父である炎帝(えんてい)を救うため、慕容璟和(ぼようけいわ)はついに宮殿への決死の突入を決行する。彼の前には太子が差し向けた刺客や禁軍が次々と立ちはだかり、激しい戦いが避けられない。一方、その知らせを聞いた眉林(びりん) は、璟和の身を案じ居ても立ってもいられなくなる。宮殿では、ついに璟和と太子・玄烈が直接対決の時を迎える。絶体絶命の状況の中、事態は誰も予想しなかった結末へと向かっていく。登場人物それぞれの運命が大きく動く、緊迫の一話。
「春花焔~Kill Me Love Me~」あらすじネタバレ23話
いやー、今回の23話はマジで息つく暇もなかったね。早速、何が起きたか話していくよ。
命がけの救出劇、ついに決着
まず、慕容璟和(ぼようけいわ)たちが宮殿に乗り込むところから。王全(おうぜん)の部隊が立ちはだかって、もう大乱闘。璟和は清宴(せいえん)を先に行かせるため、自ら王全の前に立つ。激しい斬り合いの末、璟和は王全を仕留めた。
二人はなんとか延明殿に薬を届けられた。でも、この薬、効果が出るまで一時間も燻し続けないといけない。そんな悠長なことしてる時間なんてないのに。
案の定、禁軍が駆けつけてくる。璟和はまだ意識のない炎帝(えんてい)を盾にして、禁軍に手出しさせない。禁軍のトップも、さすがに皇帝を人質に取られたら動けないよね。一瞬、膠着状態になった。
でも、そこに太子・慕容玄烈(ぼようげんれつ)が登場。この男、ためらいなく禁軍の統領を斬り捨てた。ヤバすぎる。もともと体調が万全じゃない璟和は、怪我もあって玄烈には敵わない。清宴も重傷を負って、状況は最悪。
玄烈が璟和にとどめを刺そうとした、まさにその瞬間。炎帝が目を覚ましたんだ!ギリギリセーフ。
炎帝は玄烈の裏切りに激怒して叱りつける。普通ならここで終わりだよね。でも玄烈は全く動じない。それどころか、剣を抜いて父親である炎帝に斬りかかった。もう完全に狂ってる。璟和がとっさに身を挺して、その刃から炎帝を守った。
もうダメかと思ったその時、殷落梅(いんらくばい)が平南軍を率いて宮殿に到着。彼女がすぐさま動乱を鎮圧した。玄烈も、殷落梅(いんらくばい)に剣を向けられては観念するしかなかったみたい。ようやく捕らえられて、牢屋にぶち込まれることになった。
すれ違う二人、戻らない時間
場面は変わって、眉林(びりん) サイド。彼女は目を覚まして、璟和が宮殿に突入したことを知る。宮殿は完全に封鎖されていて、もうどうしようもない。そんな中、眉林(びりん) のもとに知らせが届く。炎帝が目覚めて太子の謀反は失敗したこと。そして、璟和が昏睡状態に陥っていること。
それを聞いた眉林(びりん) は、もうじっとしていられない。心配でたまらなくなって、一人で馬を飛ばして景王府に駆けつけた。部屋に忍び込んで、眠る璟和のそばで静かに涙を流す。
その時、璟和がうっすらと目を開ける。目の前には、ずっと会いたかった眉林がいる。璟和は懐から壊れた石のかんざしを取り出して、申し訳なさそうな顔をする。それを見た眉林は、何も言わずにその場を去ってしまった。
璟和が次にしっかり目を覚ました時、顔を触っても涙の跡はない。あれは夢だったのか、と思う。でも、侍女が教えてくれた。亡き皇后が璟和のために縫った婚礼衣装があった。その衣装、一箇所だけ縫いこぼしがあって、縁起が悪いとされていたらしい。眉林が、その部分をきれいに補修してくれていたんだ。璟和はその衣装を見て、刺繍をする眉林の姿を思い浮かべてた。切ないね。
一方、眉林は越秦(えつしん)と西焉に帰ることになる。西焉王が眉林を神女だと信じ込んでいて、早く連れてこいって命令してるから。越秦(えつしん)は昔の恩を返すために、眉林を自分の妃(少君妃)ということにして守ってくれた。眉林もその恩に報いるため、人前では夫婦のフリをすることを受け入れる。
二人は出発前に炎帝に挨拶する。炎帝は眉林を宗朔郡主に封じて、これからは大炎が君の実家だ、とまで言ってくれた。いよいよ二人が出発する時、知らせを聞いた璟和が慌てて追いかけてくる。でも、間に合わなかった。彼が見たのは、遠ざかっていく眉林の後ろ姿だけだった。
それぞれの結末
謀反の事後処理も決まった。まず、青州の放火事件の真相が公表された。これで、濡れ衣を着せられていた威北軍の潔白がやっと証明された。璟和の功績は、これまでの罪と相殺ってことでチャラに。まあ、皇帝を救ったんだから当然か。
殷落梅(いんらくばい)は、太子に加担した罪は重い。でも、最後に皇帝を救ったから死罪は免れた。将軍の位を剥奪されて、都から追放。命令なしには帰れない。炎帝も、息子の教育を間違えたってことで、自らを罰する詔を出した。璟和にとっては、これが威北軍の仲間たちの魂を弔う、一つの区切りになったんだろうね。
そして、最後のシーン。殷落梅が、きれいな婚礼衣装を着て牢獄の玄烈に会いに来た。二人は、夫婦が誓いを交わす杯を酌み交わす。彼女は、今になってやっと自分の本当の気持ちに気づいた。玄烈を愛していたんだって。でも、もう遅い。
玄烈は、その酒が毒酒だと分かっていながら、ためらわずに飲み干した。彼は殷落梅を抱きしめながら、どんな夫が好きかと尋ねる。彼女の答えは、一つ一つがすべて玄烈そのものを指していた。殷落梅は、自分の腕の中で息絶えていく玄烈を見て、ただ泣き崩れるしかなかった。あまりにも悲しい結末だった。
今回の感想
いや、もう何から話せばいいか分からないくらい濃い回だった。璟和の命がけの戦い、眉林とのあまりにも切ないすれ違い、そして殷落梅と玄烈の悲劇的な愛の結末。全部がクライマックスみたいだったよ。
特に胸に刺さったのは、殷落梅と玄烈の最期。お互い、もっと早く素直になれていればって思わずにはいられない。毒だと分かってて飲む玄烈の覚悟と、愛する人が腕の中で死んでいくのを見届けるしかない殷落梅の絶望感。この二人の物語がこんな形で終わるなんて、本当に辛い。見ていて胸が張り裂けそうだった。
璟和と眉林も、やっと会えたのに言葉も交わせず別れるなんて。遠ざかる眉林の背中を見つめる璟和の姿は、こっちまで苦しくなった。威北軍の汚名がそそがれたのは良かったけど、そのために失ったものが多すぎて、素直に喜べないよな。愛と犠牲、そして取り返しのつかない後悔が詰まった、重くて見ごたえのある回だった。
つづく


