七夕の夜、韓爍(かんしゃく) は花垣(かえん)城を揺るがす驚きの行動に出ます。それは、彼が芊芊に寄せる想いの深さを証明するものでした。ついに心を通わせた二人は、これまでにない甘く幸せな時間を過ごします。しかし、その裏では、長女・沅沅の縁談をめぐる問題や、次女・楚楚の嫉妬心が、新たな波乱の火種を生んでいました。そして、城主が突然病に倒れたことで、芊芊は大きな決断を迫られます。甘い恋模様と、花垣(かえん)城に迫る危機が交差する、見逃せない展開です。
「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」あらすじネタバレ16話
ついに迎えた七夕の夜。韓爍(かんしゃく) が導火線に火をつけた瞬間、誰もが息をのみました。しかし、花垣城(花垣(かえん)城)を揺るがすはずの爆発は起こらず、代わりに夜空を彩ったのは、息をのむほど美しい大輪の花火でした。そう、韓爍(かんしゃく) は芊芊(せんせん)への愛を選び、攻城計画を花火大会にすり替えていたのです。
この粋な計らいに、城主は大感激。こんな素晴らしい婿をくれてありがとうと玄虎城(玄虎(げんこ)城)の方角に感謝するほど。事情を知った芊芊は、感動のあまり言葉もなく韓爍に駆け寄り、熱いキスを交わすのでした。これで二人の間にあった壁は、すっかり溶けてなくなったようです。
一方で、気まずい空気が流れるのは大郡主・沅沅(げんげん)の屋敷。姉にひどいことをしたと謝りに来た芊芊ですが、そこにひょっこり現れたのが、なんと新しい婿となった陸鵬(りくほう)。手土産をぶら下げ、すっかり居座る気満々です。沅沅は彼を追い出すために新しい屋敷を用意させますが、そこに追い打ちをかけるように蘇沐(そぼく)が訪れ、以前贈られた玉佩を突き返すという悲しい出来事も…。
その夜、芊芊と韓爍の関係は新たなステージへ。すっかり恋人同士の甘い雰囲気に包まれた二人は、お互いの想いを確かめ合い、これまでの誤解を解きほぐします。名残惜しくて眠りにつけない韓爍は、こっそり芊芊の部屋に忍び込みますが、付き人の梓鋭(しえい)に見つかりそうになり、てんやわんや。
結局、部屋から出られなくなった韓爍は、芊芊と共に一夜を過ごすことに。夫婦とはいえ、まだ一線を越えていない二人。緊張する芊芊を気遣い、韓爍は優しく腕枕をしてあげるだけ。その紳士的な振る舞いに、芊芊は幸せをかみしめながら眠りにつくのでした。
翌朝、二人が一夜を共にしたという噂はあっという間に広まります。宗学堂では仲睦まじい姿を見せつけ、嫉妬の炎を燃やす楚楚(そそ)の心をさらにかき乱します。そんな中、裴恒(はいこう)は司学の職を辞し、彼の後を追うように蘇沐(そぼく)へと戻ってしまいました。
平穏な時間も束の間、城主府で事件が起こります。月璃府(月璃(げつり)府)の捜査を願い出たものの却下された楚楚は、城主と激しく口論。その結果、城主はショックで倒れ、中風と診断されてしまいます。姉の心ない言葉に深く失望した芊芊は、城主代理として全権を掌握。楚楚に屋敷での謹慎を命じるという、苦渋の決断を下すのでした。
権力も、そして想い人さえも失いかけた楚楚。彼女は蘇子嬰(そしえい) の助言を受け、すべてを取り戻すため、あの男…陸鵬に目をつけたのでした。
『花の都に虎(とら)われて』第16話の感想
今回は、物語が大きく動いた回でした。韓爍が芊芊のために攻城計画を花火に変えるという、この上なくロマンチックな決断には胸が熱くなりました。二人の気持ちがようやく通じ合い、夜の部屋で繰り広げられる初々しいやり取りは、見ているこちらが照れてしまうほどの甘さです。しかし、その甘い雰囲気とは裏腹に、物語には不穏な影が色濃く差し始めます。楚楚の嫉妬はついに城主を病に倒し、彼女自身を後戻りできない場所へと追いやってしまいました。芊芊が城主代理として毅然と振る舞う姿には成長を感じますが、その決断が姉妹の溝を決定的にしたようにも思えます。甘さと苦さが巧みに織り交ぜられ、物語の深みが増した一話でした。
つづく