、趙遠舟が陰ながら彼女を守っていたからだと分かり、二人の絆はより一層深まります。しかし、そこへ卓翼宸(たくよくしん)が文瀟が心配だと同行を申し出たことで、新たな旅は波乱の幕開けを予感させるのでした。

『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第10話の感想

今回のエピソードは、乗黄というキャラクターの奥深さに胸を打たれました。彼が行ったことは決して許されるものではありませんが、その根底にあったのは初代神女への純粋でひたむきな愛でした。愛が狂気に変わり、暴走してしまう悲劇は、見ていて非常に切なかったです。また、物語の核心である白澤令の謎が一気に解き明かされた展開には、思わず息をのみました。趙遠舟と文瀟が、ただの仲間ではなく宿命で結ばれた存在だったと判明したシーンは、この物語の大きな転換点と言えるでしょう。二人の関係が今後どう進展していくのか、そして嫉妬にも似た感情を覗かせる卓翼宸がどう絡んでくるのか、キャラクターたちの感情が複雑に交錯する人間ドラマ(妖ドラマ?)の深みが増した回でした。

つづく