蜀紅錦を蘇らせた季英英(ジー・インイン)に、新たな脅威が迫る。牛将軍(ニウしょうぐん)は彼女の類まれな才能を逆手に取り、危険な立場に追い込もうと画策した。絶体絶命の状況で、楊静瀾(ヤン・ジンラン)は誰も予想しなかった驚きの方法で反撃に出る。一方、季家を追われた趙修縁(ジャオ・シウユエン)は、力を渇望するあまり、一族を相手に危険な賭けに打って出る。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、益州の錦業界はさらに緊迫した空気に包まれていく。英英と楊静瀾は、この危機を乗り越えることができるのか。
「蜀紅錦~紡がれる夢~」あらすじネタバレ14話
敵の懐で、あえて火中の栗を拾う女
牛将軍(ニウしょうぐん)が、季英英(ジー・インイン)の才能をネタに楊静瀾(ヤン・ジンラン)を脅してきた。 英英がすごい技術を持ってるから、危険な目に遭わせられるぞ、ってことらしい。 でも、こっちの楊静瀾(ヤン・ジンラン)も負けてない。朝廷の役人として、腐った益州の錦業界は俺が掃除する、と宣言する。
その時、いきなり覆面の男たちが現れた。 楊静瀾(ヤン・ジンラン)はその隙に階下に飛び降りて逃げる。 牛将軍(ニウしょうぐん)は部下が勝手なことをしたのかと怒るけど、部下はあれは俺たちの仲間じゃないと答える。 じゃあ誰なんだって話だよな。
覆面の男は英英を殺そうとするフリをした。 父の季耀庭(ジー・ヤオティン)が必死で娘を守る。 でも、この覆面の男、実は味方だった。男は英英にだけ聞こえるように、芝居に付き合ってくれと頼む。 英英はすぐに彼が高放(ガオ・ファン)だと気づいた。彼女はやるなら徹底的にと言って、彼の剣を奪い、自らを刺したんだ。 マジで肝が据わってる。
策士、楊静瀾の逆転劇
役人の桑刺史(サン・ツースー)が駆けつけると、刺客はもう逃げた後だった。 現場には牛将軍の令牌が落ちている。 桑刺史(サン・ツースー)はこの面倒事に関わりたくなくて、楊静瀾が仕組んだんだろうと決めつけた。
そこに牛将軍本人が季家に乗り込んできた。 これが楊静瀾の罠だと気づいたみたいだ。 すると楊静瀾は、その令牌を逆手に取った。貢緞の監督責任者である自分が、この令牌を使って命令する、と言い出したんだ。 そして、英英の護衛を牛将軍に命じた。 噂を打ち消すには、あんたが守るのが一番だろ、って理屈だ。
英英もここで女優になる。 自分と牛五娘(ニウ・ウーニャン)には婚約を巡るいざこざがあったから、誰かがそれを利用して両家の仲を裂こうとしているに違いない、と涙ながらに訴えた。 牛将軍は断りたかったけど、楊静瀾が節度使に報告すると脅しをかける。 上には逆らえない牛将軍は、しぶしぶ英英の護衛を引き受けた。 これで牛将軍は、英英に手出しできなくなったってわけ。 楊静瀾の頭のキレ、ヤバすぎる。
それぞれの道、それぞれの覚悟
楊静瀾は、英英が自分を傷つけたことに本気で怒っていた。 でも英英は、中途半端な芝居をすれば、逆に牛将軍たちにやり返されるだけだと説明する。 彼女は楊静瀾の狙いをちゃんと理解していた。 二人の間には、もう固い信頼関係があるよな。英英は、誰にも虐げられないように、季家を皇商にすると誓う。 そして、兄が巻き込まれた事件の関連者リストを楊静瀾に渡した。
その頃、趙修縁(ジャオ・シウユエン)が英英に会いに来た。 でも母の季徐氏(ジー・シューし)にも、楊静瀾にも止められてしまう。 趙修縁(ジャオ・シウユエン)は、楊静瀾が英英を危険な目に遭わせたと非難する。 楊静瀾は敵に身を売ったお前の方がよっぽど彼女を傷つけてると言い返す。 趙修縁(ジャオ・シウユエン)は、英英なら俺を理解してくれる、と信じているみたいだけど、もうズレちゃってるんだよな。
趙修縁の暴走は止まらない。彼は牛将軍の名をかたり、一族の長老である趙老太爺(ジャオろうたいや)を脅して、当主の座を奪い取った。 完全に闇堕ちルートだ。
錦官府の門前で、楊静瀾は蜀紅錦を蘇らせた功績を讃え、門の札を季英英(ジー・インイン)の名前に変えると宣言した。 民衆から拍手が沸き起こる。 趙修縁は、その光景を輿の中から見て、悔しそうに拳を握りしめていた。
感想
いやあ、今回は楊静瀾の策略が冴えわたる回だったな。敵の令牌を使って、敵自身に味方を守らせるなんて、普通じゃ思いつかない。彼の冷静さと頭の回転の速さには、本当に舌を巻くよ。
それに応える英英の覚悟も凄まじい。芝居を完璧にするために、ためらわずに自分を刺すなんて、並大抵の精神力じゃない。彼女が皇商になるって決意を口にしたけど、これだけの覚悟があるなら、本当に成し遂げそうだって思わせる説得力があった。
対照的に、どんどん泥沼にハマっていくのが趙修縁だ。彼の行動は、見ていて本当に痛々しい。もともとは英英を守るためだったはずなのに、いつの間にか手段が目的化して、ただ権力が欲しいだけの人に見えてくる。錦官府の門札が英英の名前に変わったのを見て、悔しがるシーンは、彼の孤独と焦りが凝縮されていて、かなり印象的だった。彼が自分で招いた結果なんだけど、なんだか切なくなるよな。
つづく