いやあ、今回の『大夢帰離』も息つく暇がなかったですね!趙遠舟(ちょうえんしゅう) を救うため、そして真実を暴くため、仲間たちがそれぞれの場所で奮闘する姿には胸が熱くなりました。それでは早速、第21話のあらすじとネタバレを見ていきましょう!

白玖(はくきゅう)の決別と趙遠舟(ちょうえんしゅう) の暴走

物語は、甄枚(しん ばい)が崇武営を率いて司徒(しと)鳴の屋敷を包囲する緊迫のシーンから始まります。文瀟(ぶんしょう)を捕らえるのが目的でしたが、そこにまさかの趙遠舟の姿が!温宗瑜(おんそうゆ)はここぞとばかりに、白玖(はくきゅう)に対し、趙遠舟の内丹を奪って自分に捧げるよう命じます。

しかし、これまで温宗瑜(おんそうゆ)に利用されてきたことに気づいた白玖は、もう彼の言いなりにはなりません!二度とあなたの思い通りにはならないと言い放ち、自らの腕を匕首で切りつけ、崇武営の印を消し去るのです。この白玖の覚悟、しびれましたね…。

温宗瑜はそんな白玖にも容赦なく、全員を射殺するよう命令。卓翼宸(たくよくしん)が剣で結界を張って矢を防ぎ、裴思婧(はいしせい)も応戦しますが、敵の兵士はなんと殺しても死なない妖化人。趙遠舟が術を解こうとしても効果はありません。

その隙に、温宗瑜は文瀟(ぶんしょう)めがけて矢を放ちます。とっさに趙遠舟がその矢を手で掴んで防ぎますが、矢には無数の小さな棘が仕込まれていました。これは、趙遠舟の五感を封じるための卑劣な罠だったのです!

触覚を封じられた趙遠舟は、体内の不燼木の力が暴走し、凄まじい戾気(邪気)に支配されてしまいます。理性を失った趙遠舟は温宗瑜に襲いかかり、それをかばった甄枚(しん ばい)に重傷を負わせて、その場から逃走してしまいました。

牢獄での推理と孤独な戦い

一方、丞相殺しの濡れ衣を着せられた文瀟と、趙遠舟を逃した罪に問われた裴思婧(はいしせい)は、地牢に投獄されてしまいます。牢の中で裴思婧は、戾気に支配された趙遠舟が世に災いをもたらすことを心配しますが、文瀟は英招(えいしょう)の神力と玉膏を飲んでいるから、まだ大丈夫なはず。自ら逃げたということは、まだ理性が残っている証拠よと気丈に答えます。そして、趙遠舟の逃げ先は、彼が結界を張った桃源居だろうと推測します。

その桃源居では、文瀟の推測通り、趙遠舟が一人、体内で荒れ狂う戾気と必死に戦っていました。戾気は天下を乱せと彼をそそのかしますが、趙遠舟は文瀟と過ごした幸せな日々を思い出し、愛する人が生きるこの世界を守るため、必死に邪念を抑え込もうとするのでした。このシーンは本当に切なかった…。

傲因(ごういん)を追え!追跡チームの奮闘

場面は変わり、英磊(えいらい)は硫黄の匂いを頼りに、変幻自在の妖魔・傲因(ごういん)の隠れ家を突き止めます。傲因は卓翼宸(たくよくしん)の姿に化けて英磊(えいらい)に近づきますが、すぐに見破られてしまいます。そこへ本物の卓翼宸と白玖も合流。今度は英磊の姿に化けた傲因ですが、これも卓翼宸に見破られ、姿を消してしまいました。

牢獄の文瀟は、一連の事件の黒幕は温宗瑜だと推測しますが、ただの人間に傲因のような妖魔を操れるはずがない、と疑問を抱きます。その時、裴思婧がかつて離崙(りろん)の幻術の中で、文瀟そっくりの女妖を見たことを思い出します。そして、離崙(りろん)が死んだ時に内丹を残さなかったことから、二人は離崙はまだ生きているのではないかという結論に達します。新たな謎が浮上しましたね!

卓翼宸、英磊、白玖の3人は、傲因を捕まえる作戦会議を開きます。英磊が傲因につけた特殊な香料の匂いを追跡し、白玖が用意した草烏で心性を惑わせ、動きを鈍らせるという計画です。

天香閣の決戦と新たな脅威

匂いを追ってたどり着いたのは、なんと遊郭の天香閣。舞女に化けていた傲因を突き止め、白玖が渙霊散を撒くと、傲因の動きが鈍ります。しかし、傲因は裴思婧や趙遠舟の姿に次々と化けて英磊を惑わせます。

卓翼宸が追い詰めると、今度は傲因が肌もあらわな文瀟の姿に化けて、彼を誘惑するという衝撃の展開に!果たして卓翼宸はこの誘惑に打ち勝てるのでしょうか!?

その頃、裴思婧のもとに温宗瑜が現れます。瀕死の甄枚に代わり、崇武営の将軍の座をちらつかせ、自分に協力するよう迫るのでした。断れば地牢で死ぬだけだと…。どこまでも卑劣な温宗瑜の策略から、目が離せません。

『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第21話の感想

今回は、各キャラクターの覚悟と苦悩が色濃く描かれた回でした。特に印象的だったのは、温宗瑜との決別を宣言した白玖の成長です。これまでの庇護されるだけの存在から、自らの意志で道を切り開こうとする姿は、物語に新たな深みを与えてくれました。一方で、愛する者を守るためにたった一人で戾気と戦う趙遠舟の苦しみには、胸が締め付けられる思いです。彼の脳裏に浮かぶ文瀟との穏やかな思い出が、その孤独を一層際立たせていました。また、傲因を追い詰める追跡チームのパートでは、シリアスな本筋の中にユーモアが織り交ぜられており、物語の良い緩急になっていたと感じます。新たな謎として浮上した離崙の生存説も、今後の展開に大きく関わってきそうで、物語全体の構成の巧みさを感じさせられました。

つづく