花嫁が次々と姿を消す怪事件の解決に、緝妖隊は5日以内という厳しい期限を課せられてしまう。趙遠舟(ちょうえんしゅう) をはじめとするメンバーは、残されたわずかな手がかりを元に捜査を開始。現場の状況から、犯人は水に関係する特殊な能力を持った妖怪だと推測する。しかし、彼らの行く手には、証拠隠滅を図る崇武営の妨害や、次の花嫁の実家である齊(せい)家の不審な動きなど、多くの困難が待ち受けていた。
「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ3話
まさか、あんな置き土産があったなんて!甄枚(しん ばい)がサインした例の契約書に、とんでもない一文が浮かび上がってきたんです。5日以内に事件を解決できなければ、職務怠慢として斬首の上、自ら首を差し出すこと…って、これじゃあ死刑宣告じゃないですか!
卓翼宸(たくよくしん)は、趙遠舟(ちょうえんしゅう) が署名していないから無関係だと一瞬安堵しますが、当の趙遠舟(ちょうえんしゅう) は涼しい顔。なんと彼は、文瀟(ぶんしょう)と個別に生死を共にするという血の契約を交わしていたのです。つまり、文瀟(ぶんしょう)の署名は趙遠舟(ちょうえんしゅう) の署名でもある、と。仲間を、そして文瀟を見捨てないという彼の覚悟が、とんでもない形で示されちゃいました。
犯人は夢を操る妖怪冉遺
翌日、さっそく緝妖隊(しゅうようし)は花嫁が最初に襲われた森へ。現場には強烈な魚の生臭さが立ち込め、鼻の利く白玖(はくきゅう)はたまらず嘔吐してしまいます。趙遠舟は、当時の状況を冷静に再現。嫁入りの道中、突如として妖しい風が吹き、花嫁が水鬼にさらわれ、近くの葦の湿地で遺体となって発見された…一連の流れから、趙遠舟は水族の妖怪の仕業だと推測します。
しかし、事件はそう単純ではありませんでした。義荘(死体安置所)へ向かった一行を待っていたのは、空っぽの部屋。なんと、7体あったはずの被害者の遺体は、すべてライバルの崇武営によって持ち去られていたのです。これでは検死もままなりません。
その頃、趙遠舟は一人、次の花嫁が狙われると目される齊(せい)家で張り込みをしていました。文瀟たちが義荘で途方に暮れていると、棺桶の中から手負いの趙遠舟が!彼は単身で崇武営に乗り込み、移送される寸前だった遺体を一体、奪い返してきたのです。無茶しすぎですよ、趙遠舟さん!
ビビりまくる白玖(はくきゅう)をなだめすかし、なんとか検死にこぎつけると、衝撃の事実が判明します。被害者の花嫁は、死ぬ直前に凄まじい恐怖を体験していたのです。そして、その手の中には一枚の鱗が。これを見た瞬間、趙遠舟の脳裏に犯人の名が浮かびました。
その名は冉遺(ぜん・い)。人を悪夢の中に閉じ込め、恐怖で殺してしまうという恐ろしい能力を持つ妖怪です。この妖怪を倒すには、幻を破る真言を唱えるか、その体の一部を切り取るしかない。しかし、どうやってその姿を見つけ出せばいいのか…捜査はまたもや壁にぶち当たります。
怪しい齊家と黒幕の影
一方、次のターゲットとされる齊家の当主・齊老爷(せいろうや)は、娘の安全よりも鎮国公府から受け取る莫大な結納金が大事な様子。予定通りに嫁に出すことを決め、まったく悪びれません。
そんな中、齊家に潜入していた卓翼宸(たくよくしん)は、屋敷に妖気が漂っていることを雲光剣で感じ取ります。問いただすと、齊老爷は1ヶ月前から崇武営に頼んで屋敷に誅妖の陣を張らせていると白状。使用人に話を聞けば、ちょうどその頃から屋敷では怪奇現象が頻発しているとのこと。
さらに、卓翼宸(たくよくしん)は齊老爷が見せた冉遺からの婚約証明書の日付が今日になっていることに気づきます。これはおかしい。齊老爷は何かを隠している…緝妖隊の面々は確信するのでした。
夜、趙遠舟は密かに齊家の池から例の水鬼を呼び出し、矢傷の薬を渡していました。彼らは敵ではなかったのか?そして、齊老爷のもとには崇武営の呉言(ご げん)が密談に訪れ、黒衣の謎の人物は欲しいのは趙遠舟の首だけだとほくそ笑む…。
事件の裏で、様々な人物の思惑が渦巻き始めます。緝妖隊は、この複雑に絡み合った謎を解き明かすことができるのでしょうか。
『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第3話の感想
花嫁連続失踪事件の捜査が本格的に始まり、物語が一気に動き出した第3話でした。単なる妖怪退治ではなく、緝妖隊と崇武営の対立、そして黒幕の存在が示唆され、ミステリー要素がぐっと深まりましたね。特に印象的だったのは、普段は飄々としてつかみどころのない趙遠舟が見せた覚悟です。文瀟と生死を共にすると誓い、危険を顧みず単身で敵地に乗り込む姿には、彼の秘めたる信念の強さを感じました。また、犯人である妖怪冉遺の能力が夢を操るというのも興味深いです。物理的な強さだけでなく、精神を攻撃してくる敵にどう立ち向かうのか、今後の展開から目が離せません。齊家の胡散臭さや、趙遠舟と水鬼の関係など、新たな謎も次々と提示され、物語の奥行きがさらに広がった回でした。
つづく