あらすじ
宮廷で起きた、ちょっときな臭い事件から話は始まる。西焉から来た美人たちが、次々と脅されるんだ。その手口が、景王・慕容璟和(ぼようけいわ) の間にだけあったはずの秘密に関わっていて、事態は一気に複雑になる。疑われた眉林(びりん) は絶体絶命のピンチ。もちろん、我らが景王が黙っちゃいない。これは太子の罠だと見抜いた景王が、鮮やかな反撃に打って出る。権力争いと恋心が絡み合って、物語が大きく動く回だぜ。
ネタバレ
怪しい火傷事件と眉林の危機
一夜にして、西焉から来た美人10人が脅迫される事件が起きた。全員、覆面をつけた男に脅されたらしい。彼女たちの共通点は、手首に火傷の痕があること。
この報告を聞いた殷落梅(いんらくばい)の陣営はざわつく。副将は、手首に火傷がない眉林が怪しいとにらんだ。景王が眉林を寵愛するのを隠れ蓑にして、スパイと連絡を取ってるんじゃないかってわけだ。そして、眉林を捕らえて尋問するべきだと進言する。
一方、景王は李青(りせい)が西山の鉱山に囚われていることを突き止めていた。そこの守将はとっくに太子側に寝返ってる。だから救出は簡単じゃない。そう考えていた矢先、殷落梅(いんらくばい)が眉林を捕らえたっていう知らせが入るんだ。
案の定、殷落梅の副将はやりたい放題。眉林の顔を傷つけようとまでしやがる。そこに殷落梅本人が現れて、ギリギリで止めた。殷落梅が眉林に火傷の理由を問い詰めていると、今度は景王・慕容璟和(ぼようけいわ)が乗り込んできた。
その火傷は俺がやったことだ。
景王はそう言い放った。10人の美人の火傷も全部自分の仕業だと認める。そして殷落梅に警告するんだ。眉林を傷つけるなら、俺と敵対するってことだぞってね。もう完全に守る気満々だ。
景王の罠、太子を追い詰める
帰り道、景王は眉林に真相を話す。太子が眉林の火傷を真似て、自分を陥れようとしていること。西焉の美人を使って朝廷の重臣たちを抱き込み、次期皇帝の座を狙っていることを。
眉林は美人たちの身を案じる。景王は俺が勝てば、全員助けられると答えた。もうすでに、この状況をひっくり返す策を思いついていたんだ。
殷落梅は、まだ景王が国を裏切るようなことをするとは信じられない。もう一度、景王の屋敷を訪ねる。そこで景王ははっきりと宣言した。俺は帝位を争う。そして、3日後に鐘林山へ来るように誘う。そこで全ての真相を話す、と。
その夜、太子・慕容玄烈(ぼようげんれつ)と景王のもとに、同じ知らせが届く。張印(ちょういん)が牢から逃げ出した、というものだ。張印(ちょういん)が死んだフリで自分を騙していたと知った太子は激怒。自ら始末をつけに行くと決める。でも、これも全部、景王が仕組んだ計画の一部だった。
3日後。景王と眉林は、張印の死体(に見せかけたもの)を利用して、太子を追い詰める。太子にスパイ問題を自分で解決させるように仕向けたんだ。そこに殷落梅が現れる。彼女の声を聞いた太子は、景王の条件を飲むしかなかった。殷落梅の前では、仲の良い兄弟を演じる。西焉スパイ事件の真相を聞かれた太子は、兵部侍郎の甘寧(かんねい)がやったことだと嘘をついた。
景王の計画は成功だ。彼は満足げにその場を去っていく。
揺れる女将軍の心
一人残された殷落梅は、寂しさを感じる。そんな彼女に、太子が話しかけた。昔、弓の腕比べで、侍女たちにイジワルされて負けたこと。最後に殷落梅が自分の弓を貸してくれて、本当の実力を発揮できた思い出を。
太子と景王、どちらにつくか。選択を迫られる殷落梅。彼女はこの争いに誰も助けない。平南軍を誰かの駒にはさせないと告げる。
それでも太子は諦めない。軍権が欲しいんじゃない、君の心が欲しいんだ、と再び告白する。そして、誓書まで取り出した。たとえ彼女が皇后になったとしても、軍権は彼女が握り続ける。大炎でただ一人の女将軍であり続けると誓う内容だった。
景王と眉林、近づく距離
景王は眉林と合流する。彼女が左肩に怪我をしていることに気づき、自分の屋敷に連れ帰って手ずから治療した。
その頃、死んだはずの張印は、威北軍の霊廟がある密室にいた。そこで彼は、生き残っていた先鋒営の龐奇(ほうき)と再会する。驚く張印に、龐奇(ほうき)は土下座して謝罪を迫った。そこに景王が現れ、龐奇に約束する。いつか必ず君をここから出し、真犯人を裁いて死んだ者たちの魂を慰めると。
その夜、景王はひどく酔っていた。蓮の池のほとりで眉林と出会い、階段に座り込んで彼女と話す。酔った勢いで、眉林が自分の唇を噛んだこととか、色々と思い出を語りだした。眉林がじゃあ噛み返してと言うと、景王は彼女の石のかんざしを抜き取った。
これは預かっておく。太子を倒したら返してやる。
後日、太子と殷落梅は皇帝に謁見する。甘寧(かんねい)が景王を殺害しようとした件を報告すると、炎帝(えんてい)は激怒。殷落梅が部屋を出た後、皇帝が太子を厳しく叱責する声が聞こえた。太子の恵まれない出自や、幼い頃から虐げられてきた境遇を思い、殷落梅の心は揺れる。
部屋に戻った彼女は、太子からもらった誓書を見つめる。景王が眉林を想っていることも考え、自分もこの恋に固執すべきではないと思い始める。そして、太子・慕容玄烈(ぼようげんれつ)を選ぶことを決意した。
翌朝、景王は瞻月閣の掃除を命じる。庭に咲く死なない野花は残すように、と。誰が見ても、彼が眉林に心を寄せているのは明らかだった。同じように、眉林も景王のことを考えては、胸をときめかせていた。劉嬷嬷(りゅうまま)が景王の命令で蜜餞を届けると、眉林は心から喜んだ。
感想
いやー、今回の11話、マジで濃かったな。景王の策士っぷりが炸裂した回だった。太子を手のひらで転がすところは、見ててスカッとしたよ。死んだはずの張印を駒に使うとか、発想がえげつない。しかも、それが全部、過去の威北軍の事件にも繋がってる。話のスケールがでかいんだよな。
殷落梅の選択も気になるポイントだ。景王への想いを断ち切って、太子を選ぶっていう決断。彼女の立場を考えると、すごくリアルで切ない。平南軍を守るっていう責任もあるし、ただの恋愛じゃ済まないんだよな。太子の必死のアプローチも、彼の生い立ちを知るとちょっと同情しちゃう。
でもやっぱり一番の見どころは景王と眉林の関係だよ。怪我の手当てとか、酔った勢いでの会話とか、もうニヤニヤが止まらない。かんざしを人質にとるシーンなんて、王道のラブコメ展開。この二人の距離が縮まっていく様子が、このドラマの大きな魅力だよな。甘いシーンと権力争いの緊張感、このバランスが絶妙だ。
つづく


