ネタバレと感想
いやあ、今回の話はとんでもないことになったな。特に一人の女性の執念が、物語を根底から揺るがした回だった。
まさかの自決、牛五娘(ニウ・ウーニャン)の最後の賭け
話の中心は、なんといっても牛五娘(ニウ・ウーニャン)だ。彼女、とんでもない手を使ってきた。趙修縁(ジャオ・シウユエン)を自分の部屋に呼び出すんだ。母親の誕生祝いにかこつけて、同情を誘う作戦だった。
部屋で二人きりになった途端、彼女は自分の不満をぶちまける。季英英(ジー・インイン)と同じように事業をやりたかったのに、誰も私を支持してくれないって。趙修縁(ジャオ・シウユエン)が君と英英は違う。彼女は誠実だと返したのが、最後の引き金になったみたいだ。
牛五娘は突然笑い出したかと思うと、隠し持っていた短剣を取り出した。趙修縁と季英英(ジー・インイン)の名誉を汚す言葉を叫びながら、彼を脅す。修縁が止めようとした、その瞬間だった。彼女は、その短剣を自分の胸に突き立てた。そして、窓から身を投げて、趙修縁を殺人犯に仕立て上げたんだ。自分の命を懸けた、あまりにも壮絶な復讐だった。
楊家の新たなリーダー、季英英
その頃、季英英は着実に地盤を固めていた。楊家の女主人である楊氏(ヤンし)は、解毒薬で一命をとりとめる。彼女は一族を集めて、英英に楊家の改革を任せると宣言した。
不正を働いていた楊二爺(ヤン・アルイエ)はきっちり裁かれ、役人に引き渡された。英英は楊家の事業の印信を受け継ぎ、名実ともに楊家の主事になった。宗家の親族たちも、彼女の実力を認めざるを得ない。この状況でリーダーシップを取れるのは、やっぱり彼女しかいないってことだよな。
四面楚歌の趙修縁と、忍び寄る影
牛五娘の死で、趙修縁は完全に詰んだ。周りは痴情のもつれで殺したと噂し、彼はすぐに役人に捕らえられてしまう。娘の死を知った牛将軍(ニウしょうぐん)は、修縁が冤罪だと薄々感づいている。それでも娘の復讐のために、趙家そのものを潰すことを決意した。もう、めちゃくちゃだ。
英英はこの知らせを聞いて、牛五娘の行動が理解できずにいた。彼女は捕らえられた修縁に会いに行く。そして、個人的な恨みは一旦置いて、共通の敵である晟豊澤(ション・フォンゾー)を倒すために協力しようと持ちかけた。この状況でも冷静に大局を見ているのが、英英のすごいところだ。
すれ違う二人、季英英と楊静瀾(ヤン・ジンラン)
楊静瀾(ヤン・ジンラン)はまだ逃亡中だ。彼は英英に手紙を送り、山での密会を約束する。英英は飛花会に頼んで監視の兵を引きつけ、約束の場所へ向かった。
でも、静瀾は遠くから彼女の姿を見つめるだけだった。自分が近づけば、彼女に危険が及ぶと考えたんだ。英英は岩に刻まれた文字を見て、彼の気持ちを察する。彼女は自分の髪を一房切り、静瀾の無事の帰りを待つと心に誓った。会いたいのに会えない二人が、本当にもどかしい。
蜀錦を守るための戦い
物語の裏では、もっと大きな危機が迫っていた。晟豊澤(ション・フォンゾー)の手下である寧黛(ニン・ダイ)が、益州の織物職人たちを全員、南詔国へ連れ去ってしまったんだ。蜀錦の未来そのものが奪われかねない事態だ。
英英はすぐに錦業の会合を開き、各工房に職人を守るよう訴える。職人がいなければ蜀錦は作れない。目先の利益を考えるなと、皆を説得した。最初は渋っていた工房の主人たちも、遅れてやってきた趙家の当主、趙老太爺(ジャオろうたいや)が英英への協力を表明したことで、ようやく一つにまとまり始めた。
第33話の感想:女たちの執念が渦巻く回
今回は牛五娘の行動に全てを持っていかれた。彼女の執念は、もはや狂気だ。でも、ただの悪役として片付けられない悲しさがある。彼女にも才能と野心があった。ただ、周りに認められず、やり方が歪んでしまった。季英英という光が強すぎたせいで、彼女の影はどこまでも濃くなってしまったんだろう。趙修縁は本当に不憫だよな。完全に巻き込まれただけじゃないか。
一方で、季英英の成長が目覚ましい。次々と起こる問題に立ち向かい、気づけば楊家だけでなく蜀錦業界全体を引っ張る存在になっている。彼女の強さと冷静さは、見ていて本当に頼もしい。男たちが復讐や策略に翻弄される中で、女たちの決意と行動が物語を動かしている。その対比が、このドラマの面白いところだと改めて感じた。
つづく