あらすじとネタバレ
それぞれの道へ
事件の真相がすべて片付いた。殷落梅(いんらくばい)は平南軍を立て直すために旅立つ。慕容璟和(ぼようけいわ)は彼女を見送り、再会を約束した。帥印を取り戻したら、祝杯をあげようってな。殷落梅(いんらくばい)のおかげで道を踏み外さずに済んだと感謝してた。いい別れだったと思うよ。
その足で、慕容璟和は親父である炎帝(えんてい)に会いに行った。そこで炎帝(えんてい)が、ついに本音を漏らしたんだ。青州の大火の後、本当は景王(慕容璟和)のせいじゃないかもしれないと思いつつ、どうにもできなかったって。国内外に敵が多すぎて、民衆の怒りを鎮めるには、誰かを悪者にするしかなかった。そう自分に言い聞かせていた、と。慕容璟和は、この言葉で完全に理解した。親父は俺一人の父親じゃない。天下の皇帝なんだってことをな。
炎帝は罪悪感からか、国を譲ると言い出した。でも慕容璟和は首を縦に振らない。まだやるべきことがある、と。彼は自ら、廃墟となった青州へ行くことを願い出た。自分のせいでめちゃくちゃになったあの土地を、自分の手で再建したい。そう言って、青州の刺史(地方長官みたいな役職だな)に志願したんだ。炎帝も、青州で失った民の心は、青州で取り戻すべきだと、その覚悟を認めた。
西焉での眉林(びりん)
一方、眉林(びりん)と一緒にいた。彼の故郷である西焉に帰る前に、青州へ立ち寄ったんだ。久しぶりに戻った故郷で、眉林は両親の墓の前にひざまずく。青州の無念は晴らされたよと報告する姿は、見ていて胸が詰まったな。
その後、二人は西焉へ。そこで眉林は驚くことになる。自分が神使として民衆から崇められてるんだから。馬車の中から、民がひれ伏す光景を見て、日月昆侖っていう信仰がどれだけ根深いかを知る。越秦(えつしん)自身は神なんて信じてない。でも、国を治めるために神の力をうまく利用してるってわけだ。西焉王は眉林に会い、彼女を越秦の妃(少君妃)にすると宣言する。
ここで西焉のヤバい伝統が明らかになる。神託は神女である眉林の体に、直接刺繍で刻まれるのが習わしらしい。痛みに耐えられないと思った越秦が、とんでもない行動に出る。彼女の代わりに俺が受けると。眉林の分の痛みまで、自分の体に刻み込んだんだ。こいつ、マジで男気あるよな。越秦はさらに、反対派を抑え込んで青州との貿易協定もまとめ上げた。政治家としても、かなりキレる男だ。
青州の再建と再会
慕容璟和は、約束通り青州の刺史として赴任した。目の前に広がるのは、雑草だらけの荒れ地と、さまよう民たち。その光景に、彼は言葉を失う。そんな彼に、一人の老人が石を投げつけ、罵声を浴びせた。役人が老人を連れて行こうとするのを、慕容璟和は止める。長史の李解が説明した。老人は大火で家族を亡くし、正気を失っている、と。
慕容璟和は、民の心の傷の深さを改めて知る。彼は、この地に万民碑を建てることを決めた。大火で亡くなった人々の名前をすべて刻み、残された者が祈れる場所を作る。それが彼の贖罪の第一歩だった。彼はそれだけじゃなく、眉林に贈ったあの石簪を直すために、自ら鉱山を巡って同じ色の石を探し当てた。まだ彼女を想ってる証拠だよな。
政策も次々と打ち出す。山賊になった者たちも、山を降りて畑を耕すなら過去の罪は問わない。青州に来た難民には、土地と農具と種を与える。必死に再建を進める慕容璟和のもとに、知らせが届く。西焉から、貿易担当の役人が来ると。その名簿に、彼は眉林の名前を見つけた。
慕容璟和は、いてもたってもいられず街へ駆け出した。やっと会える!その一心だったはずだ。でも、彼が見たのは、越秦と仲良く街を歩く眉林の姿だった。二人はすごくお似合いに見えた。その光景を、慕容璟和はただ立ち尽くして見つめることしかできなかった。
感想
いやー、今回の慕容璟和、マジで男を上げたよな。ただのツンデレ王子じゃなかった。自分の罪と向き合って、ボロボロの青州を立て直そうとする姿にはグッときた。民に石投げられても、それを受け止める覚悟。一方で眉林は越秦と西焉へ。越秦も眉林のために体張るし、こっちのカップルも応援したくなる。最後の再会シーン、慕容璟和の気持ちを思うと胸が張り裂けそうだよ。やっと会えたのに、彼女は別の男の隣で笑ってるんだから。切なすぎるって。
つづく


