益州に最大の危機が訪れる。晟豊澤(ション・フォンゾー)が邪悪な計画を実行に移し、趙家や飛花会の職人たちなど、多くの人々が人質となってしまう。大切な人たちを守るため、季英英(ジー・インイン)は危険を承知で、たった一人で交渉に挑むことを決意する。一方、軍営で異変を察知した楊静瀾(ヤン・ジンラン)は、急ぎ益州へと向かう。しかし、信頼していたはずの人物による最悪の裏切りが明らかになり、益州は混乱と殺戮の渦に巻き込まれていく。

「蜀紅錦~紡がれる夢~」あらすじネタバレ34話

最悪の裏切り、始まる

いやあ、今回は本当にキツい展開だったね。まず、牛将軍(ニウしょうぐん)。こいつが全ての元凶だ。晟豊澤(ション・フォンゾー)の提案に乗っかるフリをして、裏では自分の権力欲のために動いてた。晟豊澤(ション・フォンゾー)は、自分の兵士を南詔兵に化けさせて城を攻めさせるっていう、まあまあ悪どい計画を立てる。でも、牛将軍(ニウしょうぐん)はそれすら利用するつもりだったんだ。晟豊澤が大事にするなよって釘を刺すんだけど、牛将軍は聞く耳を持っちゃいない。もうこの時点で、とんでもないことが起きる予感しかしないよな。

一方、軍営に戻った楊静瀾(ヤン・ジンラン)は、すぐに異変に気づく。牛将軍の動きが怪しい。あいつが晟豊澤と組んだら、益州は終わる。そう直感して、すぐにでも益州に戻ろうとするんだ。でも、上官の穆輝(ムー・フイ)には会わせてもらえない。結局、仲間の高放(ガオ・ファン)を人質代わりに残して、一人で益州へ急ぐことになる。この判断が、後でとんでもない悲劇につながるんだ。

益州、地獄絵図

囚われる人々

その頃、益州はもう地獄の一歩手前だった。晟豊澤は、趙家を人質に取って趙修縁(ジャオ・シウユエン)を脅す。お前だけいればいい。他の家族は牛将軍にくれてやるなんて言うんだから、もうメチャクチャだ。趙修縁(ジャオ・シウユエン)に季英英(ジー・インイン)を追わせるため、南詔へ連れて行こうとする。

それだけじゃない。晟豊澤の部下、寧黛(ニン・ダイ)が飛花会の染物工房を襲撃して、腕のいい職人たちを全員連れ去ってしまう。桑十四郎(サン・シーシーラン)は、想いを寄せる朱小娘(ジューシャオニャン)が連れて行かれるのを見ていられなくて、自分が盛大郎(ション・ダーラン)だと嘘をついて身代わりになる。この男気にはグッとくるけど、状況は最悪だ。

季英英(ジー・インイン)、覚悟の交渉

職人たちが捕まったという知らせは、すぐに季英英の元に届く。彼女は、みんなを助けるために自分が晟豊澤に会うしかないと覚悟を決める。母親の季徐氏(ジー・シューし)が泣いて止めるけど、彼女の決意は固い。兄の季耀庭(ジー・ヤオティン)も一緒に行くと言ってくれて、二人で晟豊澤がよこした馬車に乗り込むんだ。この別れのシーンは、見ていて本当に辛かった。

季英英はただ言いなりになるつもりはなかった。晟豊澤に交渉を持ちかける。でも、晟豊澤は彼女の要求を誠意がないと一蹴して、非情にも合図の狼煙を上げてしまう。その瞬間、偽の南詔兵たちが城内で殺戮を始めたんだ。

引き裂かれる二人

ここで、牛将軍が本性を現す。彼はとっくに上官の穆輝(ムー・フイ)を殺していて、南詔兵の仕業に見せかけていた。そして、益州に攻め入ると、口封じのために、自分が送り込んだ偽の南詔兵(つまり自分の部下)たちを皆殺しにする。こいつの残虐さは底が知れない。

晟豊澤も、ようやく牛将軍に裏切られたことに気づく。慌てて季英英を連れて南詔へ逃げようとするんだ。そこに、楊静瀾(ヤン・ジンラン)がやっとの思いで駆けつける。でも、間に合わない。晟豊澤が、南詔へと続く橋を切り落としてしまった。

橋の向こう側とこちら側。引き裂かれた季英英と楊静瀾。季英英は、涙をこらえながら楊静瀾の名前を叫ぶ。そして、天地に誓って、あなたと結婚しますと宣言するんだ。言葉が届かなくても、二人の心は通じ合っていた。遠く離れた場所で、二人だけの婚礼の儀式を執り行うシーンは、本当に胸が張り裂けそうだった。

それぞれの道へ

牛将軍は、まんまと益州の兵権を掌握する。反対する者はその場で斬り殺し、恐怖で支配を固めた。楊静瀾は、季英英を救うため、たった一人で南詔へ向かうことを決意する。友人の諸葛鴻(ジューグォ・ホン)は、益州を守るために残ることを選んだ。絶望的な状況の中、二人はそれぞれの戦いに身を投じていくんだ。

感想

いやー、今回の34話は本当に息が詰まる回だった。正直、見ていてかなりしんどかったよ。味方だと思っていた牛将軍の裏切りが、これ以上ない最悪の形で描かれていて、もう救いがない。晟豊澤も悪党だけど、結局は牛将軍にいいように使われただけで、ちょっと間抜けに見えちゃうくらいだ。

でも、この絶望の中で一番心に残ったのは、やっぱり橋のシーンだね。物理的に引き裂かれて、もう会えないかもしれないっていう極限状況で、愛を誓い合う季英英と楊静瀾。声も届かない距離で、お互いの気持ちを確かめ合うように儀式をする姿は、本当に美しくて、そして悲しかった。このドラマは、こういうセリフに頼らない演出が本当にうまいと思う。

物語はどん底まで落ちたけど、楊静瀾が一人でも季英英を助けに行くと決めた姿に、わずかな光を感じたよ。ここから彼がどうやって彼女を救い出すのか。泥沼の中でも、愛を貫こうとする二人の強さを見せつけられた回だった。

つづく