いやー、今回の27話はキツかった。本当にキツかった。覚悟して読んでほしい。ハッピーエンドを信じてる君の心を、たぶん粉々にする回だから。俺も見てて、ちょっと言葉を失ったよ。愛って、ここまで人を追い詰めるものなんだな。

あらすじとネタバレ

じゃあ、何が起きたか、順を追って話していくね。

すれ違う二人の想い

まず越秦(えつしん) との離縁状を用意してた。彼女を自由にするためだ。神女の力がなくなった今、もう西焉(せいえん)に縛りつける理由はない。彼女が毒から解放されて、幸せに生きてほしい。それが彼のたった一つの願いだった。侍従は好きなのになぜ?って顔をしてる。でも越秦(えつしん)からしたら、無理に引き留めることこそ、彼女の優しさにつけこむ行為なんだよな。西焉王(せいえんおう)も、神女の力が消えたと聞いて、二人の離縁をあっさり認めた。

その頃、青州(せいしゅう)では慕容璟和(ぼようけいわ)が善政をしいてた。民からの信頼も厚い。彼は眉林(びりん) のことが心配で、医者を西焉に送って彼女の様子を確かめさせてる。みんながそれぞれの場所で、眉林(びりん) の幸せを願ってたんだ。この時はまだ。

最悪のタイミング、奪われた希望

越秦(えつしん)は部屋で一人、離縁状を渡す練習をしてた。どう切り出せばいいか、完璧なセリフを考えてたんだろうね。その矢先、最悪の事態が起きる。眉林が突然、毒の発作で倒れたんだ。

さらに追い打ちをかけるように、やっと花が咲いた解毒薬の雪龍須(せつりゅうしゅ)が盗まれた。犯人は明駒(めいく)。あいつは盗んだ雪龍須を西焉王に献上した。越秦と王の関係を壊すための、卑劣な罠だ。

天刑、そして失われた解毒薬

西焉王が雪龍須をそのまま食べようとした瞬間、越秦が飛び込んできた。父上のために薬に煎じてお持ちするつもりでしたと必死に嘘をつく。王はもちろん信じない。大祭司(だいさいし)が間に入ってかばってくれる。

越秦は、自分の潔白を証明して雪龍須を取り返すため、四十回の天刑を受けると宣言した。神に誓って、自分にやましいことはないと示すための儀式だ。

でも、明駒はさらに汚い手を使った。大祭司に毒を盛ってたんだ。刑の執行役だった大祭司は、途中で突然死んでしまう。明駒はすかさず天子を欺いたから天罰が下ったのだ!と叫ぶ。その場の誰もが、天の怒りだと信じ込んだ。

越秦は天刑に耐えきって赦された。でも、肝心の雪龍須は、西焉王がその場で全部食べてしまった。眉林を救う唯一の希望が、目の前で消えたんだ。

禁断の術と残酷な嘘

越秦はボロボロの体で、昼も夜も眉林のそばを離れなかった。そこに大巫(たいふ)がやってきて、一つの方法を告げる。それは血呪の禁術。眉林の血と混じり合う人間を見つけ、その血を入れ替えるという、禁断の術だった。

眉林を救うためなら、越秦は鬼にでもなる。彼は侍女たちを大勢捕らえ、地下牢に閉じ込めた。眉林に適合する血を探すために。

やがて眉林は意識を取り戻す。越秦は彼女に嘘をついた。雪龍須が効いたんだ。君は助かった。眉林はそれを聞いて心から喜んだ。未来に希望を持ち、越秦に何度も感謝した。越秦はそんな彼女に、用意していた離縁状を手渡す。体が良くなったら青州へ帰っていい、と。彼はもう分かってた。自分の手が血に染まったことを彼女が知ったら、二度と許されないってことを。

暴かれた真実、そして最後の決断

眉林は、越秦の様子がどこか暗いことに気づいてた。西焉の政務で疲れてるんだと思って、贈り物を渡そうとする。その時、聞いてしまったんだ。越秦と大巫の会話を。彼女の命は、あと三ヶ月だと。

眉林はショックで立ち尽くす。越秦は彼女に気づかず、侍女たちを閉じ込めた地下牢へ入っていく。眉林が後を追うと、そこには信じられない光景が広がっていた。侍女の阿伊(あい)が、宙に吊るされてる。

越秦は阿伊を助けようとする眉林を力ずくで止めた。眉林が次に目覚めた時、彼女は武功をすべて廃されていた。越秦は言った。こうするしか、君が生きる方法はなかった。でも眉林には分かる。阿伊は死なない代わりに、定期的に血を抜かれ続ける。それは生き地獄だ。眉林の知ってる越秦は、もうどこにもいなかった。二人の間には、決して越えられない溝ができてしまった。

見舞いに来た阿伽(あか)に、眉林は越秦の前でわざと香袋を渡す。駅に着いたら開けてと伝えて。案の定、越秦は慌てて香袋を奪いに行く。でも、中に入っていたのは一枚の紙切れだった。

私が死ねば、あの人たちは助かる

その頃、西焉王が眉林の部屋を訪れる。そこで見たのは、首を吊って自ら命を絶った眉林の姿だった。

第27話の感想:愛が人を鬼にする瞬間

もう、なんて言ったらいいか分からない。今回は本当に胸が張り裂けそうだった。越秦の気持ちも痛いほど分かるんだよ。愛する人を救いたい。その一心で、彼は人の道を踏み外した。眉林のためなら、自分がどれだけ汚れてもいい。その覚悟は本物だった。でも、そのやり方は眉林が最も望まないものだったんだ。彼女の正義感や優しさを、彼は完全に見誤ってた。愛しているのに、相手の心を一番分かってあげられない。このすれ違いが、今回の悲劇のすべてだと思う。

眉林の選択も、彼女らしいと言えば彼女らしい。自分一人が犠牲になることで、他の誰かが助かるなら、彼女は迷わずそっちを選ぶ。でも、あまりにも辛すぎるよ。彼女が最後に見たのは、愛した人が鬼に変わっていく姿だったんだから。彼女の死は、越秦への最大の罰であり、同時に彼を救うための最後の優しさだったのかもしれない。とにかく、今回は救いが一つもなかった。ただただ、登場人物たちの痛みが伝わってきて、見ているこっちの心も抉られるような回だった。

つづく