少城主選抜試験に武術試験が追加されることになり、武術のできない脚本家である芊芊は窮地に立たされます。試験から逃れるため、芊芊は韓爍(かんしゃく) に助けを求めますが、とある誤解から韓爍の怒りを買い、二人の関係はさらに悪化。韓爍から殺意を向けられる中、芊芊は彼の心を取り戻すため、誰もが予想しない大胆な行動に出ます。果たして芊芊は、この危機を乗り越えることができるのでしょうか。

「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」あらすじネタバレ5話

少城主の座をかけた選抜試験が迫る中、芊芊(せんせん)に新たな試練が!芊芊を目の敵にする林七(りんしつ)が、城主に試験に武術も加えましょう!と提案したのです。芊芊の武術の腕が衰えたと疑う林七は、試験で恥をかかせようと企んだんですね。

もともと、脚本家・陳小千(ちんしょうせん)である芊芊は武術なんてからっきし。唯一の取り柄だった武術で評価されていた芊芊にとって、これは大ピンチ!そんなの無理!と大騒ぎしますが、娘に発奮してもらいたい城主はあっさり提案を受け入れてしまいます。

追い詰められた芊芊は、試験を逃れるために韓爍(かんしゃく) に協力を求めることに。しかし、これが裏目に出てしまいます。韓爍(かんしゃく) は、芊芊が使っていた花火の筒が、以前自分が密書に使っていた筒とそっくりなことに気づいてしまいました。昨夜の芊芊の言葉も合わせ、すべては自分を油断させるための芝居だったのだと確信。俺を騙していたのか!と怒りのあまり心臓発作で倒れてしまいます。

芊芊は慌てて口移しで薬を飲ませて介抱しますが、目覚めた韓爍(かんしゃく) の怒りは収まりません。芊芊は密書の件を白状し、あなたのためだったと弁解しますが、韓爍は聞く耳を持たず、ついに芊芊の毒殺を決意。夜の宴へと彼女を誘います。

絶体絶命の芊芊は、脚本家の先生たちに泣きつき、起死回生の策を思いつきます。それは、韓爍が花垣(かえん)城に来た目的である国の宝龍骨(りゅうこつ)を彼に与え、心変わりを狙うという大胆なものでした。

さっそく祠堂から龍骨を持ち出した芊芊は、なんとそれを鍋で煮込み、スープにしてしまいます!国宝を煮込むなんて前代未聞の行動に、侍従たちは真っ青。しかも、その龍骨スープ、とんでもない悪臭を放ち、芊芊自身も卒倒しそうになるほど。

娘の暴挙を知った城主が激怒して乗り込んでくる中、芊芊は韓爍を招き、謝罪の言葉と共に龍骨スープを差し出します。韓爍は信じられない面持ちで厨房へ向かい、強烈な匂いを放つスープを目の当たりにして、言葉を失いました。

宴が始まると、芊芊は韓爍が酒に毒を入れたことを見抜き、こっそり酒を捨ててから毒酒を飲んで苦しむフリをします。侍従の梓鋭(しえい)が悲しげな琴の音色と花火でムードを盛り上げますが、この花火がとんだ災いを招くことに。密偵を追っていた姉の楚楚(そそ)が、この花火を合図だと勘違いしてしまい、作戦は失敗、自身も傷を負ってしまったのです。

芊芊が死んだふりをしているとは知らない城主はパニックに。解毒剤として龍骨スープを飲ませるよう命じます。心配した韓爍が思わず口移しで飲ませると、芊芊は驚きのあまり過剰に反応してしまい、芝居がバレそうになる一幕も。なんとかごまかした芊芊は、残りのスープを韓爍に飲ませて一件落着させました。

芊芊の命が助かり安堵する城主でしたが、国宝の龍骨がなくなった今、役人や民衆が黙っているはずがないと、娘の行く末を深く案じるのでした。

『花の都に虎(とら)われて』第5話の感想

今回のエピソードは、芊芊のとんでもない発想と行動力に圧倒されました。まさか国の宝である龍骨を煮込んでスープにしてしまうとは、誰も予想できなかったでしょう。しかし、その常識外れの行動こそが、殺意を抱くほど怒っていた韓爍の心を揺さぶるきっかけになったのが面白いところです。毒殺を企てる韓爍と、死んだふりで信頼を得ようとする芊芊。二人の間で繰り広げられる緊迫したやり取りには、思わず引き込まれました。芊芊の命がけの芝居が、意図せず姉・楚楚の任務を妨害してしまうという皮肉な展開も、物語に深みを与えています。殺伐とした関係の中に、少しずつ変化の兆しが見え始めた、物語が大きく動いた回だったと感じます。

つづく