楽人の蘇沐(そぼく)が失踪し、その容疑者として韓爍(かんしゃく) が捕らえられてしまいます。三公主の陳芊芊(ちんせんせん)は、彼に対して非情とも思える厳しい裁きを下し、二人の関係には決定的な亀裂が。芊芊から思いもよらない言葉を告げられた韓爍は、絶望の淵に立たされます。一方、病に伏していた城主が意識を取り戻し、城に渦巻く陰謀の新たな一面が明らかになり始めます。愛と裏切りが交錯し、登場人物たちの運命が大きく揺れ動く激動の回です。
「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」あらすじネタバレ18話
さあ、やってきました第18話!今回はもう、ティッシュ箱を抱えて見るしかない、涙と衝撃の連続でしたね…。愛する人を守るため、芊芊(せんせん)が下したあまりにも辛すぎる決断。そして、その真意を知らない韓爍(かんしゃく) の心が、木っ端微塵に砕け散る様は、見ていて胸が張り裂けそうでした。
愛しているから、あなたを突き放す
物語は、蘇沐(そぼく)の失踪事件から始まります。現場には韓爍(かんしゃく) の足跡しかなく、目撃者の証言も彼に不利なものばかり。もちろん、これは韓爍(かんしゃく) を花垣城(花垣(かえん)城)から安全に逃がすための、芊芊が仕組んだ苦肉の策でした。
芊芊は自ら韓爍の罪を問い、牢獄へ送るよう命じます。何も知らない韓爍は、芊芊が用意した薬入りの茶を飲んで意識を失ってしまうのです。
次に彼が目覚めた時、目の前にいたのは裴恒(はいこう)は、韓爍を南の果てへ流罪に処すという命令と、芊芊直筆の離縁状を突きつけます。
信じられない韓爍は、芊芊との面会を懇願。しかし、月璃府(月璃(げつり)府)で待っていたのは、氷のように冷たい彼女の姿でした。
あなたを好きになったことなんて一度もない。すべては玄虎城(玄虎(げんこ)城)を脅すための芝居だった
芊芊は、韓爍の心を完全に折るために、残酷な嘘を重ねます。
それでも、テーブルの上に置かれた印章――韓爍が芊芊に贈った大切な思い出の品――を見つけた韓爍は、彼女に何か事情があるはずだと、一縷の望みを捨てきれません。そのわずかな希望さえも断ち切るかのように、芊芊は印章を手に取り、床に叩きつけて粉々に砕いてしまいました。
砕け散った印章は、まるで韓爍の心のよう。彼は自らの腕にはめられた腕輪を力ずくで引きちぎり、これにて、恩も義も断ち切ると決別の言葉を吐き捨て、絶望の表情で去っていくのでした。
韓爍の背中を見送り、一人になった芊芊は、降りしきる雨の中、声を上げて泣き崩れます。その隣で、裴恒(はいこう)が静かに傘を差しだすシーンは、あまりにも切なかったですね…。
それぞれの思惑、そして復讐の炎
一方で、物語は他のキャラクターたちにも大きな動きが。芊芊が渡した金牌のおかげで、矢を受けた林七(りんしつ)は一命を取り留めていました。また、蘇沐(そぼく)に別れを告げますが、彼が去ろうとしたその瞬間、ショックで沅沅が自らの足で立ち上がるという奇跡が!しかし、蘇沐(そぼく)がそれに気づくことはありませんでした。
そして、芊芊の看病の甲斐あって、ついに城主が目を覚まします。城主との会話から、芊芊はこれまでの事件の裏で楚楚(そそ)が糸を引いていたのではないかと疑念を抱き始めます。
その楚楚は、追跡の達人である蘇子嬰(そしえい) を使い、流罪となった韓爍の囚人車を襲撃。芊芊への憎しみで我を忘れた韓爍を、いとも簡単に味方につけてしまいます。復讐の鬼と化した韓爍は、楚楚と手を組み、その夜、花垣城への潜入を果たすのでした…。愛が憎しみに変わる瞬間、物語は一気に加速していきます。
『花の都に虎(とら)われて』第18話の感想
今回は、登場人物たちの感情が激しくぶつかり合う、非常に重厚なエピソードでした。特に、愛する韓爍を守るために心を鬼にして彼を突き放す芊芊の姿には、胸が締め付けられる思いです。彼女の流す涙の裏にある覚悟と愛情の深さを思うと、言葉になりません。一方で、その真意を知らずに裏切られたと感じ、絶望から憎しみへと心を染めていく韓爍の変化も痛々しいほど伝わってきました。二人のすれ違いが、これ以上ないほど悲劇的な形で描かれており、物語の深みを感じさせます。また、沅沅と蘇沐の切ない別れの場面や、虎視眈々と機会をうかがう楚楚の暗躍など、脇を固める物語もそれぞれに見応えがあり、花垣城をめぐる人間模様の複雑さに引き込まれました。
つづく