あらすじ

どん底からの逆転劇

まず眉林(びりん) が大変なことになる。毒蛾の粉で目が見えなくなっちまうんだ。そこに現れたのが、なんと慕容璟和(ぼようけいわ)。こっそり薬帯で手当てして、眉林(びりん) の痛みを和らげてやる。越秦(えつしん)が駆けつけた時には、もう慕容璟和(ぼようけいわ)の姿はなかった。まあ、幸い眉林(びりん) の目は大事に至らなくて一安心だ。

その頃、越秦(えつしん)は動いてた。鉱山の爆発が明駒(めいく)の仕業だと突き止めたんだ。それで大祭司と組んで一芝居打つ。神のお告げがあったことにして、西焉王(せいえんおう)に明駒が謀反を企んでますよって信じ込ませる。王様はこれをあっさり信じちゃう。結果、明駒は持ってた兵力の半分を越秦(えつしん)に奪われる形になった。表向きは長生塔の建設のためってことになってるけど、完全に兵権を奪うための作戦だな。越秦、なかなかの策士だ。

心をつかむための道

一方、青州での慕容璟和(ぼようけいわ)の立場は最悪だった。民衆から恨まれて、石まで投げつけられて怪我をする始末。それを聞いた眉林が黙っちゃいない。慕容璟和を助けるために、自ら動くんだ。

彼女が向かったのは、頑固な石工の李(り)じいさんのところ。青州大火の真実は別にあって、威北軍は命がけで民を守った英雄なんだって必死に説得する。最初は疑ってた李石工も、そこにやってきた慕容璟和の姿を見て、考えを変え始める。

慕容璟和に石碑を彫る技術を教えることにしたんだ。彼は大雨の中、手が血だらけになっても文句一つ言わずに文字を彫り続ける。その姿に、さすがの李石工も心を動かされた。そして、青州の犠牲者全員の名前を刻んだ万民碑を作ることを命じる。

碑が完成した日、慕容璟和は民衆の前で頭を下げて謝罪する。そこに眉林が割って入った。威北軍の兵士たちの名前も刻むべきだって叫ぶんだ。彼らこそ、民を守った英雄だって。この一言で、青州の民衆の心は完全に動いた。やっと慕容璟和と和解し、威北軍を英雄として認めたんだ。これで慕容璟和は青州の信頼を勝ち取った。皇帝からもお褒めの言葉と、威北軍の再建許可まで下りる。まさに大逆転だな。

ネタバレ

それぞれの覚悟

青州が落ち着きを取り戻した頃、越秦が戻ってくる。西焉王からの新しい任務を持ってな。それは、眉林と一緒に聖山で長明灯を灯す儀式をすること。越秦は、民を顧みず長生塔とかいう非現実的なものに大金をつぎ込む父親に、だんだん嫌気がさしてるみたいだ。

そんな時、妹の子顧(しこ)から妊娠したっていう手紙が届く。妹の成長を感じて、越秦も色々と思うところがあったんだろうな。彼は一人で慕容璟和に会いに行く。そして自分の計画を打ち明けた。儀式の後、眉林を西焉に連れ帰り、雪龍須の解毒剤を飲ませる、と。

それを聞いた慕容璟和は、もう罪悪感でいっぱいだ。そもそも自分が眉林に毒を飲ませたのが始まりだからな。この時から、もう二度と会えない運命なんだって覚悟してた。庭の紅果の木を見て、あの約束ももう果たせないんだって悟る。強引に進んでも、苦い結果しか残らないって分かってるんだよな。切なすぎる。

言葉のない別れ

儀式当日、またしても明駒がちょっかいを出してくる。眉林が乗る輿を壊したんだ。西焉のしきたりでは、祈祷する少君妃は地面に足をつけてはいけない。さあ、どうする。

そこに、輿担ぎに変装した慕容璟和が現れる。彼は黙って眉林を背負い、山頂を目指して歩き始めた。眉林はすぐに彼だと気づく。あなただって分かってる。鉱山で助けてくれたのも、あなたでしょって話しかける。

でも、慕容璟和は一言も答えない。ただひたすら、彼女を背負って山を登る。山道には終わりがある。二人の時間にも終わりが来る。山頂に着くと、彼は眉林を降ろし、彼女が越秦と儀式を執り行うのを黙って見届けた。そして、静かに涙を流すと、つけていた仮面を捨てて、また一人で去っていく。これが、二人の言葉のない別れだった。

感想

今回は本当に見ごたえがあったな。特に慕容璟和が民衆の信頼を取り戻していく過程が良かった。石を投げつけられても、血を流しながら石碑を彫っても、ただひたすら耐えて行動で示す。彼の不器用だけど誠実な人柄が、やっとみんなに伝わった瞬間は、見ていて胸が熱くなったよ。眉林が彼の盾になって、民衆の前で威北軍の名誉を訴えるシーンも最高だった。ただ守られるだけじゃなくて、一緒に戦うヒロインってのはやっぱり魅力的だ。

そして、ラストシーンだよ。もう、切なさの極みだろ。眉林を背負って無言で山を登る慕容璟和。背中から伝わる彼の思いと、それをすべて分かっている眉林。セリフなんてほとんどないのに、二人のどうしようもない運命と深い愛情が痛いほど伝わってきた。儀式を見届けた後の彼の涙には、こっちまで泣かされそうになった。お互いを思い合っているのに、決して結ばれない。このドラマの核になる部分が、このワンシーンに凝縮されてた気がするな。

つづく