仲間の死という大きな犠牲を払い、季英英(ジー・インイン)は悲しみに打ちひしがれる。しかし、商隊には休む間もなく、山賊による新たな脅威が迫っていた。仲間が人質に取られ、絶体絶命の状況に追い込まれる。季英英と楊静瀾(ヤン・ジンラン)は、仲間を救い出し、商路を守るために危険な罠を仕掛けることを決意する。一方、謎に包まれていた同行者、晟豊澤(ション・フォンゾー)の本当の目的と正体が、少しずつ明らかになっていく。裏切りと策略が渦巻く中で、彼らはこの危機を乗り越えることができるのか。

「蜀紅錦~紡がれる夢~」あらすじネタバレ31話

仲間を失った悲しみと、休む間もない危機

ション・ダーランが死んだ。この事実は、季英英(ジー・インイン)の心をめちゃくちゃに引き裂いた。計画通りに進んでいるはずだったのに、仲間が目の前で命を落としたんだ。彼女は楊静瀾(ヤン・ジンラン)の腕の中で、子供みたいに泣きじゃくった。自分の判断が間違っていたんじゃないか。もう誰も死なせたくない。そんなインインの弱音を、ジンランは静かに受け止める。ここで退いたら、死んだ仲間に顔向けできないだろ、と。彼の言葉で、インインはなんとか顔を上げた。

でも、問題は次から次へとやってくる。気づいたら、玉玲瓏(ユー・リンロン)と季耀庭(ジー・ヤオティン)の姿がない。最悪だ。山賊にさらわれた。ヤオティンは機転を利かせて、商隊が運ぶ楊家の錦の話で山賊の気をそらす。山賊の狙いが金なら、まだ助かる道はあるかもしれない。

救出作戦と、張り巡らされた罠

ジンランはすぐに二人を助けに向かう。地面に残された痕跡を見て、これが山賊が仕掛けた罠だとすぐに見抜いた。さすが、冷静沈着な男だ。その頃、インインも動いていた。悲しみに暮れているだけじゃない。彼女は、この状況を利用して敵を一網打尽にするための罠を準備していた。

一方、黒幕の一人である牛将軍(ニウしょうぐん)は、上官の節度使に釘を刺されてビビってた。晟豊澤(ション・フォンゾー)との悪事がバレたら、自分のキャリアも終わりだからな。物語の裏では、こういう権力争いもドロドロと進んでいる。

ジンランは山賊のアジトに奇襲をかけて、見事に玉玲瓏(ユー・リンロン)とヤオティンを救い出した。これで一安心、とはいかない。インインが仕掛けた本番の罠が、これから始まるんだ。彼女は馬車の周りに落とし穴を掘らせ、山賊たちをおびき寄せる。そして、インイン自身がおとりになって、洞窟から出てきた!正気かよ、って思うよな。ションフォンゾーも、彼女の無謀な行動に慌てて後を追う。

山賊たちが矢を放った瞬間、インインはションフォンゾーを引き連れて、自ら仕掛けた罠の穴へと飛び込んだ。その瞬間を待っていたのが、ションフォンゾーの部下、赤虎(チー・フー)だ。彼の部隊が一斉に矢を放ち、山賊は全滅した。インインの作戦勝ちだ。でも、彼女はションフォンゾーに疑いの目を向ける。お前、本当は何者なんだ、と。

ついに明かされる正体と、新たな取引

ションフォンゾーはついに観念した。彼は信号の花火を打ち上げ、白王(はくおう)府からの迎えを呼ぶ。そう、彼はただの商人じゃなかった。南詔の白王(はくおう)府に連なる重要人物だったんだ。今までずっと身分を隠していた。インインに自分の過去をほのめかすような物語を話したりもした。でも、もう隠し通せない。

そこへ、ジンランが益州からの知らせを持って現れる。ションフォンゾーを密輸の容疑で都に連行すると言う。ジンランとションフォンゾーの間で、一気に緊張が走った。王府の人間が到着し、ションフォンゾーはついに自分の身分を明かす。悪気はなかった、と。でも、ジンランは長安の命令だと言って譲らない。

ここで動いたのが、またしてもインインだった。彼女はションフォンゾーに取引を持ちかける。牛将軍(ニウしょうぐん)の密輸の罪をすべて白状するなら、南詔まで商売の話をしに行ってやると。ションフォンゾーは、商隊の仲間を人質にするような形で、その取引に乗った。牛将軍との共謀を認めたんだ。実は、ジンランはずっとこの言葉を待っていた。彼の合図で、物陰に隠れていた長安の役人たちが姿を現す。すべては、牛将軍とションフォンゾーを捕らえるための、壮大な芝居だったわけだ。

今回の感想

いやあ、今回はマジで息つく暇もなかったな。ション・ダーランの死でズーンと落ち込んだけど、インインがすぐに立ち直って反撃の策を練るところは、さすがとしか言えない。リーダーとして、どんどんたくましくなっていくよな。弱さを見せられる相手がジンランしかいないっていうのも、グッとくる。

そして、ついにションフォンゾーの正体が判明!長かった。こいつが味方なのか敵なのか、まだ完全には分からないところが面白い。インインに協力するのか、それとも裏切るのか。目が離せないぜ。

最後の最後に、ジンランが全部仕組んでいたっていう展開には鳥肌が立った。冷静な顔して、とんでもない策士だよ、彼は。インインの大胆な行動も、すべて彼の計算のうちだったのかもしれない。この二人のコンビ、最強すぎるだろ。

つづく