季英英(ジー・インイン)は、新しい商路を開拓するため、危険な奪命谷へ向かう旅を決意します。彼女の父が命を落としたその場所へ行くことに玉玲瓏(ユー・リンロン)は強く反対しますが、最終的には英英の覚悟を知り同行することを選びます。怪しい動きを見せる晟豊澤(ション・フォンゾー)や、英英を心配する飛花会の仲間たちも加わり、一行の困難な旅が始まります。

その頃、故郷の益州では、楊家の内部崩壊を狙う陰謀が進行していました。長安から急ぎ戻った趙修縁(ジャオ・シウユエン)も、その渦中に巻き込まれていきます。旅先で商隊を待ち受ける過酷な運命と、故郷で渦巻く策略。二つの物語が交錯し、登場人物たちは大きな試練に直面することになります。

「蜀紅錦~紡がれる夢~」あらすじネタバレ30話

いやー、今回の30話はマジでキツかった。ちょっと覚悟して読んでほしい。物語が大きく動いた回だったよ。

危険な旅の始まり

新しい商路と忍び寄る影

季英英(ジー・インイン)が、新しい商路を開拓したいって言い出したんだ。商売人として、攻めの姿勢は大事だよね。

でも、そのルートがヤバい。奪命谷っていう、名前からして不吉な場所を通るらしい。玉玲瓏(ユー・リンロン)が猛反対する。彼女の父親が昔、そこを通って帰ってこなかったんだ。そりゃトラウマにもなる。

そこへ、うさん臭さ全開の晟豊澤(ション・フォンゾー)が登場。俺も一緒に行くよなんて言い出す。こいつ、何か企んでるのは見え見え。不完全な地図まで持ってきて、英英は当然、彼を疑う。

楊静瀾(ヤン・ジンラン)の思惑と仲間たちの絆

楊静瀾(ヤン・ジンラン)は、これをチャンスだと考えた。晟豊澤(ション・フォンゾー)が裏でコソコソやってる証拠を掴む絶好の機会だって。彼は英英に、晟豊澤を油断させるための芝居に協力してくれって頼む。

英英は危険すぎると心配する。そんな彼女に、楊静瀾はお守りの数珠を渡すんだ。ついでに抱き上げたりして、こいつ、ちゃっかりしてるよな。

飛花会のみんなも、英英のことが心配でたまらない。結局、桑十四郎(サン・シーシーラン)たちが護衛として同行することになった。朱小娘(ジューシャオニャン)が安全を祈ってくれたお守りも持ってね。こういう仲間たちの絆って、本当にグッとくる。

故郷で渦巻く陰謀

趙修縁(ジャオ・シウユエン)の焦り

その頃、長安にいた趙修縁(ジャオ・シウユエン)。彼は、英英が晟豊澤と一緒に旅に出たと聞いて、血相を変える。大事な商談も放り出して、大急ぎで益州に戻るんだ。本当に英英のことが大事なんだな。

でも、彼が益州に着いた時には、もう一行は出発して3日も経っていた。このすれ違いが、もどかしい。

引き抜きと裏切り

益州では、寧黛(ニン・ダイ)が暗躍を始めていた。高い給料をちらつかせて、楊家の工房から職人を引き抜こうとする。趙修縁は、その汚いやり口に心当たりがあるみたいだ。

さらに、楊二爺(ヤン・アルイエ)っていう男が趙修縁の前に現れる。晟豊澤からの伝言を持ってきた。俺が楊家のトップになるのを手伝えってさ。楊家の内部はもうガタガタ。重要な職人たちは、寧黛(ニン・ダイ)によって誘拐までされ始める。もう、やりたい放題だ。

奪命谷の悲劇

山賊の襲撃

商隊は、厳しい旅の末に、ついに奪命谷に到着した。そこで野営することになるんだけど、もう嫌な予感しかしない。

案の定、翌日、森で山賊に襲われる。いきなり大乱戦だよ。

桑十四郎(サン・シーシーラン)と盛大郎(ション・ダーラン)は、なんとか逃げようとする。でも、運悪く沼にはまってしまうんだ。一方、玉玲瓏(ユー・リンロン)は季耀庭(ジー・ヤオティン)に助けられるけど、今度は二人そろって罠にかかって宙吊り。ちょっとコントみたいだけど、笑えない状況。

失われた仲間

山賊をなんとか撃退した後、桑十四郎が助けを求めて戻ってくる。彼の顔は絶望に染まっていた。

英英が急いで沼に駆けつける。そこにはもう、盛大郎(ション・ダーラン)の姿はなかった。彼がいつも持っていた薬箱だけが、静かに浮かんでいる。

桑十四郎は、自分のせいで盛大郎が死んだと泣き崩れる。出発前にみんなで笑い合っていたのが嘘みたいだ。仲間の一人を失うなんて、あまりにも過酷すぎる。

今回のエピソードについての感想

今回は本当に息つく暇もなかったな。前半は、新しい旅への期待と不安が入り混じる展開。楊静瀾と季英英(ジー・インイン)のちょっとした恋愛っぽいシーンもあって、少し和んだりもした。でも、後半は一転して地獄だった。益州で進む権力争いと、商隊を襲う悲劇が同時に描かれる。この構成がうまいんだよ。二つの場所で起きている事件が、物語をどんどん加速させていく。

特に、盛大郎の退場は衝撃的だった。飛花会の仲間たちが、みんなで旅の準備をしていたシーンがあったからこそ、この結末は余計に胸に突き刺さる。桑十四郎の気持ちを考えると、本当に言葉にならないよ。趙修縁も、あれだけ必死に戻ってきたのに間に合わなかった。このすれ違いが、見ていて本当にもどかしい。晟豊澤と寧黛の悪役コンビが、じわじわと主人公たちを肉体的にも精神的にも追い詰めていく。物語が大きく、そして暗い方へ動いた回だった。最後の沼のシーンは、しばらく忘れられそうにない。

つづく