白沢令修復の鍵となる瑶水を求め、緝妖隊は妖の生まれる地・大荒へと向かいます。目的地の槐江谷は、趙遠舟(ちょうえんしゅう) のかつての親友・離崙(りろん)が封印された危険な場所でした。案の定、一行は到着するやいなや離崙の幻術にかかり、仲間と離れ離れになってしまいます。次々と仕掛けられる罠と、過去の因縁が、今、趙遠舟に非情な選択を迫ります。果たして一行は無事に瑶水を手に入れ、この谷を抜け出すことができるのでしょうか。
「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ18話
ついに大荒(たいこう)へ足を踏み入れた緝妖隊(しゅうようたい)一行。目的はもちろん、白沢令を修復するための瑶水(ようすい)です。卓翼宸(たくよくしん)から得た情報によると、瑶水は槐江谷(かいこうこく)にあるとのこと。しかし、そこは趙遠舟(ちょうえんしゅう) のかつての親友、離崙(りろん)が封印された場所。一筋縄ではいかないだろうな…という予感は的中します。
山神(さんしん)の力を借りて槐江谷に到着したものの、目の前に広がるのは、なんと見慣れた緝妖司の光景!しかも、文瀟(ぶんしょう)の姿が見当たりません。そう、ここは離崙(りろん)が作り出した幻境だったのです。
瑶水が欲しくば、我を見つけ出すがよい。文瀟(ぶんしょう)は我と共にいる
響き渡る離崙(りろん)の声。完全に彼の掌の上で転がされていますね…。
嘘つきは誰だ?白玖(はくきゅう)の正体に迫るゲーム
一行が幻の緝妖司の門をくぐると、そこに現れたのは小槐精(しょうかいせい)と名乗る小さな精霊。瑶水への道を開く条件として、奇妙なゲームをけしかけてきます。それは嘘つき探し。
お前は人か?妖か?
この問いに、卓翼宸(たくよくしん)と裴思婧(はいしせい)は人、趙遠舟(ちょうえんしゅう) は堂々と妖と答えます。そして、白玖(はくきゅう)の番。僕は…人だと答えた瞬間、槐の枝が彼に襲いかかり、身動きを封じてしまいました!
小槐精はこいつは嘘をついた!と叫び、一同に緊張が走ります。卓翼宸(たくよくしん)や趙遠舟(ちょうえんしゅう) まで疑いの目を向ける中、白玖(はくきゅう)は以前、思南水鎮でも同じように疑われたことを訴えます。そして、自らの手を傷つけ、その血を卓翼宸の雲光剣に。剣が光らなければ、妖ではない証拠。果たして剣は光らず、白玖は人間であることが証明されました。卓翼宸が枝を断ち切り、趙遠舟が小槐精を術で捕らえ、一行はなんとか先へ進みます。
離崙の執念と趙遠舟の過去
その頃、離崙は捕らえた文瀟(ぶんしょう)と対峙していました。意外にも危害を加えるつもりはない様子の離崙。文瀟が、彼がいつも手にしているでんでん太鼓について尋ねると、離崙は重い口を開きます。それは昔、趙遠舟からもらったものだと。人間界に来たばかりの頃、泣いている子供をあやすために買った思い出の品。しかし、その思い出は最も信頼していた者に裏切られたという苦い記憶とセットになっているようでした。
一方、趙遠舟たちも、大殿の前に置かれた自分の傘と、あのでんでん太鼓を発見します。趙遠舟が傘で太鼓に触れた途端、あたりは煙に包まれ、文瀟の姿をした妖が白玖を襲います!趙遠舟が偽物だと見抜き、白玖をかばった瞬間、天井から鉄の籠が落下!趙遠舟は中に閉じ込められてしまいました。
しかも、その籠には妖の力を無効化する諸建(しょけん)の血が塗られており、趙遠舟は妖力を完全に封じられてしまいます。そこへ、ついに離崙本人が登場。彼は白玖の首を締め上げ、趙遠舟に非情な選択を迫ります。
白玖か、卓翼宸か。どちらか一人だけ助けてやろう
この状況、このセリフ…。趙遠舟は、これが8年前、二人が人間界に来て間もない頃に起きた出来事の再現だと気づきます。離崙は、あの日のことをずっと、ずっと根に持っていたのです。
回想―。雨宿りのために入った屋敷で、二人は諸建の血が塗られた籠に囚われた多くの妖を発見します。妖への非道な扱いに憤った離崙は、衛兵を殺し、女妖を一人助け出して大荒へ返しました。この一件が、二人の間に決定的な溝を作ったのでしょうか…。過去の因縁が、今、最悪の形で趙遠舟に襲いかかります。
『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第18話の感想
今回は、物語の核心に迫る重要なエピソードでした。特に、趙遠舟と離崙の過去の因縁が明らかになり、離崙の抱える闇の深さと、それに対する趙遠舟の苦悩が胸に迫りました。親友だったはずの二人がなぜ袂を分かつことになったのか、その片鱗が見えたことで、離崙というキャラクターに一層の深みが生まれたように感じます。彼がただの悪役ではなく、彼なりの正義と悲しみを背負っていることが伝わってきて、切なくなりました。また、白玖の正体を巡るサスペンスや、離崙が仕掛ける幻術と罠の数々は、片時も目が離せない緊張感がありました。単純な善悪では割り切れない、それぞれの正義がぶつかり合う様は見応えがあります。窮地に立たされた趙遠舟が、これからどう立ち向かうのか、物語の行く末から目が離せません。
つづく