天都に突如として謎の疫病が蔓延し、人々は恐怖に陥ります。医術の心得がある白玖(はくきゅう)は、必死の思いで特効薬を開発し、都の人々に希望の光をもたらしました。一方、文瀟(ぶんしょう)たちは行方不明だった仲間・范瑛(はんえい)を救出するため、危険な潜入作戦を決行します。しかし、その先で彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する裏切りと、死んだはずの宿敵との再会でした。善意が招いた悪夢と、強大な敵の出現に、彼らは絶望の淵へと突き落とされます。
「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」あらすじネタバレ31話
いやあ、今回の31話は息つく暇もなかったですね!文瀟(ぶんしょう)の命の灯火が消えかかっているだけでも胸が痛いのに、都を襲う謎の疫病、そしてまさかのあの男の復活…。希望が見えたかと思えば、それを上回る絶望が叩きつけられる展開に、ただただ圧倒されました。
疫病蔓延!希望の薬が悪夢の引き金に
白玖(はくきゅう)が診察するも、文瀟(ぶんしょう)の病状は手の施しようがないほど深刻でした。自分のために龍の鱗を差し出してくれた文瀟を前に、白玖(はくきゅう)は悲しみに暮れます。そんな中、天都では突如として大規模な疫病が発生。あまりの勢いに都中の医者もさじを投げる始末です。
疫病の原因は妖獣の仕業だと睨む文瀟たち。卓翼宸(たくよくしん)の調査で、疫病は蜚(ひ)が持っていた香嚢(こうのう)から広がっていることが判明します。しかし、白澤の神力をもってしても、文瀟は蜚の気配をまったく感じることができません。
その頃、白玖は薬の研究に没頭していました。父との確執から素直になれず、多くの時間を無駄にしてしまった後悔を卓翼宸(たくよくしん)に吐露する場面は、彼の人間的な弱さが見えてグッときましたね。そしてついに、白玖は痹果(ひか)という薬草が疫病に有効だと突き止めます。香りで感染するなら嗅覚を封じてしまえ、という逆転の発想でした。この薬はすぐに都の人々に配られますが、これが後に悲劇を生むことになるとは、誰も知る由もありませんでした…。
地下牢の再会と最悪の黒幕
薬を配り終えた文瀟、趙遠舟(ちょうえんしゅう) 、卓翼宸の3人は、裴思婧(はいしせい)の手引きで崇武営の地下牢へ。目的は、行方不明になった范瑛(はんえい)の救出です。そこで彼らが見たのは、捕らえられた蜚、そして同じ牢にいた范瑛の姿でした。しかし、范瑛の様子がおかしい…なんと彼女の体には、妖獣の内丹が宿っていたのです!
混乱する彼らの前に現れたのは、死んだはずの温宗瑜(おんそうゆ)でした!不燼木で焼かれたはずの彼が、なぜここに?その答えは、彼が手に入れていた龍魚公主の鳳珠(ほうじゅ)。その力で鳳凰の妖獣として蘇っていたのです。
そして温宗瑜(おんそうゆ)は、恐るべき計画を明かします。彼が天都に疫病を広め、そして白玖が善意で配った痹果こそが、人々を妖化人に変えるための最終段階だったのです。翌日には、都の民が彼の忠実な妖化人の軍隊になるという事実に、文瀟たちは戦慄します。
昆侖山の死闘!見えぬ勝機
温宗瑜のあまりの非道さに、文瀟は怒りをぶつけます。趙遠舟(ちょうえんしゅう) は文瀟に范瑛を連れて逃げるよう指示し、卓翼宸と共に温宗瑜を昆侖山へと誘い込みます。
鳳凰の妖骨を持つ温宗瑜は火をものともしません。対する趙遠舟と卓翼宸は、氷夷(ひょう い)の神力で応戦しますが、温宗瑜の強力な妖力の前に苦戦。沉溺之毒(ちんできのどく)という毒に侵され、幻覚を見せられてしまいます。絶体絶命の窮地を救ったのは、駆けつけた白玖でした。
解毒され、三人がかりで温宗瑜に立ち向かいます。卓翼宸の一撃が温宗瑜の腹を捉えますが、そこに内丹はありませんでした。そう、内丹の場所が分からなければ、彼を倒すことはできないのです。趙遠舟は、内丹の場所を見抜くには破幻真眼か白澤金瞳が必要だと気づきますが…。
希望の光がことごとく打ち砕かれる展開。果たして彼らに逆転の一手は残されているのでしょうか。
『大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~』第31話の感想
今回のエピソードは、まさに絶望の連続でした。善意で開発した薬が、最悪の結果を招く引き金になっていたという展開は、あまりにも皮肉で胸が締め付けられます。白玖の苦悩を思うと、やりきれない気持ちでいっぱいです。そして、死んだはずの温宗瑜が、さらに強大な力を持つ鳳凰の妖獣として復活したシーンは、衝撃的でした。彼の目的は、人々を苦痛のない妖化人に変えるという歪んだ救済。その狂気じみた思想には、ただただ恐怖を感じます。仲間たちが力を合わせても全く歯が立たない強敵を前に、物語は一気に暗転しました。希望の糸口すら見えない状況で、彼らがどう立ち向かっていくのか、今後の展開から目が離せません。
つづく