韓爍(かんしゃく) との間に生じた深い誤解から、二人の関係は急速に冷え込んでしまう。嫉妬に駆られた韓爍は、ついに月璃(げつり)府を制圧し、芊芊を軟禁状態に置くという強硬手段に出る。一方、その混乱に乗じて陳楚楚(ちんそそ)は権力を掌握し、少城主の座を強引に手に入れようと画策。味方も自由も失い、四面楚歌の状況に陥った芊芊。しかし彼女は諦めず、裴恒(はいこう)の助けを借りて、この絶体絶命の危機から脱出することを決意する。
「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」あらすじネタバレ19話
いやー、今回の19話は、これまで積み上げてきた芊芊(せんせん)と韓爍(かんしゃく) のラブラブな雰囲気が一変! 嫉妬と誤解が渦巻く、息もつかせぬ展開でしたね。韓爍(かんしゃく) の豹変ぶりに、ドキドキとヒヤヒヤが止まりませんでした。
韓爍(かんしゃく) の誤解と暴走、囚われの芊芊
物語は、すっかり悪の道に染まってしまった陳楚楚(ちんそそ)から始まります。彼女は謹慎中にもかかわらず、城防図を手に韓爍と裏で手を組み、花垣(かえん)城を掌握しようと画策。
芊芊は林七(りんしつ)たちの死が楚楚の仕業だと気づき、彼女を問い詰めますが、その剣幕を隠れて見ていた韓爍は、芊芊が楚楚を一方的にいじめていると誤解してしまいます。さらに、ヤケ酒をあおって酔いつぶれた芊芊を裴恒(はいこう)が介抱しているのを目撃し、韓爍の嫉妬の炎は燃え盛るばかり…。
ついに韓爍は実力行使に出ます。月璃(げつり)府を完全に制圧し、芊芊を軟禁状態に! 目覚めた芊芊の前に現れた韓爍は、まるで別人のように冷たい表情。10本のうち1本は毒薬だと脅し、芊芊に薬を飲ませます。幸い芊芊が選んだのはただの苦瓜ジュースでしたが、毎日この恐怖の選択を迫られることに…。韓爍の愛が、今は憎しみと支配欲に変わってしまったかのようです。
楚楚の野望と裴恒(はいこう)の抵抗
芊芊が囚われている間、楚楚はやりたい放題。病の城主に代わり、偽の勅命で自ら少城主の座に就任! 反対する役人たちを容赦なく投獄し、権力を掌握していきます。彼女の瞳からは、かつての正義感は消え失せ、冷酷な野心が燃えているだけでした。
この状況を黙って見ていられないのが裴恒(はいこう)です。彼は芊芊を救い出すため、単身月璃(げつり)府へ乗り込みますが、怒りに満ちた韓爍に敵うはずもありません。芊芊は俺の女だ。玄虎(げんこ)城のやり方に従ってもらう!と叫ぶ韓爍の姿は、もはや花垣(かえん)城にいた頃の彼ではありませんでした。愛するがゆえの暴走、見ていて本当に切なかったです…。
すれ違う想い、涙の平手打ち
韓爍は、裴恒をかばう芊芊の姿を見て、さらに嫉妬心を募らせます。部屋に芊芊を担ぎ込むと、無理やり彼女を自分のものにしようと迫るのでした。
恐怖に震える芊芊は、思わず韓爍の頬を平手打ち! 堰を切ったように泣きじゃくる彼女を見て、韓爍はハッと我に返ります。そして、彼女が武功を完全に失っていることに気づき、心に痛みと深い葛藤を覚えるのでした。本当は傷つけたいわけじゃない、でもどうしようもなく湧き上がる嫉妬と独占欲…。韓爍の苦悩が痛いほど伝わってきました。
物語のラスト、芊芊はただ囚われているだけでは終わりません。楚楚の暴挙を止めるため、一世一代の大芝居を打ちます! 裴恒も楽師に変装して救出に駆けつけ、二人はついに月璃(げつり)府からの脱出を図るのでした。
『花の都に虎(とら)われて』第19話の感想
今回は、これまでとは全く異なる緊張感に満ちた回でした。韓爍の行動は、芊芊への深い愛情が誤解と嫉妬によって歪んでしまった結果であり、彼の苦悩がひしひしと伝わってきます。力ずくで芊芊を支配しようとしながらも、彼女の涙を見ると一瞬で我に返り、傷つけることをためらう姿には、彼の根底にある優しさが感じられました。一方で、脚本家である芊芊の物語が、彼女の意図しない方向へ暴走していく様は、見ていて非常にもどかしい気持ちになります。完全に悪役へと変貌を遂げた楚楚の存在が、物語に一層の深みと対立構造を生み出しており、芊芊がこの絶望的な状況をどう打破していくのか、目が離せません。甘い恋物語から一転、シリアスな愛憎劇へと舵を切ったことで、キャラクターたちの感情がより鮮明に描かれた印象的なエピソードでした。
つづく