死んだはずの離崙(りろん)が生きているという疑惑が浮上し、文瀟(ぶんしょう)たち緝妖隊は桃花居へと急ぐ。そこでは、邪気に侵された趙遠舟(ちょうえんしゅう) が壮絶な戦いを繰り広げていた。仲間を救うため、文瀟(ぶんしょう)は失われた神器・白澤令の復活を試みるが、予期せぬ敵の襲撃に遭い、事態はさらに混迷を深めていく。そんな中、味方だと思っていた人物の衝撃的な裏切りが発覚。仲間たちは、愛する者をその手にかけなければならないという、あまりにも過酷な選択を迫られることになる。
「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ23話
離崙(りろん)、死なず!驚くべき憑依の真相
物語は、文瀟(ぶんしょう)の鋭い推察から始まります。離崙(りろん)は死んでおらず、卓翼宸(たくよくしん)に憑依しているのではないか、と。そうでなければ、あれほど執着していた傲因(ごういん)をみすみす逃がすはずがありません。かつて離崙(りろん)が不燼木に焼かれながら我は不死不滅と叫んでいた言葉が、今になって不気味に響きます。あの時すでに、離崙の魔の手は卓翼宸(たくよくしん)に伸びていたのです。
真実に気づいた文瀟(ぶんしょう)たちが急いで桃花居へ向かうと、そこでは案の定、離崙に体を乗っ取られた卓翼宸(たくよくしん)が、趙遠舟(ちょうえんしゅう) と激しい死闘を繰り広げていました。
白澤令、復活!しかし新たな悲劇が…
仲間たちは加勢しようとしますが、裴思婧(はいしせい)がそれを制止。まずは趙遠舟(ちょうえんしゅう) を救うための切り札、白澤令(はくたくれい)を回復させることが最優先だと判断します。文瀟(ぶんしょう)が瑶水神木(ようすいしんぼく)の力を解放すると、神木は光を放ちながら天に昇り、ついに白澤令の姿を取り戻しました!
しかし、安堵したのも束の間、突如現れた傲因が完成したばかりの白澤令を奪い去ってしまいます。
緝妖隊が応戦するも、傲因は裴思婧(はいしせい)や英磊(えいらい)の姿に化けるなど、幻術で一行を翻弄。激しい戦いの末、英磊の一撃が傲因を捉え、その正体を暴きます。その弾みで白澤令が地面に落ち、近くにいた白玖(はくきゅう)がそれを拾い上げます。
ところが…!次の瞬間、誰もが目を疑う光景が広がります。白玖(はくきゅう)が、おもむろに傲因の隣に立ったのです。そう、なんと白玖(はくきゅう)までもが離崙に憑依されていたのでした。離崙は、かつて緝妖司の幻境で、すでに白玖の体内に内丹を仕込んでいたと勝ち誇ります。用意周到な二段構えの憑依計画…恐るべき策略です。
300年の想いが奇跡を呼ぶ
絶体絶命の状況で、文瀟が静かに笛を奏で始めます。すると、白澤令が白玖の手から離れ、文瀟の元へ。これは、文瀟が日晷に囚われていた300年の間、毎日欠かさず奏でていた曲。白澤令は、その音色を覚えていたのです。
英磊は自らが離崙を食い止める覚悟を決め、文瀟に趙遠舟(ちょうえんしゅう) を救うよう託します。
それぞれの戦い、それぞれの決意
文瀟が駆けつけると、趙遠舟はかろうじて正気を保っていました。文瀟は白玖の危機を卓翼宸に伝え、彼を白玖の元へ向かわせます。そして、自らは白澤令を吹き、趙遠舟の心に残る最後の闇を祓うのでした。300年ぶりの再会。しかし、感傷に浸る暇はありません。
一方、卓翼宸は愛する白玖の体を乗っ取った離崙と対峙します。白玖を傷つけられず、苦悩する卓翼宸。彼はついに、自らの血で雲光剣を覚醒させるという禁じ手に手を染めますが、それでも離崙の力は強大で、返り討ちに遭い絶体絶命の窮地に陥ります。
そこへ、趙遠舟と文瀟が到着。趙遠舟は離崙に語りかけます。離崙自身もまた、黒幕である温宗瑜(おんそうゆ)に利用された駒に過ぎないと。温宗瑜が妖化人を研究している証拠が地牢にあると告げられた離崙の心に、初めて疑念の影が差したところで、23話は幕を閉じます。
『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第23話の感想
今回のエピソードは、物語の根幹を揺るがすような事実が次々と明らかになり、非常に見応えがありました。特に、離崙の憑依が卓翼宸だけでなく、まさか白玖にも及んでいたという二段構えの展開には、脚本の巧みさを感じずにはいられません。愛する者の姿をした敵と戦わなければならない卓翼宸の葛藤は、胸が締め付けられる思いでした。一方で、文瀟が300年の孤独の中で育んだ白澤令との絆が、絶望的な状況を打破する鍵となる伏線回収は見事の一言。キャラクターたちの行動原理がそれぞれの過去や想いに深く根差しており、物語に一層の深みを与えています。黒幕・温宗瑜の真の目的も少しずつ輪郭を現し始め、物語が最終局面に向けて大きく動き出したことを実感させる回でした。
つづく