あらすじとネタバレ

牛将軍(ニウしょうぐん)の裏切りと楊静瀾(ヤン・ジンラン)の窮地

牛将軍(ニウしょうぐん)が、いきなりとんでもないことを始めた。部下の陳兄と李兄を呼び出す。自分が楊静瀾(ヤン・ジンラン)に罪を着せられたと嘘をついた。節度使を裏切るかもしれない、俺についてくるかと二人を脅す。陳兄は節度使を裏切るべきじゃないと正論を言った。そしたら牛将軍、なんと部下に命じて陳兄をその場で殺させた。マジかよ。李兄はそれを見てビビりまくる。とりあえず従うフリをするしかなかった。牛将軍は自分が節度使になったら、李兄を重用すると約束した。もう完全に黒い。

その頃、楊静瀾は逃げた晟豊澤(ション・フォンゾー)を一人で追っていた。晟豊澤(ション・フォンゾー)に追いつき、一緒に戻るよう説得する。でも晟豊澤(ション・フォンゾー)は時間を稼ぐ。わざと牛将軍の腰牌を見せて、協力して牛将軍を排除しないかと持ちかけた。楊静瀾はもちろん断る。お前の手には乗らない、と。すると晟豊澤は挑発を始めた。季英英(ジー・インイン)を南詔に連れ帰る計画がある、なんて言い出す。それを聞いて楊静瀾はカッとなり、剣を抜いた。これが晟豊澤の狙いだった。彼はわざと楊静瀾の剣先に自分の胸を突き当てたんだ。完全に自作自演。そこに晟豊澤の部下たちが駆けつける。みんな、楊静瀾が晟豊澤を刺したと思い込んだ。晟豊澤は楊静瀾が俺を殺そうとした!と大げさに騒ぐ。長安の役人たちは職務怠慢だと非難し、この恨みは南詔として必ず返すと宣言した。役人たちは面倒なことになり、楊静瀾を捕まえて皇帝に突き出そうとする。高放(ガオ・ファン)たちの助けがあって、楊静瀾はなんとかその場を逃げ切った。でも、殺人犯として指名手配される最悪の事態になった。

吐蕃からの凱旋、そして偽りの離縁

楊静瀾は絶体絶命だ。彼はこの状況を逆手に取る作戦を立てる。節度使の穆輝(ムー・フイ)に助けを求めることにした。彼は牛将軍の暴走を許さないはずだ、と。楊静瀾が一番心配したのは、妻の季英英(ジー・インイン)のことだった。この事件に彼女を巻き込むわけにはいかない。彼は心を鬼にして、離縁状(和離書)を書いた。高放(ガオ・ファン)にそれを英英へ渡すよう頼む。別れる前、楊静瀾は約束した。すべてが終わったら、必ず盛大に君を妻として迎えに行くと。英英はただ、彼の無事を祈った。

一方、吐蕃にいた季英英の一行は、ついに商談を成功させた。蜀錦は吐蕃で大人気。新しい商路が開かれたんだ。彼女は大きな成果を手に、楊家へと帰ってきた。家の前で彼女を出迎えたのは、険悪なムードの楊家の一族だった。楊二爺(ヤン・アルイエ)が、英英には才能がないと悪口を言いまくっていた。趙家の注文を受けて、この危機を乗り切るべきだと主張していた。そこへ英英が帰還する。彼女は堂々と、吐蕃との取引で得た大金を見せつけた。楊家のために新しい販路を開拓したと宣言する。焦った楊二爺(ヤン・アルイエ)は、英英にそんな権限はないとわめき立てる。役人を呼び、彼女は殺人犯の身内だから捕まえろと騒いだ。でも英英は一枚上手だった。彼女は偽造した離縁状を取り出す。もう私は楊家の人間ではないその身分を盾に、役人たちを黙らせた。さらに楊二爺が趙家の注文書を返さないとごねると、英英は脅しをかける。すべての注文書には自分の署名がある。だから他の織物工房と組むこともできる、と。楊家の一族は商売がダメになるのを恐れた。みんな英英を楊家の主として認めるしかなかった。

楊家の内紛、ついに黒幕が明らかに

家の中も大変なことになっていた。楊静瀾の母である楊氏(ヤンし)が、毒を盛られて昏睡状態に陥っていた。英英は楊二爺の仕業だと疑う。季耀庭(ジー・ヤオティン)に見張りを頼み、家のことは楊静山(ヤン・ジンシャン)に任せた。そんな中、諸葛が楊静瀾からの本当の離縁状を英英に渡す。偽物じゃない、本物の離縁状。それを見て、英英は楊静瀾の覚悟を知った。彼の生死も分からない。でも彼女は心に決めた。必ず彼を待つ、と。

英英は罠を仕掛ける。楊家の一族を集め、楊氏(ヤンし)の意識が戻ったと嘘の報告をした。楊二爺はそれを信じず、動揺してボロを出しそうになる。追い詰められた楊二爺は、趙修縁(ジャオ・シウユエン)に助けを求めた。どうすればいいかと相談しているところを、英英が踏み込む。二人の会話はすべて聞かれていた。英英は楊二爺を問い詰める。あなたが母上に毒を盛ったんですね楊二爺はひざまずいて命乞いをした。そして、すべては晟豊澤に指示されたことだと白状した。英英は彼の卑劣な行動を責める。さらに、晟豊澤が各工房から織物のデザイン画(画本)を盗んでいたことも判明した。事件は、英英が想像していたよりもずっと根が深いものだった。

第32話の感想

いやあ、今回は情報量がすごかった。楊静瀾と季英英、二人の試練が一気に本格化した回だったね。楊静瀾が晟豊澤の汚い罠にハマるシーンは、見ていて本当に悔しかった。あそこまで完璧にハメられたら、どうしようもない。一方で、季英英の強さが半端ない。夫が指名手配されてる間に、吐蕃とのビッグビジネスをまとめて帰ってくる。帰宅して早々、家の内紛も偽の離縁状一枚で黙らせるんだから、かっこよすぎる。楊静瀾が彼女を守るために書いた離縁状と、彼の覚悟が込められた本物の離縁状。この二通の手紙が、二人の絆の深さを物語っていてグッときた。楊二爺みたいな小悪党がゲスな動きをするのも面白いけど、その裏にいた晟豊澤の存在が不気味だ。ただの使者じゃなかった。物語が政治的な陰謀とドロドロの家督争いを巻き込んで、一気に加速した感じがする。

つづく