離崙(りろん)との戦いで瀕死の重傷を負った卓翼宸(たくよくしん)。彼の命は、破壊された神器雲光剣と繋がっており、修復は絶望的だった。仲間たちは彼を救うため、あらゆる手を尽くす。英磊(えいらい)は伝説の薬草を求めて危険な大荒へ旅立ち、緝妖司では万物を修復する五色石が発見され、一筋の光明が差す。
しかし、その希望を打ち砕こうと、離崙の邪悪な計略が迫る。仲間たちの絆と、新たに明かされる一族の秘密が、絶望的な状況を打開する鍵となるのか。息をのむ展開が続く。
「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ24話
絶体絶命の卓翼宸(たくよくしん)を救うため、仲間たちが奔走する第24話!しかし、希望が見えるたびに、より深い絶望が彼らを襲います。今回は、物語の核心に触れる重要な秘密が明かされる、見逃せない回となりました。
砕け散る希望、離崙(りろん)の恐るべき策略
白玖(はくきゅう)は、温宗瑜(おんそうゆ)が妖の死体で満たした地牢へ足を踏み入れます。温宗瑜は離崙(りろん)の目的を見透かしており、罠を仕掛けますが、離崙は巧みにその場を脱出するのでした。
一方、緝妖司では、離崙との戦いで重傷を負った卓翼宸(たくよくしん)が危険な状態にありました。太医もお手上げの中、趙遠舟(ちょうえんしゅう) が重い口を開きます。卓翼宸(たくよくしん)の命は、氷夷(ひょう い)族の神器雲光剣と共鳴しており、破壊された剣を修復しない限り、彼を救う術はないと。そして、剣が砕けたのは離崙の力だけでなく、趙遠舟(ちょうえんしゅう) 自身の邪気が影響したせいだと衝撃の事実を告白します。
仲間たちは希望を捨てません。英磊(えいらい)なら何か知っているかもしれないと考え、裴思婧(はいしせい)と共に山海寸境を抜けて崑崙山へ。陸吾(りくご)は、大荒にある櫃木(きぼく)という木が卓翼宸の真気を回復させると助言。英磊は仲間たちの想いを背負い、一人で危険な大荒へと旅立ちます。
その頃、緝妖司の池から光が放たれ、万物を修復する力を持つ伝説の五色石が出現! これで雲光剣を直し、卓翼宸を救えると誰もが歓喜した瞬間、離崙が再び姿を現します。彼は五色石を奪うかのように見せかけ、樹の蔓で石に触れただけですぐに姿を消しました。
しかし、これが離崙の真の狙いでした。文瀟(ぶんしょう)が五色石を卓翼宸に近づけた途端、石はひとりでに砕け散ってしまいます。趙遠舟(ちょうえんしゅう) は、離崙の目的が石を破壊し、その妖気を卓翼宸の体内に送り込むことで、彼を妖に変えることだったと気づき、一同は愕然とするのでした。
明かされる氷夷(ひょう い)族の過去と最後の望み
英磊が大荒から持ち帰った櫃木で卓翼宸は一時的に命をつなぎとめますが、根本的な解決にはなりません。趙遠舟は、五色石が砕けたことは雲光剣の損壊よりも大きな災いだと語ります。
そして、彼は氷夷族にまつわる驚くべき真実を明かし始めました。氷夷族は元々、妖の一族だったのです。しかし、遠い昔に応龍(おうりゅう)に認められ、人間となることを選びました。五色石は、氷夷の妖の血を一滴だけ封じ込め、後世の子孫が自らの種族を自由に選択できるようにするための、いわば可能性の器だったのです。
その器が破壊され、妖力が卓翼宸の体内に流れ込んだ今、内丹を持たない人間の彼が強大な力に耐えられるはずがありません。最悪の場合、内臓が破裂して死に至る…。
絶望的な状況の中、趙遠舟は最後の可能性に懸けることを決意します。それは、大荒の奥地にある氷夷族の禁地へ赴くこと。そこならば、卓翼宸を救う方法が見つかるかもしれない。過酷な道のりになると知りながらも、文瀟(ぶんしょう)は私が試すと力強く宣言するのでした。
『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第24話の感想
今回は、希望の光が見えたかと思うと、次の瞬間にはさらに深い闇に突き落とされる、息もつけない展開でした。特に、卓翼宸を救う切り札と思われた五色石が、離崙の策略によって目の前で砕け散るシーンは圧巻。仲間たちの喜びが一瞬で絶望に変わる様子は、見ていて胸が締め付けられました。
しかし、そんな絶望の中で明かされた氷夷族の過去は、物語に一層の深みを与えています。彼らが元は妖であったという事実は、人間と妖の境界とは何かを改めて問いかけてくるようです。
仲間を救うため、危険な大荒へ単身向かう英磊の勇気や、どんな困難にも立ち向かおうとする文瀟(ぶんしょう)の強い意志が、この暗い物語の中での唯一の救いとなっています。彼らの絆が、この先の過酷な運命をどう切り開いていくのか、目が離せません。
つづく