疫病を無事に収束させ、思南水鎮の人々から感謝された白玖(はくきゅう)と捕妖隊の一行。これまでの苦労をねぎらうため、和やかな宴会を開きます。趙遠舟(ちょうえんしゅう) と卓翼宸(たくよくしん)が共に剣舞を披露するなど、束の間の平和を楽しむメンバーたち。しかし、文瀟(ぶんしょう)があるゲームを提案したことから雰囲気は一変します。それは、この仲間の中にいる裏切り者を探し出すというもの。信頼で結ばれていたはずの彼らの間に疑念の影が差し、緊張が走ります。傷つき、すれ違う心。それでも旅を続ける一行は、ついに目的地である昆崙山に到着し、そこで世界の運命に関わる重大な真実を告げられるのでした。

「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ14話

やりましたね!白玖(はくきゅう)の作った解毒薬が見事に効いて、思南水鎮の疫病はすっかり終息。村人たちは白玖(はくきゅう)に感謝しきりで、まるで神様みたいに崇められています。一件落着、かと思いきや、青耕(せいこう)は亡き蜚が憧れた賑やかな人間界を見て、彼の想いを胸に霊犀山荘を永遠に守ることを決意するのでした。

その夜、捕妖隊のメンバーはこれまでの労をねぎらい、宴会を開きます。趙遠舟(ちょうえんしゅう) と文瀟(ぶんしょう)は二人で花火を眺め、趙遠舟(ちょうえんしゅう) が人間界も妖界も、すべては同じ世界の万象だと語るシーンは、彼の懐の深さが感じられてグッときますよね。

宴もたけなわ、皆でお酒を酌み交わし月を愛でていると、英磊(えいらい)の提案で卓翼宸(たくよくしん)が剣舞を披露することに!いつもは真面目一徹な彼ですが、この日は気分が良かったのか快諾。しかも、なんと趙遠舟を誘って二人で舞うという超レアな展開に!水と火のエフェクトの中、二人が剣を振るう姿は圧巻の一言。白玖と英磊(えいらい)が手拍子でリズムを取り、文瀟(ぶんしょう)は裴思婧(はいしせい)にお酒をすすめて大盛り上がり。束の間の平和で、本当に楽しそうな雰囲気が伝わってきました。

しかし、そんな和やかな時間は長くは続きません…。

宴の席に戻った文瀟が、突然嘘発見器になるという不思議な霊草を取り出し、ゲームをしようと提案します。その目的は、この捕妖隊の中にいる崇武営の内通者を炙り出すことでした。

最初に疑いの目を向けられたのは、元崇武営所属の裴思婧(はいしせい)。昆崙山へ向かうルートが不自然に変更されたことなどを突きつけられ、彼女が否定すると霊草は枯れてしまいます。一瞬、緊張が走りますが、これは卓翼宸(たくよくしん)が事前に仕込んだトリックだったことが判明。裴思婧は機転を利かせて疑いを晴らします。

次に文瀟、趙遠舟、英磊と疑いの目が移りますが、それぞれ動機がないことや、そもそも崇武営を知らないこと(英磊に至っては献立を覚える方が得意だろうと趙遠舟がフォロー!)で容疑は晴れていきます。

そして、最後に残ったのは白玖。崇武営の兵士は腕に入れ墨があるという情報から、皆が彼の腕を確認しようとします。仲間から疑われたことに深く傷つく白玖。彼は病弱な母のために医術を学んだだけだと訴えますが、卓翼宸までもが真相を知りたいと彼に腕を見せるよう促します。観念して白玖が腕をまくると、そこには入れ墨はなく、彼の潔白が証明されました。

結局、内通者探しは白玖の心を深く傷つけただけで、何の成果もなく終わってしまいます。皆が代わる代わる彼の部屋を訪れ慰めますが、白玖は心を閉ざしてしまいました。

その頃、捕妖司では范瑛(はんえい)が司徒(しと)大人を問いただしていました。なぜ白玖を疑うような手紙を送ったのかと。司徒(しと)大人は、白玖を知難而退させたかった、つまり危険な任務から遠ざけたかったのだと明かします。

翌日、卓翼宸がなんとか白玖をなだめ、一行は再び旅路へ。そしてついに、目的地である昆崙山の神廟の前にたどり着くのでした。

そこで彼らを待っていたのは、山神(さんしん)の英招(えいしょう)と燭陰(しょくいん)。英招(えいしょう)は、神女である白玖が戻ったことで、二十八星宿を開き、荒れ果てた大荒を再興できると語ります。

ここで趙遠舟が、なぜ今まで白澤令の存在を感じられなかったのかという疑問を口にすると、英招から驚きの事実が明かされます。古来より、白澤令を司る人間と妖が互いに想い合った時にのみ、その力が発動するのだと…。

『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第14話の感想

今回のエピソードは、前半の和気あいあいとした宴会の雰囲気から一転、後半は息詰まるような疑心暗鬼の展開となり、その落差に引き込まれました。特に、仲間を信じたい気持ちと、裏切り者がいるかもしれないという恐怖が交錯する嘘発見器のシーンは秀逸です。潔白を証明するために、あえて裴思婧を追い詰める芝居を打った卓翼宸の冷徹さと、それに気づき切り返した裴思婧の聡明さが見事でした。一方で、純粋な心を持つがゆえに深く傷ついた白玖の姿には胸が痛みます。彼を疑わざるを得なかった仲間たちの苦悩も伝わってきて、非常に重い空気が流れました。そして最後に明かされた白澤令の発動条件。これはもう、趙遠舟と白玖の関係が物語の鍵を握るという宣言に他なりません。二人の間に芽生えつつある感情が、世界を救う力になるという壮大な宿命が示され、物語が一気に核心へと近づいた重要な回でした。

つづく