12話あらすじ(ネタバレあり)

ついに明かされる過去の約束

楊静瀾(ヤン・ジンラン)に、子供の頃にだけ交わした言葉をそっと告げる。その一言で、季英英(ジー・インイン)は目の前の男が誰なのかを悟った。彼は、幼い日に自分を救ってくれたあの少年だったんだ。

でも、感動の再会に浸る時間なんてない。錦官府の門に掲げられた蜀紅絲の看板から、父・季帰南(ジー・グイナン)の名前が削り取られ、趙修縁(ジャオ・シウユエン)の名前に書き換えられてしまう。権力による、あまりにも屈辱的な仕打ちだ。

偽りの錦王と絶望の淵

季英英は趙修縁(ジャオ・シウユエン)を問い詰める。どうして偽の蜀紅絲なんて作ったの。彼女にとって一番大切なものを、彼は踏みにじった。知り合わなければよかった、とまで言い放つ。趙修縁は、権力には逆らうなと返すだけ。偽物を作れば彼女が傷つくと分かっていた。それでも、他の誰かにやらせるよりは、自分の手でやった方がマシだと考えたらしい。まあ、身勝手な言い分だよな。

母親の季徐氏(ジー・シューし)は、もう蜀紅絲のことは忘れなさいと娘を諭す。一家の無事が何より大事だから。兄の季耀庭(ジー・ヤオティン)も、今はそっとしておくしかない。

その夜、季英英は悪夢にうなされる。雪の中に立つ父の幻に、蜀紅絲を守れなかったと泣いて謝る。父は振り返り怖がるなと言うけれど、気づけばあたりは血の海。悲鳴をあげて目を覚ますと、ただ涙が止まらなかった。

恐怖を乗り越え、父の遺したヒントへ

悲しみを振り払い、季英英は錦官府へ向かう。すると、門の前で楊静瀾(ヤン・ジンラン)が待っていた。二人は改めてお互いの正体を確認する。昔、人買いに誘拐された季英英を助けたのが楊静瀾だった。父が殺される悲劇の現場にも彼はいて、彼女を家まで送り届けてくれたんだ。

季英英は、彼と協力することを決める。季家を守ってくれるなら、本物の蜀紅絲を染め上げるために力を貸してほしい、と。

彼女には乗り越えるべき壁があった。流れる赤い水への恐怖だ。楊静瀾は彼女を浣花溪(かんかけい)に連れて行く。彼は何度も染料を川に流し、季英英は水の中に立ち続ける。ついに彼女は恐怖を克服した。その姿を見て、楊静瀾は心から安堵し、彼女の強さを改めて知るんだ。

ただ、本物の蜀紅絲作りは難航する。何かが足りない。兄の季耀庭(ジー・ヤオティン)の一言で、季英英は父が遺した巾着袋を思い出す。そこに縫い付けられていた詩句。それがヒントだった。蜀紅絲の秘密は、ザクロにあるらしい。

斗錦会、逆転劇の幕開け

季英英は一人で山へザクロを採りに行く。危うく崖から落ちそうになったところを、またしても楊静瀾が軽功で救い出す。本当にヒーローみたいだよな。

そして、年に一度の斗錦会の日がやってくる。会場では、趙修縁が自分の作品(もちろん偽物)を披露している。牛五娘(ニウ・ウーニャン)という後ろ盾もいて、態度はでかい。楊静瀾は、季英英が到着するまで必死に時間を稼ぐ。

その時だ。会場の誰もが息をのむ。季英英と兄の季耀庭が、鮮やかな色の凧を携えて現れた。季英英は堂々と宣言する。これこそが、本物の蜀紅絲です。

第12話の感想:もう、こっから反撃開始でしょ!

いやー、待ってたよ、この展開! どん底まで落ちた季英英が、ついに反撃の狼煙を上げた回だったな。

まず、楊静瀾がカッコよすぎだろ。子供の頃の約束を覚えてて、一番つらい時に現れて助けてくれるなんて、少女漫画の王道ヒーローかよ。彼のおかげで季英英がトラウマを克服するシーンは、見ていて胸が熱くなった。

一方で、趙修縁はどんどんダメな男になっていくな。君を傷つけたくなかったから俺がやったとか言ってるけど、結局は権力に屈しただけじゃん。プライドだけは高くて、見ててちょっとイラっとする。

でも、今回の主役は間違いなく季英英だ。悪夢にうなされるほど追い詰められても、決して諦めない。父の遺したヒントを見つけ出し、たった一人で山に入る。その行動力と根性には頭が下がるよ。最後の斗錦会での登場シーンは、本当に爽快だった。偽物が幅を利かせる中で、本物を持って颯爽と現れる。これ以上ないくらい最高の逆転劇の始まりだ!

つづく